生まれ変わる故宮
■ 故宮博物院が大変身
台北・故宮博物院が大きく変化しています。展示スペースの全面リニューアルに、アジアの文明交流をテーマにした分館の開設、王朝料理がいただける新レストランの開店…。中華文化の精髄を紹介するという同博物院のコンセプトを、多彩な角度から発展させようとしています。■ 展示スペースを全面改装、時代順に見やすく
展示スペースのリニューアルは2004年春から始まりました。まず、東半分の改装が2006年春に完了しました。続いて西半分の改装に移り、2006年12月末にグランドオープンします。これまでは陶芸、書画など分野別に展示していたのが、年代順の展示に変わりました。新石器時代から清代まで、時代の移り変わりとともに、どのような芸術文化が発展してきたのかを確かめながら文物を鑑賞できます。
来館者に人気の高い「翠玉白菜」(翡翠[ひすい]のはくさい)や「肉形石」(東坡肉[トンポーロー]に似た形の石)には独立した展示台を用意。ぐっと見やすくなりました。また、コンピューターグラフィックス(CG)などの最新テクノロジーを駆使した展示室や体験ゾーンも登場しました。青銅器の変遷などが分かりやすいと評判です。
このほか、子どもたちが文物にさわったり、作品を作ったりすることができる教育施設も誕生します。ロビーや休憩スペースも広くなります。
■ 有名ホテルのレストランが出店
今回のリニューアルのポイントは「見る」だけではありません。「味わう」ことにもこだわっています。2007年末の開設を目指して故宮行政棟横で建設が進んでいるのは、有名ホテル・台北晶華酒店(グランド・フォルモサ・リージェントホテル)の新レストラン。地上3階、地下1階で総ガラス張り。唐、宋、元、明、清の5王朝の料理をもとにしたメニューを提供します。元の「団魚湯」(スッポンとヒツジのスープ)や、清の乾隆帝が好んだという「鍋巴蝦仁」(おこげのエビあんかけ)などが候補に挙がっていて、訪れた人が皇帝や皇女の気分を楽しめるよう、同ホテルのシェフたちが腕前とアイデアを競っているそうです。
■ 「アジア文明交流」テーマの分院も開館へ
さらに2011年には、台湾中部の嘉義県太保に分院「故宮南部院」が開館します。アジアの文明交流をメーンテーマに、中国だけでなく、日本から韓国、インド、中東に至るアジア全域を対象に、陶磁器、工芸品、書画、経典など計約1150点を展示して、アジアの文化芸術の交流やその影響を描き出す予定です。70ヘクタールの敷地には庭園や人工湖も備えています。開院80周年を機に、大きく生まれ変わる台湾の故宮博物院。中国4000年の歴史を物語る約65万点の文物たちも、新たな光を放つに違いありません。
写真提供:台北・故宮博物院
