2009年01月09日掲載記事より
JR筑肥線・唐津線 唐津駅 (佐賀県唐津市)
歴史の街に いざなう扉
福岡方面と佐賀方面の電車が発着する唐津駅。降り立った客を歴史あふれる城下町にいざなう
唐津駅前にそびえる唐津焼の「赤獅子」像。高田輝男駅長もお気に入りの駅のシンボルだ
築城400年(2008年)の節目を越えた、佐賀県唐津市のシンボル・唐津城。高台の城郭の眼下に広がる市街地には、今も堀や石垣が至る所に残り、江戸期に栄えた町人文化をしのばせる。その連綿と続く歴史への玄関口が、唐津駅だ。
駅舎は1983年の筑肥線電化に伴い、近代的な建物に改築された。しかし駅舎内は、老舗の和菓子店が軒を連ね、地元の代表的な祭り「唐津くんち」の映像と囃子(はやし)の音声が流れるなど、城下町の風情に満ちている。
北口を出ると、高さ約3.5メートル、重さ約2.1トンの唐津焼の像「赤獅子」が立つ。モデルはくんちの曳山(ひきやま)。唐津焼は16世紀後半、朝鮮半島の陶工がもたらしたとされる。全国に名高い2つの伝統が融合した大作だ。
「こんなに巨大な唐津焼は前代未聞」と話すのは、20年前に父と弟の3人で像を制作した、同市町田の中野陶痴(とうち)窯中野一政さん(61)。「細部にこだわった」像に、駅から出てきた人が足を止め、その迫力ある姿に感嘆の声を上げる。
駅からの徒歩圏内は、明治の炭鉱王・高取伊好(これよし)の旧宅「旧高取邸」(国指定重要文化財)など名所がたくさん。高田輝男駅長(52)は「コンパクトな街に見どころが詰まり、白壁や竹の壁が並ぶ雰囲気も魅力的」と語る。
平日は、主に福岡市や佐賀市への通勤・通学者で込み合う。大きな人の流れと逆方向の電車で、福岡市内から通勤している高田駅長は「車窓から唐津湾や虹の松原などの風景を眺める時間も楽しみ」という。
駅利用者の料金を割引するレンタサイクルもある。風を切って城下町を巡るのも一興。ホームに降り立ち、歴史と文化の街に飛び込んでみよう。
(唐津支局・小川俊一)








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