2007年11月30日掲載記事より
松浦鉄道 たびら平戸口駅 (長崎県平戸市)
「最西端」のもてなしの心
列車が到着するたび、名調子の案内放送がホームに響く。日本本土最西端の駅・長崎県平戸市田平町の松浦鉄道(MR)「たびら平戸口駅」。マイクを握るのは駅長の石橋達也さん(60)だ。MRで唯一、駅長がホームに立って乗降客に案内をする。
「最西端の駅として全国から観光客が訪れる。乗り場や行き先を、顔を見ながら案内するとお客さまは安心して旅ができます」。平戸瀬戸を挟む観光地・平戸島の「玄関口」ならではのもてなしだ。
41歳のときに会社員から鉄道マンに転身。4年間、MRの5つの駅に助役として勤務後、ここの駅長に就任して15年。「明るく、元気に」がモットーの“観光案内人”である。
大型観光バスが駅前広場に到着。観光客が一目散にホームを目指し、「日本最西端の駅」の大看板の前に並ぶ。石橋さんはカメラマンに変身して記念撮影。駅事務室に戻り「最西端訪問証明書」も販売する。「大事な旅の一ページにしてほしいから」と、笑顔で1人何役もこなす。
駅事務室は半分近くが「鉄道博物館」だ。SLの写真や旧国鉄時代の機器類、駅名表示板などが所狭しと展示されている。
このうち、鉄道ミニチュア模型(縦1.3メートル、横1メートル)は石橋さんの手づくり。線路や駅舎などは市販品だが、山やトンネル、家屋は発泡スチロールや紙粘土、段ボールなどを使い、仕事の合間に半年がかりで仕上げた。
夕方、近くの保育所に通う浜川海人(かいと)ちゃん(4つ)が母昌子さん(30)と一緒にやって来た。列車を見るのが日課だという。「僕も駅長さんみたいになりたい」。駅舎は優しさに包まれた。
(平戸支局・田中玲子)







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