西日本新聞

2006年06月23日掲載記事より

JR鹿児島線 長洲駅 (熊本県長洲町)

伝統産業をPR “巨大金魚”がお出迎え
関連写真と以下、写真説明 ホームからも駅の外からも見える巨大な金魚の像「ランちゃん」
関連写真と以下、写真説明 JR長洲駅。毎年5月、「火の国長洲金魚まつり」の時期は九州各県から観光客が降り立つ

 ホームで出迎えてくれたのは巨大な金魚だった。琉金(りゅうきん)の「リュウちゃん」とオランダシシガシラの「ランちゃん」。いずれも高さ2.1メートル。JR長洲駅のシンボルだ。白と赤の色鮮やかなうろこと、つぶらな瞳で親しまれ、コンクリート造りの駅舎に彩りを添えている。

 駅のある熊本県長洲町は、奈良県の大和郡山市などと並び、金魚の日本三大産地の1つとされる。詳しい起源は不明だが、江戸時代にはすでに飼育され、明治時代に大量生産が始まったという。

 現在は約20カ所の養殖場があり、年間300―500万匹を生産。主に縁日の金魚すくい用として、九州一円に出荷している。

 だが、町内の生産者は高齢化し、大半は70歳代。町養魚組合長の松尾敏之さん(59)は「あと数年すれば、養殖場は一気に減ってしまう」と話す。養殖は天候に左右され、水質管理に失敗すれば、出荷前に全滅することもある。「収入が不安定で、若手の後継者が見つからないんです」と頭を抱えている。

 巨大な2つの金魚は伝統産業をPRする役割を担う。その一方で「慌ただしい駅を和やかなムードにしてくれます」と鳥巣建志駅長(56)。

 駅に降り立った子どもたちは「金魚だ、金魚」とはしゃぎ、記念撮影する観光客の姿もよく見かけるという。

 2つの金魚像は列車の窓からも見える。「泳ぐ宝石」と形容される金魚。旅の途中でリュウちゃんとランちゃんに心ひかれたなら、帰り道は、この駅に降り立って金魚の里をそぞろ歩くのも一興だ。

 (玉名支局・山下真)


 1891年に開業、1982年に現在の橋上駅が完成した。駅員は3人で乗降客は1日平均2500人。荒尾駅と玉名駅のほぼ中間に位置する。下り始発は午前6時5分、熊本行き。上りの最終便は午前0時10分、大牟田行き。特急「有明」で熊本駅から約20分。電話=0968(78)0052。


おすすめスポット

世界の金魚400匹を展示
関連写真と以下説明 世界の金魚を観賞できる「金魚の館」

 「金魚と鯉の郷広場」は長洲駅から車で約5分。その一角に世界の金魚を集めた水族館「金魚の館」がある。

 タンチョウ、ハナフサなど30種類以上の約400匹を鑑賞できるほか、地元の夏祭りで使用する「金魚みこし」や金魚の豆知識を記したパネルなど、多彩な展示がある。

 入場料は大人400円、小中学生150円。午前9時―午後5時。休館は3―11月が第二・第四火曜日▽12―2月が毎週火曜日。

 同館=0968(78)3866。


九州の駅 音と映像

  • 長洲駅
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