2006年05月26日掲載記事より
JR佐世保線 三間坂駅 (佐賀県武雄市)
大正ロマン漂う集いの場
駅の旧事務室を改築した触れ合いのスペース「悠」。遊びに来た子どもたちの世話をする杉光俊子さん(左端)
一昨年11月に大正時代の面影のまま改築された木造白壁の三間坂駅
「三間坂(みまさか)という駅があまりに素敵(すてき)だったので降りた。あの有田焼で有名な有田駅の2つ手前(上り方面)の駅。高校生と記念撮影。彼らは元気でやっているだろうか…」
ソロアルバム「星霜」「HOME WAY」などで知られる、兵庫県出身のピアニストで作曲家の妹尾武氏が数年前に偶然、立ち寄った三間坂駅の印象を自身のホームページでこう表現している。
小さな駅だが、ここには人を引きつける魅力がある。ホームに降り立つと四季折々の花と、展示棚に飾られた地元作家の色鮮やかな大皿が出迎えてくれる。線路沿いには木造平屋の家並みが続く。北西方向には、山容が寝観音を連想させる阿蘇五岳に似た九州百名山の1つ、黒髪山(516メートル)の山並みが迫る。
木造平屋の駅舎は、1919(大正8)年に現在地に移築された当時の趣のまま、一昨年11月に全面改築された。駅に花を育て清掃する奉仕作業を30年間続けている松尾和男さん(75)の働き掛けがきっかけだった。
大正ロマンが漂う駅舎には、旧事務室を改装した休憩室がある。杉光俊子さん(71)ら地元の主婦5人のボランティアグループ「悠」が運営する語らいの場だ。文庫本や絵本などを置いた本棚とテーブル、いすがある。列車待ちの高校生や主婦、町の子育てサークル「かしの実」など近所の子どもたちが遊びに来る。
日曜・祝日を除き午前9時半から午後5時まで、当番の女性がお茶を振る舞ったり、話し相手をしている。「文通や交流が全国各地に広がっているんですよ」。杉光さんは、手紙や写真など交流の記録を収めた分厚いアルバムを誇らしげに見せてくれた。
(武雄支局・津田祐一)






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