西日本新聞

とっておきの旅 (旅・観光)

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大分県 / おすすめ温泉 / おいしい旅 / 自然を満喫湯布院温泉(大分県) 自然との調和にこだわり

2006年06月30日更新

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由布岳のふもとには豊かな田園地帯が広がる

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竹林に囲まれた「蕎麦処 竹苑」は、取れたての自家製野菜を提供する

 「豊後富士」の別名を持つ雄大な由布岳のふもとに広がる湯布院温泉(大分県)。歓楽街や大型ホテルなどを排した素朴な景観からは、日本で失われつつあるのどかな「古里の香り」が色濃く漂う。

 博多からバスで約二時間半。あいにくの雨模様だったが、由布岳そばの塚原高原に到着し、レストラン「山猫軒」で昼食を取った。肉が腐りにくい高原の気候を生かし、じっくりと熟成させた生ハム料理がお薦めだ。半年間かけて自然乾燥させた黒豚のスライスをほおばると、凝縮された肉のうま味が口いっぱいに広がる。山小屋風の店内から雨にかすむ由布岳を望み、大地の恵みをかみしめた。

 腹ごしらえを済ませ、湯布院盆地にある「お宿 有楽(うらく)」へ向かう。温泉は単純泉のクセのない泉質。岩造りの露天風呂にどっぷりとつかり、足を伸ばすこと小一時間。静かな雨音に耳を澄まし、湯の流れに身を任せた。風呂上がり後の夕食は、大分県の豊富な食材を生かした懐石料理だ。新鮮な関サバの造りや、柔らかな豊後牛の石焼きに舌鼓を打ちながら、大分名産の麦焼酎「兼八」をあおった。重厚なコクがありながら口当たりは滑らか。すぐにほろ酔い気分になり、夢見心地に誘われた。

 翌朝、栽培した草花で押し花教室などを開く「ゆふいんフローラハウス」を訪問。民芸品や昔ながらの織機が並ぶ敷地内を散策した。「湯布院に華美な温泉街はいらない」と経営者の安藤正子さん(60)。地元農家と共同栽培の農産物の販売を始めるなど、自然と共生した観光地のあり方を模索しているという。

 金鱗湖(きんりんこ)近くの「蕎麦(そば)処 竹苑」も、わき水や取れたての自家製野菜を使用するなど、自然の恵みを活用。また塚原高原の乗馬クラブ「クレイン湯布院」では、雄大な由布岳を望む乗馬コースが、訪れる人々を魅了していた。

 短期的な利潤を追求し過ぎた観光地が、その土地本来の良さを見失ってしまうことも少なくない中、湯布院の観光施設の一つ一つが、自然との調和にこだわり続けているように思えた。

 (北九州支社・向井大豪)


メモ

 JR由布院駅までは、博多駅から特急「ゆふいんの森」で約2時間10分。高速バス「ゆふいん号」は同駅交通センターから約2時間20分。観光の問い合わせは由布院観光総合事務所=0977(85)4464。


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