西日本新聞

とっておきの旅 (旅・観光)

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鹿児島県 / おすすめ温泉指宿(鹿児島県) 竜宮伝説に沸く温泉街

2011年09月19日更新

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竜宮城のような指宿市の「龍宮神社」。新幹線全通を機に拝殿が改築された

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温泉施設が充実した「天珠の館」。大浴場から指宿市街が一望できる

 九州新幹線の全線開通で活気づく鹿児島観光。その先頭を走るのが薩摩半島南端の指宿市だ。昔ながらの「砂蒸し温泉」に加え、地元に伝わる竜宮伝説(浦島太郎伝説)を生かした魅力づくりにも取り組んでいる。鹿児島市内から車で鹿児島湾岸の国道226号を南下した。

 車窓の左手に、きらめく海と噴煙を上げる桜島。右手を見ると、黒と白のツートンカラーの観光特急「指宿のたまて箱」(鹿児島中央-指宿、片道約1時間)とすれ違った。新幹線全通に合わせて国道と並行するJR指宿枕崎線で運行が始まった話題の列車だ。1日3往復。木材をふんだんに使った車内には窓側を向いたカウンター席や本棚も備え、全国の鉄道ファンを魅了している。

 約1時間半かけて指宿市中心部に到着。指宿駅構内の観光案内所で、ガイド本を手にした女性グループが砂蒸し温泉への行き方を尋ねていた。以前に比べて観光客の姿が目立つ。

 市観光協会によると、6月の市内主要ホテルの宿泊者数は前年同月比約1・5倍も増えたという。週末は駅前のタクシーが足りなくなることも。協会の下吉昭人事務局長(51)は「全通から半年は初めて来られた観光客も多いはず。また来てもらうためには飽きさせない仕掛けが必要ですね」と話していた。

 さらに市中心部から15分ほど、車を南西に走らせると、薩摩半島最南端の岬「長崎鼻」に着いた。押し寄せる波が岩場で打ち砕かれ、汗ばんだ体に潮風が心地よい。眼前にそびえる薩摩富士「開聞岳」の美しい尾根筋に、思わず見とれてしまった。

 長崎鼻で目を引くのが今年6月、拝殿を改築したばかりの「龍宮神社」だ。浦島太郎と乙姫が出会った恋物語。縁結びに御利益があるという。ここにあるのは絵馬ではなく手のひら大の貝殻だった。願い事を書けば本殿に奉納される。

 近くの砂浜にはウミガメが産卵に上陸するというから、伝説通りに役者はそろっている。東シナ海と太平洋を分けるこの海の先に、きっと竜宮城があるに違いない。

 汗もかいたことだし、締めくくりは指宿市街地が一望できるホテル「天珠の館」(同市東方)に立ち寄った。旧「グリーンピア指宿」を全面改装し、2006年にオープン。高台にあり、露天風呂や岩盤浴、セラミックのビーズを使った「セラミック・スパ」など、日帰りでも多彩な温泉が楽しめる。

 プールやテニスコートなどスポーツ施設も充実し、レストランでは近海で取れた新鮮なゴマサバ「天珠サバ」をいただいた。脂が乗ったぷりぷりとした食感を楽しんでいると、遠く眼下の鹿児島湾を種子島に向かう高速船が白波を立てて走っていた。

    ×      ×

 ●ちょっと より道=B級グルメ 「温たまらん丼」

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 JR指宿駅周辺で腹ごしらえをするなら、温泉卵を使ったご当地B級グルメ「温たまらん丼」がおすすめ。提供店は旗を店頭に出しているので、すぐに分かる。温泉卵以外の具材は、店によって異なる。駅前の「いぶすき情報プラザ」の温たまらん丼は、その名も「卵(たま)て箱丼」(600円)。黒豚やさつま揚げ、オクラが盛られ、鹿児島特産の食材を一度に楽しめる。


メモ

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 指宿市は人口約4万4000人。年間観光客数は約372万人(2010年)。温泉に加え、幻の怪獣「イッシー」で知られる池田湖や本土最南端のJR駅「西大山駅」など見どころが豊富。1月の「菜の花マラソン」には全国から市民ランナー約2万人が集まる。鹿児島市から国道226号で約1時間半、JR鹿児島中央駅から在来線で約1時間。観光特急「指宿のたまて箱」は要予約。市観光協会=0993(22)3252。
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