陽の岬温泉
長崎県野母町
長崎半島最西端の湯は…夕景色に浮かぶ軍艦島 満喫 伊勢エビまつりで舌も満足
長崎半島の最西端に位置する長崎市野母崎(のもざき)地区の「陽(ひ)の岬温泉」。旧野母崎町が滞在型観光地を目指して掘削し、7年前に宿泊施設「野母崎海の健康村」とともに開業した。漁師町として知られる同地区は、長崎県内有数の伊勢エビの産地。行政と地元漁協などが連携して8年前に始めた観光イベント「のもざき伊勢エビまつり」は9月末まで好評開催中だ。温泉と伊勢エビで地域活性化を図る新興温泉地を訪ねた。 (長崎総局・一ノ宮史成)

[写真説明]五島灘に浮かぶ軍艦島が見える「陽の岬温泉」
浴場に入って目に飛び込んできたのは一面に広がる五島灘。こぢんまりした湯船の縁に腰掛けると、かつて炭鉱の島として栄えた端島(通称・軍艦島)が間近に見える。
「夕日で赤く染まった海に軍艦島が浮かぶ。そら、もう最高ですよ」。海の健康村の支配人、今岡賢一さん(61)は胸を張る。
家族五人で訪れた佐賀県小城市の医師江口有一郎さん(38)も「日没前の軍艦島は最高です。子どもも大満足。三回も来ちゃいました」と湯船に笑顔を映した。
湯は、鉄やマグネシウムなどを含む炭酸水素塩泉。神経痛や関節炎にも効き、さらりとして、よく肌になじみ、湯冷めもしにくい。入浴料400円と長崎市内の銭湯と同程度の値段もあってか、地元の常連客も多い。
休憩所でビール片手に赤ら顔の会社員宮崎一男さん(53)は「夜勤明けにひとっ風呂浴びて、ビール飲んで座敷でうたた寝。こりゃもう幸せそのもの」。近くの自宅から週三回は通うそうだ。
「のもざき伊勢エビまつり」の主会場は温泉から少し離れた野母崎三和漁協活魚流通センター。期間中、生きた伊勢エビを市価の2、3割安で販売している。地元の旅館では伊勢エビ料理をセットにした格安の宿泊パックを提供。レストランでは伊勢エビの天丼が楽しめる。
早速、温泉近くのレストランで天丼を堪能した。どんぶり一杯2800円とちょっとぜいたくだが、約250グラムの大振りの伊勢エビがドーンと乗っかった天丼は圧巻。一気にかぶりついた。
同地区で水揚げされる伊勢エビは県内の漁獲量の約2割。まつり期間中の一カ月だけで約5トンの伊勢エビが消費されるという。
同漁協の浅川勝組合長(64)は力を込めてこう話した。「伊勢エビのほかにもイサキや、『野母んあじ』て呼んどるアジなど、天然物の魚がたくさんあるよ。温泉と一緒に野母崎の魅力をもっともっと知ってほしい」
=2008/09/05付 西日本新聞朝刊=





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