
町のあちこちに野外彫刻や石橋がある津奈木町
津奈木町が町内に点在する野外彫刻や石橋、美しい海岸線などの自然を生かし、観光客増を目指す「町全体美術館構想」を来年度から3年がかりで取り組む。いくつかのテーマごとにモデルコースを設け、観光客にレンタル自転車や徒歩で回ってもらい「町全体をまるごと美術館としてアピールする」狙いだ。
同町には、町のシンボル的な存在の大岩「重盤(ちようはん)岩」や、県立自然公園の指定を受けたリアス式海岸など風光明媚(めいび)な自然に恵まれている。さらに、町役場前や肥薩おれんじ鉄道津奈木駅前など15カ所に野外彫刻が設置され、江戸期に築造された石橋も多い。
初年度は地域づくりに取り組む市民や商工会、婦人会のメンバーなど15人で同構想の推進会議を発足させ、全体構想を練る予定で、10年度当初予算案に約80万円を計上した。11年度から自然や文化などを観光資源として整理し、町立つなぎ美術館も取り込んだモデルコースを策定し、案内板の設置などを進める。
町全体美術館構想は、総務課の職員たちが発案した。町は昨年打ち出した予算編成方針で、担当課以外の職員からアイデアを募集する「提案事業枠」を設けており、これに基づいて提案が採用された。
提案者の一人で総務課参事の福田大作さん(34)は「彫刻など町の貴重な資源が十分生かされていなかったので、同僚の提案に賛同した。本来の職務じゃない分、自由に発想できた」と振り返る。川野雄一総務課長は「町に活性化につながるので、提案制度は当面続けたい」と話している。
=2010/03/06付 西日本新聞朝刊=