西日本新聞

西日本新聞 医療・健康

連載・続・楽しい患者ライフ(波多江伸子)

<4>おしゃべりで元気になる

[更新日時]2010年03月08日

 西日本新聞天神文化サークルで「元気が出るがん患者のつどい」を始めて3年目になります。街なかのカルチャーセンターでがん患者会が開かれていると話すと、関東のジャーナリストも四国の患者会の代表も「珍しい試みですね!」と驚きます。隣で料理教室やダンス講座が開かれている中、抗がん剤の副作用情報交換やがんを告知されたときの家族の反応などを語り合っているのですから、確かに異色の講座ですね。

 仲間のひとり、乳がんのマリさんは「ここはがんがテーマのサークル活動なんですよね」と言いますが、この講座に悲壮感はありません。場所は福岡市天神のど真ん中。バーゲンセールのお店をのぞき、帰りはデパ地下でお惣菜(そうざい)を買って帰れます。悪性リンパ腫のキティさんは、ほぼ皆勤です。「ここに来ると私が元気になるものだから、お父さんが喜んでいるんですよ。今年は金婚式だし、もう少し、がんばってみますね」

 肺がん・胃がん・肝がん・卵巣がん・乳がん骨転移の治療中など、みんな生半可な病状ではないのですが、一緒にいる限り落ち込みません。何を話しても大丈夫だというお互いへの信頼感と、全員がん患者という場がかもし出すくつろぎの雰囲気が元気の素です。

 時には、よその患者会のお客さまを迎え、病院やホスピスを見学し、大学で看護学生さん相手に体験談を語ります。おしゃべりの合間には、とっておきの最新がん治療情報やマル秘病院情報なども飛び交います。参加料2千円で1回限りのお試し参加もできます。ただし、メンバーは女性ばかりです。個人的なおしゃべりを介してのグループセラピーは男性にはあまり向かないのかもしれません。家族の話題がよく登場しますが、男性がしらふで、夫婦喧嘩(げんか)の顛末(てんまつ)を他人に披露することには抵抗があるでしょう。

 「失礼します。わたし、ジジですがババです」と、女性ばかりの教室にオヤジギャグと共に現れる天神文化サークル講座責任者の馬場周一郎さん。その馬場さんが、4月から6回コースで生と死を考える講座もやりましょうと言っています。死生学や尊厳死・在宅ホスピスの話など、こちらは、人生の潔い幕引きを考えている男性にもぴったりの教養と実益を兼ねた講座です。西日本新聞天神文化サークル=092(721)3200。(はたえ・のぶこ=福岡市城南区)

【写真説明】みんなで励ましあって生きています

=2010/03/08付 西日本新聞朝刊=

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