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西日本新聞 医療・健康

九州の医療ニュース

フケは病気 「脂漏性皮膚炎」 新陳代謝に異常、「カビ」が影響?

[キーワード]皮膚科

[更新日時]2008年11月09日

 ●塗り薬活用 食生活改善 正しい洗髪

 「毎日きちんと洗髪しているのに...」。36歳の私、最近ひどい頭のフケ症に悩んでいる。肩に白く積もるさまは、悲しいかな雪のようだ。机を並べる同僚は女性。濃い色の服を着ることが多いこれからの季節は特に視線が気になる。どうしよう、と頭をかきむしるとまたパラパラ...。慌てて皮膚科に駆け込んだ。 (東憲昭)

 ■鼻や耳にも症状

 「不潔にしているせいではありません。脂漏性(しろうせい)皮膚炎という、れっきとした病気です」

 和田クリニック(福岡市中央区)の和田秀敏院長は、診察室のいすに座った私の頭を一目見るなり、そう告げた。

 和田医師によると、脂漏とは皮膚の表面を保護する皮脂(ひし)という脂の分泌が多くなった状態。脂漏性皮膚炎の人は、この過剰な皮脂が引き金となって頭皮の新陳代謝が速まっているという。

 そもそもフケとは、頭皮の表面にある角質層が古くなってはがれ落ちたもの。脂漏性皮膚炎は頭皮が生まれ変わる周期が早まることから、角質層がどんどんはがれ落ち、大量のフケとなっているのだ。

 髪の生え際などが炎症を起こして赤くなり、かゆみを伴う場合もあるが「頭皮のほか、鼻の脇や耳の後ろ、胸や背中なども皮脂の分泌が多いため症状が出やすい」と和田医師。私もそうだが、小鼻の脇や耳の後ろなどの皮膚が赤くなったり、ぽろぽろとむけたりするようなら脂漏性皮膚炎の疑いが強い。思春期から30代の、特に男性に多くみられるという。

 ■常在菌の増殖で

 皮脂の分泌量が増えると、なぜ頭皮の新陳代謝が速まるのだろうか。

 「マラセチアという真菌(カビの一種)の影響が有力とされています」と和田医師は説明する。

 マラセチアは、すべての人の頭皮にいる常在菌。脂分を好むため、量の増えた皮脂を取り込んで次々と脂肪酸に分解する。この脂肪酸が頭皮を刺激して新陳代謝を速めると考えられるという。

 実際、フケの悩みで皮膚科を受診すると、塗り薬の外用のステロイド剤(副腎皮質ホルモン)などで炎症を鎮めるとともに、マラセチアの増殖を抑える「ケトコナゾール」という成分を含む抗真菌剤を処方されるのが一般的だ。

 処方薬以外でも「フケ用シャンプー」が各種売られている。和田医師によると、症状が進んだらマラセチアに効く成分を含むものがよい。例えば1999年に日本初の抗真菌成分入りシャンプーとして発売された「コラージュフルフル」(持田ヘルスケア)は「患者さんの半数ぐらいには効くようです」(和田医師)という。

 ■つめは立てるな

 髪の洗い方や食事など生活を見直すことも大切だ。九州で唯一、頭髪治療専門を掲げる城西クリニック福岡(福岡市中央区)の小西さわ子院長は「髪を洗いすぎて頭皮が乾燥し、フケをひどくしている人も多いんですよ」と注意を促す。

 私がまさにそうだ。フケが治まらないからと朝と夜の2回シャンプーすることも多かったが、まさに悪循環だったというわけだ。よく洗おうとつめを立てるのも、小西医師によると「陥りがちな過ちです」。

 (1)指の腹で頭皮をやさしくマッサージするように洗う(2)皮脂が多い前頭部や頭頂部は特に丁寧に(3)シャンプーやリンスは残らないようにしっかり洗い流す-のが正しい洗髪のポイントという。

 バランスのよい食事と十分な睡眠も心掛けたい。レバーやホウレンソウなど脂質の代謝を促すビタミンB群を積極的に取るのがよい一方で、コーヒーや香辛料、アルコール、ナッツ類などは皮脂を増やすので控えた方が望ましいとか。寝不足やストレスは、お肌と同様、頭皮にも大敵だ。

 小西医師は「再発しやすいのも脂漏性皮膚炎の特徴。生活スタイルを含めて、根気強く治していこうという気持ちが大切です」とアドバイスしてくれた。

【写真説明1】和田秀敏医師
【写真説明2】脂漏性皮膚炎で頭皮がカサカサになり、フケとなっている記者
【写真説明3】小鼻の脇も脂漏性皮膚炎の症状が出やすいところだ(写真は筆者)
【写真説明4】脂漏性皮膚炎チェック表

=2008/11/09付 西日本新聞朝刊=