
同年11月、西日本新聞の医療・健康面で、この快挙が紹介されたところ「あやかりたい」と相談が殺到。ならばと1年半かけて書き上げた。ちまたにあふれる減量マニュアル本の一種のようでもあるが、読み進めると違いは際立つ。まえがきで「ぜひ私の体験を参考にされて、成功されることを願っています」と期待をもたせながら、一体どうすればやせることができるのか、読者はもどかしい思いでページを追うことになるだろう。

努力しての“激やせ”を医者仲間から病気と決めつけられた話や、デパートで好きな服を選べるようになった楽しさ、いびきもなくなり歯もきれいになり足の巻きづめも治ったという喜びの体験談がこれでもかと続き、その合間に「体重とテニスの出来具合との関係をみた」だの「コエンザイムQ10やセサミン、コラーゲンをのんだ」だの「ダンベルを使ったスロートレーニングをした」などという実践記録がちりばめられている。

そして終章では「まさか、このまま同じことをやろうという人はいないと思いますが、言うまでもなく、このままやるのは危険です」と逃げられてしまうのである。
つかみどころがないような結論にも思えるが、主題は行間にある。
なぜやせたいのか、やせることで趣味やスポーツなどどんなライフスタイルを目指すのか、根性ではなくいかに楽しみながら挑戦するか…。
ダイエットとは生き方を考えることであり、自らを見つめ直すことだという、臨床に生きる精神科医ならではの哲学が貫かれている。悠飛社刊。1200円(税別)。
(編集委員・田川大介)
【写真説明】上から順に
(1)「驚異の40kgダイエット」
(2)太っていたころの牧聡さん
(3)ダイエットで体が引き締まった牧聡さん




