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睡眠時無呼吸症候群 CPAP治療で無呼吸減少

[キーワード]呼吸器科睡眠時無呼吸症候群耳鼻咽喉科

[更新日時]2007年01月15日

 ●マスクには違和感、息苦しさも 快眠に長期戦も覚悟

 人間ドックで睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあると指摘され、精密検査を受けた。結果は「重症」だった。SAS患者は全国で約200万人に上るといわれ、即効性があり、最も治療効果が高いとされる経鼻持続陽圧療法(CPAP)を受けることになった。軽い圧をかけた空気を鼻マスクを通じて口腔(こうくう)内に送り込んで気道を確保する手法で、以前、この医療・健康面でも紹介したことがある。期待を膨らませて治療を始めたのだが…。 (都留正伸)

 ■自己診断が鍵に

 SASの簡易検査は人間ドックのオプションで受けた。手の指にセンサーをはめ、睡眠中の血中酸素濃度の測定と、睡眠評価自己判定表の設問に答えるだけの簡単なものだった。

 呼吸が止まると酸素濃度が低下していくが、測定結果に異常は認められなかった。普通なら、これで検査は終わる。だが、原三信病院睡眠呼吸障害センター(福岡市博多区)の奥村雄三医師は自己判定表に着目した。

 回答結果に加え、(1)いびきをかく(2)睡眠中に呼吸を止めていると言われたことがある(3)昼間に眠気を感じる-といった自覚症状の強さが気になったようだ。肥満率が標準値だったことから「太った人のように酸素濃度が下がらなかっただけでは」とみて、精密検査を勧めてくれた。

 今回、大いに役立った自己判定は眠気指数テストと呼ばれ、医療機関がそれぞれ独自の工夫を加えて使っている。ところが、一部報道でテストの信頼性が低いという指摘があって驚いた。複数の医療機関が作成したテストを取り寄せて比較してみると、いくつか気になる点が見つかった。

 1つは、回答欄の表記が「ほとんど」「しばしば」「よく」「時々」などとあいまいなため、該当欄を特定しづらいことだった。もう1つは、退屈な会議などで催す眠気を、「異常」という前提で質問していることで、正常な眠気との線引きで戸惑ってしまった。細かく点数化していくことにも、疑問を感じた。

 同じような問題意識をもった医師もいたようで、設問、回答ともに分かりやすく簡素化した病院が複数あった。もし、テストの精度が低い医療機関があれば、工夫が必要だろう。

 ■1時間に36回停止

 精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー)は夕方から翌朝まで一泊で行った。脳波や眼球の動き、息の流れなど、頭から足までセンサーを付けて睡眠中のデータを取る。

 後日、結果説明があり、7時間の睡眠で呼吸停止や低呼吸が計253回測定されていた。寝ている間に、のどに近い部分の軟口蓋(なんこうがい)や舌根(ぜつこん)が気道をふさぐ閉塞(へいそく)型のSASで、1時間当たりの異常の頻度を示す無呼吸低呼吸指数(AHI)は36とされ、軽症(20未満)、中症(20-29)、重症(30以上)の判定基準から重症と告げられた。

 奥村医師の予想通りの結果となったが、「1時間に100回以上呼吸が止まっている人も珍しくなく、実際に治療をしている患者さんの中では軽い方です」と慰められた。

 検査では、眠りが浅いことも分かった。眠りの質を5段階で示したところ、眠りが浅いステージ1、2ばかりで、深い眠りはゼロだった。40代で深睡眠が皆無というのは異例らしい。

 このままSASを放置しておくとどうなるのだろうか。脳こうそくを起こす危険が健常者の4倍、同じく心筋こうそくが3倍などと説明され、迷わず治療を受けることにした。

 ■3治療法から選択

 治療法は3つある。最も簡単なのは歯科装具の装着で、下あごを前に押し出すように形成したマウスピースを口に入れて気道を広げる。費用は1万5000円程度と手ごろだ。ただ重症者には効果が薄く、長期に装着した場合、顎関節症(がくかんせつしよう)などの副作用が心配されるという。扁桃腺(へんとうせん)肥大などを原因とする一部患者には手術や減量も有効だが、大半はCPAPが第一選択になる。

 圧をかけた空気を送り出すCPAPの本体は、複数のメーカーが製造している。いずれも弁当箱を1回り大きくした程度で、旅行や出張にも携帯が可能だ。

 購入だと2、30万円、レンタルだと月5000円程度(保険適用で3割負担の場合)で、実に約8割のSAS患者に有効という。初日から劇的な効果が現れる人もいて「数十年ぶりに子どものころのような目覚めができた」「生まれ変わったようだ」という声も聞いた。

 ということで、大きな期待を抱いて治療を始めたが、現実は甘くなかった。まず、鼻マスクが睡眠を妨げた。違和感を感じる人は多いらしく、普段より、睡眠の質は悪いほどだった。

 圧の設定も問題だった。弱すぎると効果がなく、強すぎると空気をはき出す抵抗になって、逆に息苦しい。自動で圧を調整する機種を使っていたものの、それでも夜中に圧が高まって目覚め、マスクを外してしまった。

 CPAP治療は1カ月間隔で通院が必要だ。装着から1カ月が経過した昨年末の受診時、治療法が合わないと言おうと思っていたが、機器が記録したデータを見ると無呼吸が減っていることが分かって驚いた。一晩の平均装着時間は4時間を大きく割り込んでいたのだが、これも奥村医師から「最初は1、2時間しか装着できない。3時間を超えれば立派」と励まされ、圧を調整した上で治療を続けることにした。

 ただ、年が明けた今も効果を体感するには至っていない。「CPAPに慣れるまで2年かかった人がいる」という奥村医師の話を複雑な思いで反すうしながら、息の長い治療を覚悟している。

(写真=上から、奥村雄三医師、睡眠評価自己判定表、種類が豊富なCPAP。携帯可能な大きさで、急速に普及している)

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