
この映画は、自宅で暮らす老夫婦の物語。体が不自由な妻を夫が介護している。妻の髪をとかしたり、おむつを取り換えたり、爪を切ったりと献身的な夫だが、自身も病魔に襲われる。ある日、夫は妻に食事を取らせることがうまくいかず、つい暴力を振るってしまう…。夫婦のつながりをしみじみと描きつつ、介護の厳しさを訴えている。
無声映画で上映時間は30分。昨年末のモナコ国際映画祭の短編部門で最優秀作品賞をはじめ5冠に輝いた。
上映会は全国で開かれており、1月上旬には福岡市の福岡歯科大でも3年生対象の講義として催された。上映後、学生たちは「問題になっている老老介護が本当にリアルに描写されていた」「自分が介護する立場になったら何ができるのか、どこまでできるのか、真剣に考えさせられた」などと感想を書いた。
外山監督は「介護問題をあまり考えたことがない若者に見てもらえればうれしい。映画の老夫婦はあなたとあなたの大切な人の未来の姿。介護問題は対岸のことでなく、みんながいる此の岸のことです」と語っている。
上映などに関する問い合わせは、ホームページ=映画「此の岸のこと」=から。
【写真説明】 外山文治監督
=2012/02/20付 西日本新聞朝刊=





