■過食・運動不足…敵もはっきり
女性がダイエットを決意したのは昨年8月だった。当時、身長155.9センチで体重は62.7キロあった。身長と体重から肥満かどうかを判定する体格指数(BMI)は25.7。厚生労働省が定めた基準では、BMI25以上が肥満となる。
振り返ると、社会人になって1人暮らしを始めたとたん、食生活が乱れた。朝食抜きで、昼は外食、夜はビールの酔いも手伝い「何をどれだけ食べたか覚えてない」なんてことも。入社後1年で10キロ近く体重が増えた。
手始めに、昼食と夕食を取らず低カロリーのダイエット飲料で済ませる減量法に挑戦した。一食約170キロカロリーで、タンパク質やビタミン類、カルシウムなどの栄養素を含んでいる。2カ月後、体重は約2キロ減の59キロ台にまで落ちた。
これですっかり安心してしまったという。おいしいものを我慢してきた反動もあり、再び暴飲暴食の生活に。体重は60キロ台に逆戻り。昨年末、痩身(そうしん)効果をうたうエステ体験に救いを求めた。
エステでは、脂肪をもみ出すというマッサージや、低周波の電気を流して腹筋を収縮させる機器などを試した。生活習慣に関するさまざまな指導も受けた。1日3回、きちんとした食事を取ること。食べ物は30回かんでのみ込むこと。ゆっくり湯船に漬かって汗を流すこと-。
現在の体重は54.2キロ。目標だったMサイズの服が着られるようになり、冷え性も改善した。ただし、本人は「いろいろやったので何が効果的だったのか、よく分からない部分もある」と話す。
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福岡大学病院の明比祐子(あけひゆうこ)講師(内分泌・糖尿病内科)に、肥満の原因や解消法について聞いた。
肥満の原因には次のような要素があるという。
(1)過食(2)摂食パターンの異常(早食い、まとめ食い、ながら食い)(3)遺伝(4)運動不足(5)熱産生障害(脂肪のエネルギーが熱エネルギーになりにくい状態)-。これらの要因が絡まり合って、人は太る。とりわけ、過食(摂食パターンの異常を含む)と運動不足が大きな原因とされている。
太りやすさには個人差もある。呼吸や血液循環など生命維持に使われる「基礎代謝」が活発な人は脂肪がたまりにくい。安静状態でも消費される基礎代謝は、性別や体格によって異なり、年齢とともに低下する。
肥満の解消法について明比講師は「自分がなぜ太ったのか、その理由を正しく理解することが大切ですね」と強調する。というのも、1日何カロリーの食事を取っているのか、自覚していない人が意外に多いという。テレビを見ながらや、おしゃべりをしながら食事をすると、自分が思っている以上に食べていることが多い。
そんな人たちに明比講師が勧めているのが「体重日記」だ。起床直後、朝食後、夕食後、就寝直前の1日4回、体重を測定する。その変化を折れ線グラフに記録していく。グラフを付けることで、その日の体重がなぜ増えたのか、なぜ減ったのか、実感できるのが最大のメリット。日々の食事内容や運動量などもグラフに書き込めば、より詳しい自己分析ができる。
日ごろの食習慣を自己診断できる「食行動質問表」や、食べ物をかんだ回数を記録して早食いを防ぐ「咀嚼(そしゃく)法」を、治療に取り入れている医療機関もある。
ただし、ダイエットの目的はあくまで健康のため。若い女性の中には、極端なダイエットで生理が止まるなどの例も少なくないという。無理は禁物。医師や管理栄養士などの専門家にアドバイスを受けよう。
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●日本肥満学会「BMI25以上は肥満」
日本肥満学会によると、男性の27%、女性の21%が肥満とされる。欧米人に比べ肥満の割合は少ないもの、日本人はさほど太っていなくても糖尿病などの生活習慣病になりやすい。このため、世界保健機関(WHO)がBMI30以上を肥満と定めているのに対し、同学会ではBMI25以上を肥満としている。
同学会の判定基準によると、BMI25以上‐30未満「肥満1」▽30以上‐35未満「肥満2」▽35以上‐40未満「肥満3」▽40以上「肥満4」となっている。
糖尿病や高血圧、高脂血症、動脈硬化症などの生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群、腰痛など、肥満と関係深い病気も少なくない。BMI25以上の肥満で、これらの合併症があるか、将来その可能性がある場合には「肥満症」と診断され、医学的治療の対象となる。
■BMIの計算方法
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
【図1】肥満と肥満症
【図2】BMI早見表
=2009/02/15付 西日本新聞朝刊=





