
●九州医療センター循環器科医長 佐藤 真司氏
心臓には右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋があります。全身に血液を送るための規則的な拍動は、右心房の上の洞結節(どうけつせつ)というところで発生した電気刺激が、特殊な心筋細胞でできた心臓内のルートを通って右心室と左心室に伝えられて起こります。心筋が興奮して収縮を繰り返すわけです。右脚ブロックはこの電気刺激を伝えるルートのうち右心室を包むように位置する右脚という部分で電気の流れが悪くなった状態を言います。右脚を電線に例えれば、さびや断線が起こった状態です。
電線に障害があるので電気刺激は左心室側から遅れて伝わります。このため通常なら左心室と同時に起きる右心室の収縮がわずかに遅れますが、心臓の働き自体には問題はありません。右脚ブロックの心電図波形は通常とは異なる独特の形になります。

右脚ブロックは多くの場合、心臓病などの病気との関連はなく、日常生活にも影響はありません。健康な人でも60代以上では5-6%の人で確認されますが、なぜ起こるのか原因はよく分かっていません。
ただし、一部には心房中隔欠損症などの先天性心臓病や心筋梗塞(こうそく)、心筋症、肺気腫などの慢性肺疾患によって引き起こされることがあります。これらの病気によるものかどうかは心臓超音波検査や運動負荷試験、胸部エックス線、肺機能検査などの外来診療で確認できます。(さとう・しんじ=福岡市中央区)
【写真説明1】九州医療センター循環器科医長 佐藤 真司氏
【写真説明2】心臓の刺激伝導系
=2009/03/08付 西日本新聞朝刊=




