
●鬼木眼科医院理事長 鬼木信乃夫氏
目の中には水晶体と呼ばれるレンズがあり、厚さを変えることで遠近の焦点を合わせています。このレンズは加齢とともに硬くなり、それを動かす筋肉も弱まります。このため書類などの小さな文字が見えづらくなっていくのです。
近くのものを見ようとするとき、焦点を合わせられる距離を「近点」といいます。近点は加齢とともに遠ざかり、一般に30センチを超えた時点で老眼と呼ぶようになります。
目の衰えは10代から始まり、10歳のとき平均8センチだった近点は20歳で10センチ、30歳では14センチになります。そして40歳から50歳までの10年間では、20センチから一気に50センチへと離れてしまうのです。

平均すると45歳ぐらいから老眼と呼ばれますが30代のうちに近点が30センチを超えてしまうケースもあります。もともと近くに焦点が合いにくい遠視に多く、レンズの衰えがそのまま手元の見え方に反映されることが原因です。近視の人は老眼を自覚しにくいようですが、調節する力が落ちていくのは同じです。
まだ若いという気持ちは分かりますが、老眼は誰にでも起こります。放っておくと目の疲れがひどくなり、肩凝りや頭痛を引き起こすようになります。
白内障や緑内障などの目の病気が眼精疲労を起こしている可能性もあります。老眼鏡を作ることになるにせよ、早めに眼科専門医を受診することをお勧めします。(おにき・しのぶ=福岡県筑紫野市)
【写真説明1】鬼木信乃夫氏
【写真説明2】正常な目、屈折性近視、屈折性遠視
=2009/03/01付 西日本新聞朝刊=





