
●福岡歯科大教授 石川博之氏
受け口とは下あごの前歯が上あごの前歯よりも前に出ているかみ合わせで、医学的には「反対咬合(こうごう)」と呼ばれます。かみ合わせ(咬合)は上の前歯が下よりも少し前に出ているのが正常で、それが反対になっているからです。欧米人に比べて日本人に多く、人口の3-5%といわれます。
前歯の生え方に問題がある場合とあごの骨の成長のずれによる場合がありますが、質問のケースは症状の進行が予想されることから後者と思われます。上あごの骨の成長が遅れたか下あごの骨が過剰に成長するかしたために、あごの位置にずれが生じたわけです。

治療は、歯並びの矯正と下あごの位置を後ろになおす手術を併用します。上あごを前に出す手術をする場合もあります。最初に前歯の傾きや歯並びを整えるために、ブラケットと呼ばれる矯正装置を歯に付けて治療を始めます。1カ月に一度の通院で半年から2年をかけます。
次にあごの骨を切って下あごを奥に少しずらす手術をしますが、これには2-3週間の入院が必要です。最後に半年から1年をかけて歯並びの細かな調整の矯正をします。手術を伴う矯正治療ですので、保険が利きます。
放置すると食べ物がよくかめず、発音も不明瞭(めいりょう)など問題が残ります。男子であれば、手術はあごの骨の成長が止まる18歳から20歳を過ぎてからがよいでしょう。 (いしかわ・ひろゆき=福岡市早良区)
【写真説明1】福岡歯科大教授 石川博之氏
【写真説明2】反対咬合と治療例
=2009/04/19付 西日本新聞朝刊=




