その先に続く正面玄関。「最近、患者さん・職員への暴言など、院内の療養環境を乱す行為が見受けられます」と、患者に社会的ルールを守るよう呼びかける看板が立っている。“患者本位”が極まると皮肉な事態を引き起こすものだと苦々しい思いで眺めた。
佐賀県医師会の調査で、患者から医療者への「暴力」が過去10年に約200件も報告されたという。大阪の病院が糖尿病で失明した患者を公園に置き去りにした問題でも、この患者が数年間にわたり退院できる状態なのに退院を拒み、医師らに暴言を吐くなどの行為を続けていたとも聞いた。
ある医師は「患者様」と呼ぶのをやめるよう院内で提言している。表面的なサービスでなく、対等な関係でのサービスこそ重要との主張だ。患者と医療者とがより良い関係を築く努力は、双方に求められている。 (是常)
=2008/01/13付 西日本新聞朝刊=




