西日本新聞

2006年12月10日

元祖黒ラーメン

写真  最近、福岡で”黒ラーメン”が人気だ。中央区大名の「一心不乱」の「黒のコクとんこつラーメン」、朝2時まで開いていて重宝する中央区薬院「高田屋」の「黒ラーメン」。そして、今熱いのが南区高宮の「博多新風」。ニンニクを焦がした黒いマー油がポイントでかなりの人気店になっている。

 その「博多新風」のご主人が修行した「好来」関連のお店がキャナルシティのラーメンスタジアムに出店しているので行ってみた。しかし、日が悪かった。公務員にボーナスが出た後とあってかキャナルは人だかり。しかも日曜のお昼なのでラーメンスタジアムにはどのお店にも大行列ができていた。「ラーメンは回転が早いから」と連れを説得しつつ人ごみに負けずに並ぶ。やっと順番が来て自動販売機で黒ラーメンと替え玉の食券を買う。

 自動販売機の前で行列は終了しているのだが、買った後に今度は入店待ちの別の行列へ移動して並ばねばならなかった。20分後にやっと入店。スペースに対して座席の数は少なくゆったり感がある。内装はシンプル。テレビに出たことをPRする張り紙があった。

 到着したラーメンのスープは、「博多新風」に比べると黒くない。「博多新風」はスープにマー油がたくさん浮いていて、その黒さが際立っているが、好来ではマー油が控え目。とんこつスープにマー油が溶け込んでいるのかもしれないが茶色だった。

 最近のラーメンには珍しく海苔がドーンと載っていて、もやしにキクラゲも。チャーシューは大きくて柔らかい。スープの味は見た目どおりマー油が控えめで、軽く香りがする程度。こってりはしているが、さほど脂っこくないのでそれが苦手な人にはよいだろう。麺は細麺。替え玉の時に麺の上にさりげなく青葱が載っているのがGOOD!。気になったのは若干スープの量が少なかったので、替え玉をするとスープの残りが更に少なくなりせっかくのスープをたくさんいただくことができないことぐらいだった。150円の替え玉を含めて合計750円で満腹になり、満足の味だった。

 もう一度、他の黒ラーメンと食べ比べしてみよう。これまで他の黒ラーメンのお店に行った時にはお酒を飲んだ後だったので、味の公平な判断ができずにいる。

好来(haorai)
福岡市博多区住吉1-2キャナルシティ(地図)
営業時間11:00-23:00/黒ラーメン600円
092-283-1911

2006年12月13日

エスニックちゃんぽん

 ピンク色の看板が怪しい。内装も独特な不思議な色使い。ここは、薬院の名店・エスニック居酒屋の和人傳のオーナーがプロデュースしたというお店。写真

 私は和人傳に何度も行ったことがある。5年前に行った際には同店は百道にあり、飲み放題でカクテル系まで飲めて3500円とかなりお得だった。昼のワンプレートランチは、ひょっとして夜のメニューよりも美味しいのではと思わせるほどのクオリティー。ベトコンラーメンも、エスニック風ちゃんぽんもかなりいけた。いつしか私のスタンプカードは一杯になり、私は会計で常に1割引きとなるプレミアム会員になっていた。

 否が応でも期待が高まる。到着した「NANAちゃんぽん」は本店のちゃんぽんと名前こそ違うが、本店のちゃんぽんの味を再現していた。そうそう、この辛さ。じんわりと顔全体に汗がにじむ。若干坦々麺のスープに近いが、20もの香辛料を使っているだけあり何ともいえない複雑で絶妙な味。ココナッツミルクが少し入っているかのようなマイルドさもある。もやしとニラに加えて海老、イカなどの海鮮類も盛りだくさん。

 昨年、長崎からホークスの試合を見に来るという友達に、当時ドームの近場にあった同店とこのちゃんぽんを紹介しておいたところ、後日、「長崎でもこんなおいしいちゃんぽんはない」と絶賛していたのを思い出した。

 800円のランチのセットでは、鳥飯か豚飯を選ぶことができる。「ちゃんぽんがこってりしているので鳥がおすすめですよ」という店員に従い鳥飯を選択。甘辛いタレが鳥のササミに絡みおいしかった。今度は夜来ようかな。辛いツマミが多くてビールが進みそうだ。

ASIA麺’s PLAZA Nana
福岡市中央区今泉1−11−7−2F(地図)
営業時間11:30~24:00/定休日 日曜
ランチセット800円/092(737)6200

2006年12月26日

黒胡麻ちゃんぽん

写真  忘年会シーズンの真っ只中の土曜日、予約できてラッキーだった。ここもつ擴はもつ鍋の老舗・博多区網場町の「もつ幸」の系列店で、「もつ擴」としても警固や東京に支店を出すなどの勢いがある。

 もつ鍋のスープは、だしはとってあるようだが見た目が透明に近い。もつ、キャベツなどを取り皿のポン酢に漬けて食べる”水たき風”だ。赤唐辛子や柚子胡椒もお好みで利用できる。

 もつ鍋といえば締めはちゃんぽんだが、ここのちゃんぽんは一味違う。大量の黒胡麻をかけてひたすらぐつぐつ煮込む。何とスープが無くまで煮込むのだ。できあがったちゃんぽんは黒胡麻で真っ黒。それに少しだけポン酢をかけて食べる。

 硬麺が好きな私は、煮込まれすぎてフニャフニャの超柔麺に成り果てたちゃんぽんに食べる前は興ざめしていたのだが、一口食べて打ちのめされた。もつ鍋のだしがこれでもかとちゃんぽんに含まれているので、麺が膨れ上がっていて、柔らかいからおいしいのだ。これは硬麺好きの私にはカルチャーショックであった。麺が硬いとか柔らかいとかそういうレベルを超越していたのだ。そのちゃんぽんに黒胡麻の風味とポン酢が絡む。筆舌に尽くしがたいとはこのこと。

写真 ちゃんぽん?皿うどん?どのジャンルにも属すことがない新ジャンルの麺を打ち立てたといってもよい。食べてもらわないとこれは理解してもらえないだろう。もつ鍋の後にしか食べることができないというのはある意味もったいない。ランチなどで食べることができれば行列必至だろうが、あの味はもつ鍋後のだしを使わないと無理だろうから難しいか?

もつ擴
福岡県福岡市中央区薬院2-16-14 泰光ビル1F(地図)
営業時間18:00~翌1:30(日曜、祝日は~23:30)/祝日なし
もつ鍋950円/092-733-3533

2006年12月27日

五島うどん地獄炊

写真 今日は局の忘年会。飲み放題付きで7000円のコースということで、五島直送のお刺身、アワビなどご馳走が盛りだくさん。最後の締めはデザートに、この「五島うどん地獄炊」だった。釜揚げのほくほくした五島うどんを、卵とだしをまぜたつけ汁につけ、ねぎ、しょうが、かつお節の薬味をまぶしていただく。

写真 コレステロール値が高い私には卵の黄身はご法度なのだが、年末の無礼講とばかりにズルズルと食べる。うどんにしては細いこの独特の麺だからこそつけ汁がよく絡む。いったん茹で上げた後に冷たいだしにつけて麺がギュッと引き締まるので、硬麺好きの私も大満足だった。つるつる・シコシコと喉ごしもよい。

 この五島の地獄炊きは、大勢で鍋を囲みながらいただく素朴で豪快な料理として有名だ。総勢数十名が結集し、今年の”垢”をこすり落とし、来年に向けての熱き決意を語り合うことができた。

五島旬鮮工房やま田
福岡県福岡市中央区春吉3-11-19ジャスマック1F(地図)
営業時間17:30-24:00/定休日日曜
092-738-0516

2006年12月28日

うちなーそば

写真 局の忘年会の後、二次会は会社の同期の忘年会に合流。店に入ると先着組は既に赤ら顔だった。沖縄の食材を使って作るオリジナルの料理に舌鼓を打つ。イカ墨の焼きそばが特においしかったのだが、ほぼ食べ尽くされていたので写真撮影とレポートができず残念。泡盛「くら」をキープするも飲み干してキープにならず、最後の締めは沖縄ならではの沖縄そば。

 じっくりと煮込まれた豚肉が柔らかくジューシーで、口にほおばるととろけるかのようだ。天ぷらのような”沖縄かまぼこ”もよいアクセント。

 そして沖縄そばといえば、何と言ってもこの麺。そばというよりは、平べったくうどんのような、もっと言えば日清食品のカップ麺「きつねどん兵衛」のような麺が私は大好きだ。きつねどん兵衛はカップ麺の中で最高にうまいと思う。ここの沖縄そばは更に歯ごたえもある。

 スープはやや薄めだが、和風だしがしっかり効いていて、お酒を飲んだ後にはちょうどよいぐらいだろう。お好みで液状のとうがらしを入れることもできる。

 数年前沖縄に旅行して、沖縄そばを食べたことを思い出した。実は福岡市内の沖縄そばでいくつか”ハズレ”にあたったことがあるが、この店は現地の沖縄そばに負けない味を保っていると思う。会計時に端数の120円をサービスしてくれたおかみさんのサービスに感謝して店を出た。

沖縄の風エイサー
福岡市中央区春吉3-21-22(地図)
営業時間17:30-25:00金曜・祝前日は27:00/定休日日曜 祝前日の場合日曜営業・月曜休み
沖縄そば600円/092-761-7177

2007年01月04日

唐辛子入りらーめん

写真 鳳凛のオフィシャルサイトにはこう書かれている。『昭和41年に創業し「唐辛子入りらーめん発祥の店」として注目をあびた、とある名店の味を継承しています。』

 “とある名店”がどの店を指すかは分からないが、昭和から続く店で福岡で「唐辛子入りラーメン」と言えば一蘭を思い出す。鳳凛のラーメンを食べてみると・・・・・味は確かに一蘭と似ている。(;^^)

 とんこつ味のスープは濃厚で、一蘭よりややまろやかな感じ。一蘭のような注文表はないが、店員に麺の硬さや唐辛子ベースの”辛味だれ”の量を注文できるので、辛いものがが苦手な人は、”辛味だれ”を減らせばおいしくスープを味わうことができる。

 店内はカウンター席とテーブル席が数個。仕切りなどはなく、店内に流れるBGMが小洒落ているので女性も入りやすい。月曜から木曜は深夜4時まで、金・土・祝日前は深夜5時まで、日・祝日は深夜1時まで開いているので深夜族に重宝されそうだ。

鳳凛
福岡県福岡市中央区春吉3-21-15(地図)
営業時間11:00-/定休日なし
ラーメン550円/電話番号092-716-6755

2007年01月10日

香港の担々麺のおいしさ

 香港で“浮気”をしてしまった。  四川料理の店での夕食。胃袋の90%は満たされ、さてデザートと思っていると、通訳さんの知り合いという、この店の社長がテーブルに顔を出した。店自慢の担々麺(たんたんめん)をぜひ食べなきゃと迫ってくる。 20070105本紙掲載   >>続きはこちら

2007年01月11日

ゆずごしょうであっさりギョーザ

写真 ゆずごしょうであっさり食べる、一口ギョーザの専門店。親せきが経営する博多の本店から味を引き継ぎ、オーナーの河野はつ恵さん(46)が、九年前から始めた。

 コクのあるラーメンに、ご飯とサラダ、一口ギョーザ六個が付いたランチ(六百五十円)が人気。親子連れも多く、河野さんは「脂っこくないのが、店の料理の特徴。若い女性も、気軽に来店してほしい」と話す。ラーメンをタンタンメンに代えた新メニュー(七百五十円)も好評だ。

 ランチタイムは、午前十一時半から午後一時半まで。日曜夜六時から定休。093(751)6078。

20061221本紙掲載
天宝
福岡県北九州市若松区本町3-5-6(地図)

2007年01月15日

創業60年のだしのうまみ

写真 うどん(四百円)のだしが、味わい深い。色は濃いが、口に含むとうま味がじんわり広がる。飲み干しても後味がいい。 サバやイワシなどさまざまな魚の削り節をまぜて使う。それに昆布も。化学調味料は使用しない。創業六十年。三代目店主、山岡順子さん(58)は「だしのおいしさを味わってほしい」と語る。

 うどんは、一種類のみだ。油揚げ、おぼろ昆布、ネギ、かまぼこが乗っている。このほか、そば(四百円)、いなりずし(百円)、温泉卵(八十円)がある。

 営業は午前十一時-午後七時四十五分。水曜日定休。093(521)5477。

20061214本紙掲載

はるや
福岡県北九州市小倉北区魚町1-3-18(地図)

2007年01月17日

具材満載のイチ押しランチ

写真 鶏の空揚げ、キクラゲ、キャベツ、豚肉…。直径三十一センチの巨大な器には、約二十種類の具材が並ぶ。スープの塩加減も絶妙で、具材のうま味を引き立てている。同店の「特製チャンポン」(五百円)には、池上正則店長(66)のこだわりがあふれている。

 めんは防腐剤を使わずに仕上げた自家製。めんになじむ味を研究し、原価の抑制にもつなげたという。「もうけよりお客との触れ合いが大切」と池上店長。ラーメンも三百円と格安で、学生割引もある。

 営業時間は午前十一時-午後十一時。不定休。電話=093(561)6228。
20061226本紙掲載

錦龍
福岡県北九州市小倉北区室町2-4-8(地図)

2007年01月25日

心も温まる姉妹の料理

写真 暖冬とはいえ、まだまだ朝や夜は寒さがこたえる。特に「天山おろし」が吹き降ろす小城の冬は寒いが、店を切り盛りする上田澄子さん(77)、瑠璃子さん(69)姉妹のうどんは体だけでなく心も温めてくれる。

 2005年12月に開店。二人は小城市牛津町で二十年前までうどん店を営業していたが、道路拡張に伴う立ち退きで廃業。周囲に「老け込まないようにもう一度営業しては」と勧められ、店を出した。

 昆布やいりこなどを使っただしは、化学調味料を使わず、昔ながらの製法でじっくりとこくを出したもので、すっきりした後味がいい。早朝に起きて仕込んでおり、大量に作らず小まめに煮出していく。めんは自家製の博多風。軟らかでよくだしと絡む。人気のゴボウ天うどん定食は五百三十円。百二十円プラスでめんの量が二倍に。「お客さまの声を聞き、サービスを広げたい」と二人は声をそろえた。

 「来年は福岡に二号店を出したい。そして、自分たちのご褒美としてハワイに行きたい」。姉妹の夢はうどん同様、でっかくて熱い。営業時間は午前十一時から午後十時。元日と二日以外は営業。0952(72)5917。

20061216本紙掲載
花よりうどん
佐賀県小城市三日月町長神田1055-1(地図)

2007年01月30日

器はみ出す創作うどん

写真 古民家風の内装に、ジャズが流れる一風変わったお店。一月で開店三周年を迎える創作うどん店だ。つゆをかけて、おろし大根と一緒に食べる「ぶっかけうどん」がお薦め。「細くてこしがあるめんの味わいを楽しんでほしい」と店主の柚上(ゆがみ)忠宏さん(35)。

 人気の一品は「アナゴごぼうぶっかけ」(八百円)。大きな器からはみ出すふっくらアナゴとさくさくゴボウ、二つの食感が一度に楽しめる。普通のうどんが食べたい場合は「スープうどん」と注文する。

 日曜定休(祝日は営業)。営業時間は午前十一時-午後八時。093(871)1852。

20061226本紙掲載
とばた麺之介
福岡県北九州市戸畑区天神2-1-36(地図)

2007年02月02日

「あご出し」汁まろやか

写真 天日干しして焼いた長崎県壱岐対馬産のアゴ(飛び魚)をベースに、昆布とかつお節を加えた「あご出し」の汁はまろやかな味わい。人気メニューの「うどんちゃん」(八百円)は、直径約三十センチの器に豚肉やエビ、貝のほか、キャベツやタマネギなどの野菜も入った具だくさんのボリューム満点のちゃんぽん風うどん。かたくり粉をといた汁のとろみが、柔らかめのめんや具によく絡む。

 「あご出しうどん」にミニ丼(四種類から選択)を加えた平日限定のサービスセット(七百円)もある。リバーウォーク北九州地下一階。午前十時-午後九時半オーダーストップ。年中無休。

20070111本紙掲載
福良うどん
福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1(地図)

2007年02月07日

あっさり味の豚骨ラーメン

写真 1953(昭和28)年創業の「博多らーめん しばらく西新本店」。昔ながらの豚骨100%のラーメンを提供している。
 「スープは宮崎産の豚の頭から足までの骨を使用。それぞれの部位のうま味がブレンドされています。あっさりした味なので、毎日食べても飽きませんよ」とスタッフの松尾隆さん(37)。めんは国産小麦を使った、店独自のものを使用する。
 「ラーメン」は500円、「チャーシューメン」は780円。「セットA」(830円)はラーメンにギョーザ8個が付く。
 福岡県内と宮崎県延岡市などに姉妹店がある。

20070123西スポ掲載

しばらく
福岡市早良区西新1-11-28(地図)
電話092(821)4869/店休日不定

2007年02月15日

バター風味ちゃんぽん

写真 殻を手でむいた生エビを使うチャンポン(五百五十円)は、豚肉やキクラゲ、キャベツなど地元の商店から仕入れる九種類の具をバターでいためて作る。中細めんが、鶏がらのスープや生エビから出るだしを吸い込み、バターの香ばしい風味が全体を包む。
 経営者の中島文枝さん(61)が賄い料理として作っていたが、四、五年前に客から「おいしい」と言われ、メニューに加わった。カレイを使う魚フライ定食(六百五十円)は、創業から二十七年続く定番メニューだ。
 営業時間は午前八時から午後八時まで。元日以外は無休。電話=093(332)2036。

20070123本紙掲載

喫茶アンカー
門司区港町9

2007年02月20日

牛乳入りラーメン

写真 ●隣の製めん会社と共同開発

 島原市前浜町の島原地方酪農業協同組合(しまらく)は、ラーメンのとんこつスープに牛乳を加えた「しまらく牛乳入 とんこつラーメン」を発売した。組合の事務所に隣接する製めん会社に開発を持ち掛けて誕生した商品で、牛乳の消費拡大と地産地消を目指す。

 牛乳の消費離れが進む中、牛乳を利用した加工品作りを模索していたしまらくの高木勝己組合長。昨年二月、出勤途中に出合った隣の製めん会社「小川屋」の小川藤照(ふじてる)専務に「牛乳を使ったラーメンが作れないだろうか」と持ち掛けたのがきっかけだった。

 しまらくのイベントで、うどんを提供するなど日ごろから交流のあった小川専務は、高木組合長の提案に賛同。牛乳の風味を生かすため、めんではなくスープに牛乳を加えることを考え、福岡県古賀市のスープメーカーにも協力を頼んで商品開発が始まった。

 スープと牛乳の配合具合について試行錯誤を重ねたところ、スープの重さの10%の牛乳を加えたものが「牛乳の味が出過ぎずにスープがまろやかに感じられる」(しまらくの田中英文営業部次長)と判明。百十グラムの生めんに四十グラムのスープをつけた袋入りラーメンを昨年十二月から発売し、一カ月間で約一万二千袋を販売した。
 「消費者に牛乳の良さを見直してもらうと同時に、島原の牛乳とめんを使った商品で地産地消を目指したい」と田中次長。十二袋入り二千四百円の一ケース単位で販売。

 問い合わせは、しまらく=0957(62)5201。
【写真説明 】しまらくが販売している「しまらく牛乳入とんこつラーメン」


20070116本紙掲載

2007年02月27日

ラーメン王しのぶ映像公開

写真
スクリーンに映し出された、日清食品創業者で「宇宙食ラーメン」の開発などに携わった故安藤百福氏=27日午後0時45分、大阪市西区の京セラドーム大阪
 即席ラーメンを生んだ日清食品創業者、故安藤百福氏の社葬が27日午後から執り行われるのを前に、会場の京セラドーム大阪(大阪市)で、在りし日の「ラーメン王」をしのぶ映像がスクリーンに公開された。

 宇宙食ラーメンが2005年、スペースシャトルで宇宙に到達したことにちなみ、安藤氏を「宇宙へお送りする」(日清食品)形で宇宙空間のイメージ映像を上映。また、創業のころやラーメンを食べる姿なども映し出された。

 社葬には、葬儀委員長の中曽根康弘元首相をはじめ政財界人らが多数参列し、別れを告げる。

2007年02月28日

うろたんけ

写真 店名の「うろたんけ」は、店主の入倉健太郎さん(32)の名前を逆にしたもの。二〇〇五年十二月にオープンした。広島出身の店主が焼くお好み焼き(六百八十円から)は、生地にキャベツや豚肉を重ねて素材のうま味を十分に引き出す。そばやうどん、イカ天やネギなど、広島風にこだわったトッピングも光る。
 ランチタイムには、冷たいそばを温かいピリ辛のタレにつけて食べるつけめん(五百円)も人気という。
 不定休。ランチタイムは正午-午後二時半。夜は午後五時からで、鉄板焼きとお酒も楽しめる。電話=093(581)4417。
うろたんけ
北九州市小倉北区室町2丁目9-20

2007年03月08日

チャイナ―スタイル

写真 ●料理長の大谷昭夫(31)さん
 広東料理を学んだ料理長の大谷昭夫(31)さん=写真=が腕を振るう「酒菜厨房(ちゅうぼう)チャイナ―スタイル」。「私が考えた独自のメニューを多彩にそろえています」と大谷さん。

 ランチは「オリジナル黒ごまラー油の担々麺(めん)」(600円)や「本日のランチセット」(700円)が好評だ。夜のお薦めは「芝エビ、甲イカと旬野菜のXO醤炒(じゃんいた)め」(950円)など。1皿のボリュームが軽めなので、大人数でなくても、いろいろな料理が注文できる。「杜氏(とうじ)潤平」(500円)など珍しい焼酎もそろう。

20070212西スポ掲載
福岡市中央区大手門2-1-10(地図)

電話092(725)1010/日曜定休。

2007年03月15日

らーめんGAKU

写真 二〇〇六年五月にオープンした「らーめんGAKU」(久留米市日吉町)はとんこつ味が主流の久留米市では珍しいしょうゆ味で勝負。豚骨、鶏ガラ、魚介類などで丁寧にとっただしはコクがあってあっさり。酒を飲んだ後に立ち寄る客が多いのもうなずけます。

 ラーメン(五百円)に載るあぶりチャーシュー(ローズソルト添えで二百円)=写真=は酒のつまみに。ほかにエビワンタンのポン酢かけ、鶏の軟骨空揚げ、生ダコのわさび漬けなど。
 ラーメンは野菜ラーメンやたれでいただく特製つけめんなど七種類。デザートに店主の鹿毛学さんが作る蒸しプリン(二百円)がお薦めです。

 〈メニュー〉好みのラーメンに、あぶりチャーシュー丼とサラダ(三百円)をプラスしたお得なセットはさらにプラス百円で蒸しプリンも楽しめる。ビール五百円から。焼酎三百五十円、ソフトドリンク二百円。

 営業時間は午前十一時半から午後二時半までと午後六時から午前零時まで(金・土曜は翌午前二時まで)。日曜定休。電話0942(35)7472。

2007年02月09日本紙掲載

2007年03月22日

毎日食べても飽きない味

写真 神埼市脊振総合支所近くに夫婦で店を構えて四十三年。当時から変わらないラーメンの味を守り続ける真崎民男店主(66)は「あっさりとして、お客さんからは『毎日食べても飽きない』と言われます」と話す。

 スープ作りからめんをゆでるまで店主一人でこなす。豚の頭骨だけを八時間以上煮込んで作るスープは、油分が少なく深いこくが口に広がる。こだわりは「あくを小まめに取ることぐらい」(真崎店主)。妻の俊子さん(65)もあきれるぐらい頻繁に取り除くことで、切れがあってしっかりしたスープに仕上がる。

 太めんに加え、四年ほど前から、若者に好まれる細めんも取り入れ、二種類から選べる。
 真崎店主が「客は子どもからお年寄りまで地元の常連がほとんど。帰省するたびに立ち寄って、変わらない味を確かめる人も多いです」と話すように、誰からも愛される一杯だ。ラーメン四百三十円、大盛り五百五十円。営業時間は平日が午前十一時半から午後八時ごろ、土日祝日は午後三時ごろまで。不定休。0952(59)2045。

2007年02月24日本紙掲載
とよ食堂
佐賀県神埼市脊振町広滝547-9

福岡出身バンド「豚骨ピストンズ」 21日デビュー

写真 ●タイアップのカップめんも発売へ
 めんたいの後継は豚骨たい-福岡市出身のロックバンド「豚骨ピストンズ」が二十一日、シングル「よかろうもん」を引っ提げてメジャーデビューする。かつて日本のロックシーンを彩った博多発「めんたいロック」。その志を受け継ぎ、「豚骨ロック」の風を起こそうと意気込む。大手食品メーカーもバンドとタイアップしたカップめん発売を決めた。相乗効果で、目指すは全国区だ!
 豚骨ピストンズは豚兄(28)=ボーカル、三代目六三亭英二(25)=ギター、ヒロシドビシャス(25)=ボーカル&ベース、ピストンホリ(25)=ドラムの四人組。一九九八年に福岡で結成し、二年前に上京してライブハウスを中心に活動。「豚骨ロック」を掲げ、強烈なリズムとメロディー、博多弁を多用した歌詞でじわじわと人気を集めた。
 豚骨ロックとは、「博多ラーメンのようにちょっと臭いけど、一度はまると病みつきになる音楽」(豚兄)。デビュー曲「よかろうもん」も、「くよくよせんでもよかろうもん」「笑い飛ばせばよかろうもん」と、ストレートな歌詞をノリのいいビートに乗せて、いつまでも耳に残る楽曲に仕上げた。
 豚兄は「めんたいロックは、音楽シーンに濃厚な味わいを残した。それを引き継ぎ、スパイスのきいた音楽を目指します」。近ごろは平準化し、ちょっと薄味となった日本のロック。「ローカル色を強く出して、活を入れたい」と力がこもる。
写真 一方、四月九日から九州限定でカップめん「日清豚骨ロック よかろうもん」を販売するのが日清食品(本社・大阪)。九州発の新しいロック・ムーブメントに賛同し、「豚骨ロック」をイメージした濃厚スープで具だくさんのラーメンを開発した。パッケージも、CD「よかろうもん」のジャケットを踏襲。CDとカップめんタイアップは同社で初めてという。
 同社九州支店営業課の高橋健太郎係長は「地域に密着し、こだわった商品づくりは長年の目標。CDと連携し、やがて全国的ヒットにつなげたい」と話していた。
2007年03月09日本紙掲載
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【写真説明1 】(上)21日にメジャーデビューする豚骨ピストンズ(下)日清食品が九州限定で販売する「日清とんこつロック よかろうもん」

2007年03月27日

うまかっちゃん「焼きラーメン」 屋台の味仲間入り

写真 ハウス食品は二十六日、袋入りインスタント乾めん九州シェアトップの「うまかっちゃん」シリーズに「博多焼きラーメン」=写真=を追加、四月十六日から九州・山口地区限定で販売する、と発表した。九州七県で年間約三百十五万袋の販売を目指す。
 焼きラーメンは焼きそばと違い、ゆでたラーメンのめんを具といため、味付けに豚骨スープなどを注いだもの。福岡市内の屋台が発祥とされる。新商品は一袋八十九グラム、希望小売価格は九十円(税別)。
 同社によると、うまかっちゃんは一九七九年に販売開始。九州でのシェアは26%とトップで、現在、同シリーズ五種類を販売中だ。カロリーを抑えた「ヘルシーめん」需要が高まる中、九州に特化した商品開発でシェア拡大を目指していく。

2007年03月27日本紙掲載

2007年03月28日

コラーゲンが詰まったスープ[ニュース]

写真 昨年10月に開店した「ちー坊のタンタン麺 大名店」。日本に中国・四川(しせん)料理を広めたといわれる陳建民さんのもと修業したオーナーが営む店だ。
 「鶏の足で取ったスープは、コラーゲンがたっぷりです」と店長の岡本洋孝さん(29)。
 大名店オリジナルの「チーズ入りタンタン麺」(750円)がお薦め。麺の上にスライスチーズをのせ、熱した油をかけたものだ。人気のデザート「ちー坊自慢のアンニンドウフ」は250円だが、麺を注文すればプラス170円で味わえる。
 ほかに福岡市・住吉にも店がある。福岡市中央区大名2の10の39、サンマリノビル1階。

20061219西スポ掲載
ちー坊のタンタン麺 大名店

2007年04月05日

豚骨スープで「博多担々麺」

写真 店長の有吉竜二さん(35)(福岡市中央区薬院)

 福岡市・薬院大通りから少し入った路地にある「博多担々麺(めん)まるみや」。店内は屋台をイメージして造られている。「看板メニューの『博多担々麺』(650円)は、じっくり煮込んだ豚骨スープを使っています」と店長の有吉竜二さん(35)。練りゴマでなく、すりゴマを使うことであっさりした味に仕上げている。
 ランチタイムには、地鶏のスープを使った「味噌(みそ)担々麺」「ヘルシー担々麺」(各650円)も提供。夜はお酒に合う一品料理も用意する。福岡市・中洲に姉妹店の居酒屋「まるみや」がある。

 福岡市中央区薬院2の2の2、薬院ビル1階。
電話092(716)9388。日曜定休。

20070320付 西スポ掲載

まるみや

2007年04月12日

名物手打ちそばを再現

写真 観光名所高尾山(東京都八王子市)の名物手打ちそばがいただける「東京高尾そば 彩舞庵」(久留米市篠山町)は北海道産そば粉八割とつなぎ二割の二八そばです。
 そば打ち三十余年の菊地幸造さんが毎朝、その日の湿度と温度を体で感じながら水加減に気を配るといいます。
 「もりそば」=写真=と「かけそば」は六百円。とろろの「高尾そば」(八百五十円)や「かき揚げそば」(九百八十円)にも日替わり小鉢、茶わん蒸し、漬物が付きます。大盛りは二百円プラスで、量は二人前。
 店内にはオーナー黒岩郁子さんのデコパージュの手芸品が展示されています。
 営業は午前十一時から午後三時までと午後五時から同九時まで(そばがなくなり次第閉店)。無休。電話0942(37)2210。
2007年03月23日本紙掲載

 〈メニュー〉そば膳(ぜん)「彩」(煮物、揚げ物、わん物、そば、十穀米、玉露すすり茶、そばお焼きなど)千五百円。お作りが付く「舞」二千円。そば湯で割る焼酎四百円は飲みやすく悪酔いしないと人気。

2007年04月19日

迫力の特チャンポン

写真 六十年前、地場百貨店山城屋(現在は廃業)のそばに開業し、多くの人々に愛されてきた本格中華料理店。調理場では、先代の後を継いだ李鴻明さん(57)が腕を振るう。
 おすすめの「特チャンポン」(千二百円)は、臭みのない鶏がらスープに、大きなエビ、イカ、ホタテなどの具がどっさり入る。定番の「ラーメン・チャーハンセット」(六百円)や、四十種類以上の単品料理も人気。「店内は約七十席あり、夜は宴会に利用できます」と妻の知子さん(56)。
 日曜日定休。ランチタイムは午前十一時半-午後二時。電話=093(321)2028。
2007年03月27日掲載
萬龍
北九州市門司区本町4-4(地図)

2007年04月27日

究極の中の究極ラーメン鉢

究極の中の究極ラーメン鉢 窯元が限定版 有田焼の技駆使 お値段3万円

写真  有田焼製「究極のラーメン鉢」の発売三周年を記念し、佐賀県有田町の十三窯元が最高級の限定版制作に取り組んでいる。特製れんげ付きで、一個三万円と二個三万円の二タイプ。有田焼の技を駆使した「究極の中の究極」の逸品という。有田陶器市(二十九日-五月五日)で展示販売を開始する。

 「究極のラーメン鉢」は三年前、窯元と商社のプロジェクトが品質にこだわって開発。一個二千円代から二万円代までと高価だが、既に十万個を売り上げた。不況の業界に新風を吹き込んでおり、今回は極上品を目指した。

 受注生産で、絵柄は金など豪華な色彩の鳳凰(ほうおう)や、針葉樹の葉を青で緻密(ちみつ)に描いた品などをそれぞれ個数限定で用意。販売を担当する同町の商社「まるぶん」によると「四万円から五万円の価値はある製品を各窯元に求めた」という。

「味千」合弁企業が上場

「味千」合弁企業が上場 香港証取240億円規模 中国出店資金調達へ

 「味千ラーメン」を展開する重光産業(熊本市)は、中国企業との合弁会社「味千(中国)控股有限公司」(香港)が三月三十日に香港証券取引所に株式を上場したことを明らかにした。上場規模は約十六億香港ドル(約二百四十億円)。外食市場の拡大が見込まれる中国で知名度向上を図り、新規出店費用を調達することが狙い。九州経済調査協会(福岡市)は「地場外食の合弁会社が香港で上場したのは初めてでは」としている。

 味千ラーメンは一九九〇年代半ばから中国で事業を本格展開し、現在は上海、北京、南京、大連、青島、無錫、香港などに計百二十七店舗を構える。日本食ブームなどを追い風に、家族連れや若者など幅広い客層を取り込んでいる。

 重光産業は「〇八年の北京五輪や一〇年の上海万博などで市場拡大のペースがさらに加速する」とみており、日本法人をオーナーにしたフランチャイズ化にも乗り出す考え。今年中に二百店、二〇一〇年までに一千店の出店を目指すという。

 同社は日本でも百十三店舗を展開。しかし、国内市場は縮小が見込まれているため上場を機に中国への攻勢を強める構え。

 中国では、牛丼チェーンの吉野家(東京)、ラーメン店「一風堂」を展開する力の源カンパニー(福岡市)、パスタチェーンのピエトロ(同)なども事業展開。外食大手のロイヤルホールディングス(同)も進出を表明するなど日本の外食企業の参入が相次いでいる。

2007年05月01日

豚骨「聖地」 家族愛が詰まった味[ニュース]

写真 麺食い記者が行く<1>豚骨「聖地」 家族愛が詰まった味

 シャキッとしたメンマの歯応えに縮れ麺(めん)のもちもち感が混ざり合う。あっさり風味の豚骨スープをすすると、舌の記憶が完全によみがえった。久留米市中心部の屋台「南京千両」。刻んだチャーシューもそのまま。十年前と変わらぬ味がそこにあった。
 新聞記者になり、初任地が久留米だった。豚骨ラーメン発祥の地。数多くの店を食べ歩いたが、一九三七年創業の南京千両は、豚骨の「聖地」。のれんをくぐるときにはちょっとした緊張感を味わった。豚骨ラーメンの歴史は、この店から始まったのだ。
 「半端じゃない常連さんがいますからね。『昔の方がうまかった』とか言われるとかなりへこみますよ」。三代目の宮本宝委(たかとも)さん(32)は苦笑いを浮かべる。七十年近く通う九十代のおじいちゃんもいるという。宝委さんは小学生のころから、祖母のソノさん(96)と母親のチエコさん(67)が切り盛りする店を手伝っていた。大学卒業後は、福岡市で花店の店員をしていたが、七年前に家業を継いだ。
 メニューはラーメンと卵。最近は、豚骨スープで炊いたごはん「とんこつ飯」を加えたが「ご飯ものがあることにびっくりする人もいて…。常連さんには革命だねって言われます」。写真 
 豚骨ラーメンは九州内外に広まり、模索と進化を続けるが「ラーメンの味を変えないことが誇り。自分なんかが変えていいはずがないし、怒られますよ」。豚骨ラーメンでは珍しい縮れ麺は兄の博さん(40)が製麺する。創業七十年の伝統の味。それは、ラーメン一家が紡ぐ家族愛にあふれた一杯なのだ。 (地域報道センター・高野靖之)
   ◇   ◇
 ▼南京千両 久留米市東町の明治通り沿い、熊本ファミリー銀行前で午後7時から翌朝4時まで営業。ラーメン500円。0942(37)7279。
    ×      ×
 食の宝庫、福岡県は多様な「麺文化」が花開いた場所でもある。ラーメン、そうめん、うどんなど定番からちょっと変わったユニーク麺まで。麺食い記者が「一杯」を求めて県内各地を訪ねた。

2007年04月30日本紙掲載

ソース色 皿に盛ったラーメン

写真 麺食い記者が行く<2>ソース色 皿に盛ったラーメン

 「最近話題になっとる焼きラーメンって知っとうや? この近くに焼きラーメン発祥の屋台があるげなばい」
 同僚記者の何げないひと言に、麺(めん)食い記者の心が動かされた。早速、突撃取材の開始だ。
 若者でにぎわう九州最大の繁華街・福岡市中央区天神。「親富孝(おやふこう)通り」向かい側にある屋台「小金ちゃん」を訪れると、店に入りきれない客が行列をつくるほどの盛況ぶり。期待が高まる。
 待つことしばし。皿に盛られて出てきたのはソース色のラーメン。スープはない。「もんじゃ焼きみたいですね」と同行した後輩のS記者。長めにゆでた麺、タマネギ、モヤシ、ニンジン、肉といった具を鉄板でいため、豚骨スープとソースをからめる。焼きそばのようで、ラーメンのような不思議な味が、麺にうるさい記者たちをうならせたのだった。
 「夏にラーメンのスープを飲むのは暑かろう。麺で何かおいしいもんができんかと、常連さんと一緒に考えて作ったんよ」。一九六六年からここで屋台を構える小金丸進さん(74)は、焼きラーメンを考案した開店当初を振り返った。写真 
 この焼きラーメン。当初は「裏メニュー」的存在だったが、雑誌やテレビに取り上げられ、徐々に名物メニューに成長。二〇〇六年に永谷園が即席ラーメンとして商品化し、全国に知れ渡った。「話を聞き付けて全国からお客さんが来るよ。うれしいこっちゃね」。小金丸さんは笑った。
 全国的にも名高い福岡の豚骨ラーメンと屋台の文化。その両者が融合した焼きラーメンは、初めて食べたのになぜか懐かしい味だった。 (地域報道センター・野村創)
   ◇   ◇
 ▼小金ちゃん 福岡市中央区天神2丁目、天神三井ビル裏。木・日曜定休。焼きラーメン650円。090(3072)4304。
2007年05月01日本紙掲載

2007年05月02日

天まど 焼きうどんの上に卵

麺食い記者が行く<3>天まど 焼きうどんの上に卵
写真 
 繁華街にありながら、どこか懐かしい雰囲気が漂う鳥町食道街の一画にその店はある。焼きうどん発祥の店として知られる「だるま堂」。平日の午後三時すぎ。昼飯時を過ぎているにもかかわらず、店内の席はすべて埋まっていた。
 満席と言っても、店内はL字型に配置されたカウンター席わずか八つ。その中央では半世紀近く鉄板に向かっている二代目店主の坂田チヨノさん(70)がいた。八十センチほどの高さにある鉄板に合わせるように腰を曲げ、寡黙で頑固そうな感じ。麺食い記者も声をかけるタイミングに困る。とりあえず取材は後回しにして、名物の「天まど」を注文した。
 「天まど」は、もう一つのメニュー「焼きうどん」の真ん中に卵を割って入れた逸品。天窓越しに見える月をイメージしたものだという。乾めんを使うのが特徴で、モヤシなど水気の多い野菜は入れない。やがてチャッチャッという鉄板をヘラがこする小気味よい音が響き、秘伝のソースが焦げるいいにおいが立ち込める。待つこと数分。皿にこんもり盛られた麺を半熟卵につけて口に運ぶ。一般的なソース味と比べると、あっさりしたたまり醤油のような風味。よく焼いた麺に卵が絡み、モチっとした食感がくせになる。小倉の予備校に通い、何度となく足を運んだ十年前と味は全く変わっていなかった。
 焼きうどんは今や一流ホテルやコンビニにも並ぶ小倉名物だ。だるま堂も一躍有名店になった。それでも坂田さんは謙虚に笑う。「今でもお客さんに出すときは緊張するんよ」
(地域報道センター・首藤厚之) 写真 
   ◇   ◇   
 ▼だるま堂 北九州市小倉北区魚町1丁目、鳥町食道街内。木曜定休。天まど510円。093(531)6401。
2007年05月02日本紙掲載

2007年05月07日

偶然誕生 ラーメンが具を挟む

写真 麺食い記者が行く<4>偶然誕生 ラーメンが具を挟む

「世界初! バーガースタイルラーメン」-
 行橋市の大型複合商業施設「コスタ行橋」の駐車場に、麺(めん)食い記者の食欲と好奇心をくすぐるのぼりがはためいていた。
 そばにはボディーを真っ赤に塗った販売車。売っているのは、パンの代わりにラーメンの麺で具を挟んだハンバーガー。めんバーガーだ。
 まずは注文。いったんゆでて冷凍した麺に、回転焼きの鉄板で再び熱を加える。ネギチャーシューと目玉焼きなどの具を挟み、たれをつけてできあがり。こんがり焼けた麺と、豚の角煮のように軟らかいチャーシューの甘みが口の中に広がる。スープはないが、味はラーメンそのものだった。
 めんバーガーは偶然の産物だ。東京でラーメン店を経営する定石光治さん(47)=行橋市=が昨年初め、従業員がゆで損なって冷蔵庫に隠し、丸く固くなっていた麺を発見。「ハンバーガーのパン生地に似ている」とひらめき、知人の幡手幹久さん(41)=苅田町=に開発を提案した。
 麺に豚骨スープをからめ、形が崩れないように工夫する。だれの口にも合う秘伝のたれを開発する-。大阪でラーメンの屋台を引いたことがある幡手さんが試行錯誤の末に商品化し、昨年八月に開店。物珍しさも手伝って人気を呼び、今ではすっかり「行橋の名物」として認知された。写真 
 まだ販売車だけの営業だが、「店を増やし、全国に広めたい」と二人。ファストフードとして定着したライスバーガーのように、めんバーガーも「手に取って食べられる手軽なラーメン」として市民権を得る時代がやってくるかもしれない。 (地域報道センター・野村創)
   ◇   ◇
 ▼めんバーガー 行橋市西泉の「コスタ行橋」駐車場で販売。350円。具はネギチャーシューと鶏つくねの二種類。水曜定休。080(5604)7870。

2007年05月03日本紙掲載

2007年05月10日

中世博多 小麦肌の健康うどん

写真 麺食い記者が行く<5>中世博多 小麦肌の健康うどん

 透き通るような柔肌が好き。「腰(コシ)が物足りない」との陰口など、言わせておけばいい…。といっても、恋の話じゃないです。今回のテーマは「博多うどん」。
 香川県の讃岐うどんが全国的なブームになっている。コシが強いその麺は、例えるなら筋骨隆々のマッチョ系。だが、麺食い記者は、昔ながらの「博多うどん」の女性的な優しさも好み。ダシをたっぷり吸い込んだふわりとした食感は、二日酔いの疲れた胃腸をいつも癒やしてくれるから。
 福岡市博多区竹下の製麺所。土屋輝男社長の二男・伸之さん(32)は、小麦粉や塩水をこねた「ダゴ」を両足で何度も何度も踏み込んでいた。うどんのコシとなるグルテンを引き出すため欠かせない作業だ。
 ここでは、小麦粉の製粉過程で生じる胚芽やフスマを混ぜ込んだ「中世博多うどん」を作っている。大陸から製粉技術が伝わった当時の博多は、うどん、そば発祥の地とされる。「かつての味を想像しながら再現してみたとです」と輝男さん(72)。市麺類商工協同組合の前理事長として、博多うどんPRのため開発した逸品でもある。写真 
 敷地内の直営店「春月庵」ののれんをくぐり、「ごぼ天うどん」を注文した。目の前に届いた直径三十センチの特大どんぶりに、まずびっくり。割りばしで麺を持ち上げてみる。胚芽などを練り込んだ麺は褐色に近い。色白もいいけれど、小麦色の素肌も魅惑的だ。
 ズルズルズル…。小麦特有の香りとモチモチの食感。食物繊維が豊富で健康的な“美人うどん”が好きになった。 (地域報道センター・池田郷)
   ◇   ◇
 ▼中世博多うどん 春月庵 福岡市博多区竹下1丁目、「平和フーズ工業」の敷地内。ごぼ天うどん600円。うどん3玉まで1玉と同料金のサービスも。092(431)1428。
2007年05月04日本紙掲載

2007年05月14日

吉井素麺 「みずみずしさ」の謎

写真 麺食い記者が行く<6>吉井素麺 「みずみずしさ」の謎

 はしで持ち上げた麺(めん)の重みが違う。しばらくそのままでいると、指先がぷるぷる震えるほどだ。ほんのりした甘みが口の中に広がり、何よりもみずみずしい。見た目は普通のそうめんだが、一口すするたびに疑問がふくらむ。吉井素麺(そうめん)。この重さ、そしてジューシーさはなに?

 創業二百年という「長尾製麺」。老舗が提供するそうめんやうどんを気軽に楽しめるのが、同じ敷地内にある「うどん屋 井戸」。七代目の長尾洋介さん(44)に案内してもらった製めん所。黙々と作業する女性の姿に、吉井素麺の謎を解く鍵があった。
 丹念にかつ素早く均一に麺を延ばしていく。その長さは二メートルほど。文字通りの手延べだ。ただ、必需品とも言える油は一切使わない。長尾さんによると、長尾製麺のそうめんづくりは、一般的とされる二日間よりも一日多い三日間。江戸時代から続く工程を踏襲し、小麦粉をじっくり熟成させる。油を使わないため作業中の麺の乾きは気になるが、そこは加湿器で作業場のしっくいを湿らせ麺を乾かせない念の入れようだ。 写真 
 吉井素麺の「重さ」と「みずみずしさ」。これは、めんの表面を油が覆わないため水分の吸収が早いことが理由だった。ただ、ゆで上がりは早めに食べるに限る。吸収がよく、ゆっくり味わっていては、麺が伸びてふやけてしまう。

 うきは市吉井町は、旧浮羽郡吉井町。同町を含む旧浮羽郡には、県内の乾めん業者の三分の二が集中する。良質の小麦と水が支える県内有数の麺どころ。吉井素麺を一口すすると、その土地の実力がよく分かる。
 (地域報道センター・高野靖之)
   ◇   ◇
 ▼うどん屋 井戸 うきは市吉井町927。火曜定休。そうめん600円。0943(75)3155。
2007年05月05日本紙掲載

2007年05月18日

アジア風 強烈個性、和と融合

写真 麺食い記者が行く<7完>アジア風 強烈個性、和と融合

 「インドはなぁ、一度行ったら癖になるぞ」。赤いスープをすするといつも、学生時代の友人の口癖を思い出す。インドや中国、インドネシアなど、アジア各地から取り寄せた二十種類の香辛料が刺激的な「Nanaチャンポン」。その魅力は、突然、無性に食べたくなる「中毒性」とでも表現しようか。
 アジア各地の麺料理を看板にしている店が、福岡市中央区にある。その名は「アジア麺’sプラザNana(ナーナ)」。アジア各国を訪ね歩いてきた高野裕介店長(41)によると「ナーナとは、タイの言葉で『いろんなものが集まる』とか『交わる』という意味だそうです」。
 なるほど。メニューを見ると、各国のいろんな麺料理を集めている。「中華焼きそば」、米粉から作る麺料理「ベトナムフォー」、トマトとセロリを具にしたしょうゆ味の「プノンペンラーメン」など八種類…。どれにしようか悩んだ末に「やっぱり、いつものNanaチャンポン」が、麺食い記者のパターンだ。写真 
 異国の香り立つ刺激的なスープには、どこか懐かしい風味も溶け合う。厨房で中華鍋を振る田中和人さん(46)は「隠し味は日本のしょうゆ」と打ち明ける。どのメニューも強烈な個性を持つだけに、日本人好みにアレンジされている。
 中世・博多-。大陸から製粉技術が持ち込まれ、うどん、そばに代表される麺文化は、この地を経て全国で花開いた。アジアの交流拠点は、今なお各地の食文化を吸収しながら、新たな進化を続けている。(地域報道センター・池田郷)
   ◇   ◇
 ▼アジア麺’sプラザNana 福岡市中央区今泉1の11の7。Nanaチャンポン800円(ランチ680円)。092(737)6200。

ASIA麺’s PLAZA Nana
福岡市中央区今泉1−11−7−2F(地図)
営業時間11:30~24:00/定休日 日曜
ランチセット800円/092(737)6200

2007年05月06日本紙掲載

2007年06月04日

<1>新タイプ 博多風覆す極太豚骨

men01_01.jpg 北海道・札幌、福島県・喜多方と並んで日本三大ラーメンの一つに数えられる福岡・博多ラーメン。

「豚骨スープとそうめんのように細いめん」が特徴だが、最近、従来の概念を覆す新しいタイプの豚骨ラーメンが次々と誕生している。

 その中の一軒「島系本店」のラーメンはまさにユニーク。丼にこんもりと盛られた野菜は荒切りキャベツと太モヤシをゆでたもの。そしてその下には、まるでうどんのような極太の中華めんが、これまたドッカリと隠れているのだ。

 はしでむんずと極太めんをつかみ、ゆで野菜とよく混ぜ合わせ口へ運ぶ。にっちりと抗うめんのコシと、シャキシャキと弾けるゆで野菜の食感がなんとも楽しい。

 そして厚さ一センチはあるチャーシューは、はしでほぐれるほど柔らかい。スープは豚骨のだしと背脂(せあぶら)と野菜の甘みが効いたしょうゆ味。これまさに未体験食感の豚骨ラーメンである。

men01_02.jpg 「細いより太い方がめん自体のおいしさが味わえるでしょう? うちのラーメンはめんを第一に考えているんです」と南原雅明店長(22)。小麦の風味を生かした幅七-八ミリ、厚さ四-五ミリの極太中華めんは、福岡で作ってくれる製めん業者が見つからず、関東から取り寄せる。

 極太めんに負けないようにとチャーシューも厚切りに。半日かけて取ったスープも、さらに小鍋で小一時間ほど煮詰め、うまさを凝縮してから使う。

 昨年十一月のオープンから半年。よりストレートに極太めんのおいしさを味わってもらおうと、スープの量を極力減らした新メニュー「島そば」も発売し、細めん至上主義の博多豚骨ラーメン界に新風を吹き込む。 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

   ◇   ◇

 ▼島系本店 志免町別府。月曜定休(月曜が祝日の場合は翌火曜)。電話=092(935)5257。

2007年06月18日

<2>豊前裏打会 讃岐超す食感を追求

men02_01.jpg するすると口に収まり、もっちりと粘るコシ、ぷるんっと解けるヒキ。独特の食感がナンとも極楽な細めんの色白創作うどんと、扇子のように盛られた大ぶりのゴボウ天。北九州の「ご当地めん」となりつつある豊前裏打会(ぶぜんうらうちかい)のトレードマークである。

 「あの当時のお客さんは災難だったでしょうねぇ。だって、毎日味の違ううどんを出していたんですから」

 豊前裏打会の中心は「津田屋官兵衛」の店主、横山和弘さん(59)。二十四年前、義兄の誘いに乗って脱サラし、うどん屋を始めた。週末ごとに讃岐(香川県)へ出掛け、うどんを食べ歩き、店主の話を聞き、仕事ぶりを見学。七年後、すべて独学で学んだうどん作りが一段落し、店に客がつき始めたとき、知人に紹介された大分市の創作うどん屋で衝撃を受けた。

 「うまい…。なんだ?まるでもちのようなこの食感は」。未体験の食感を超える個性あふれるめんを作りたい。新たな挑戦が始まった。

men02_02.jpg まずは、うどんの原料である小麦粉の研究。うま味成分であるでんぷんとコシを決めるグルテンの質と比率が味の要。さらに、生地を練る塩水の濃度や、できた生地の熟成温度と時間。さまざまな粉をブレンドし、試作に明け暮れること一年。ようやく大分市の店を超えるうどんが完成した。

 それから十年、個性的なうどんは着々とファンを増やした。津田屋官兵衛で修業、独立した九店舗と「豊前裏打会」を結成。豊前・北九州発のうどん食文化作りを目指す。

 「裏」には「表」の本流である讃岐うどんに対抗する気持ちを込めた。国内産小麦を使った色黒のうどんや、中華めんのような食感を意識した極細うどんなど、さらなる個性派うどんの開発にも余念がない。横山さんのめん作りに「完了」の二文字はないようだ。

 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/
   ◇   ◇

 ▼津田屋官兵衛 北九州市小倉南区津田新町。写真は「ごぼうおろしぶっかけ」(六百七十円)。電話=093(475)7543。定休は日曜と第一月曜。

2007年06月22日

ラーメン「元祖長浜屋」突然休業 常連ら騒然 来週にも再開

m2.jpg
 博多ラーメンの看板的存在「元祖長浜屋」(福岡市中央区長浜)が十三日に突然休業し、客に激震が走っている。一週間たった今も店を訪れる人は絶えず、休業の真相をめぐりさまざまな憶測も飛び交う。一方、同店は「体調不良による一時的な休業」と話している。
     ◇
 ●真昼の衝撃 
 元祖長浜屋は約五十年前に創業。食べ物のメニューは一杯四百円のラーメンしかなく、席に着くと注文しなくてもラーメンが出てくる。半世紀変わらない味が人気で、正月以外は二十四時間営業だ。
 異変が起きたのは十三日。近くのリサイクル店店員によると、午前中は「清掃中」の看板がかかっていたが、昼間に突然「休業」と書かれた紙が、本店と近くの支店に張り出されたという。衝撃は、立ち寄った常連客から、ブログ(日記風サイト)などで瞬く間に広がった。
 顧客から問い合わせを受け十四日に店を訪れた信用調査会社の男性(35)は「怒ったような『休業』の文字と、取り外されたガスボンベを見て、ただ事じゃないと感じた」と振り返る。
 ●客が“取材” 
 ファンの間では、理由をめぐって「地価高騰で土地を売却」「社長と従業員の確執」などのうわさが駆け巡り、廃業を懸念する声が拡大。ファン約二千人が参加するインターネット掲示板では、店の存続を願う署名活動も始まった。
 十六日にはネット掲示板に「社長と従業員の会議が夕方にある」と書き込まれ、常連約三十人が店舗周辺に集結。週に二回は同店に通う福岡市の会社員(37)は、店に入る従業員に“取材”、「再開の可能性は半分もない」と涙目で言われたという。だがその一時間後、店員から得た情報として「再開決定」がネットで速報された。
 ●欠かせぬ味 
 しかし十九日現在、店は閉まったままだ。
 取材に応じた同店の山本和子社長は、周辺で語られている「従業員との確執説」を一蹴(いっしゅう)、「体調を崩して麺(めん)が作れなくなった」と明らかにした。十六日の会議では従業員と一緒に店舗を掃除し、十日間の休業を伝えたという。
 ファンの間で「二年前の福岡沖地震でも半日しか休まなかったのに」「丁寧に説明してほしかった」という不満がくすぶる中、山本社長は「申し訳ないとは思うが、支持の大きさを感じた」と語り、週明けにも営業再開することを言明した。
 店側、客側ともに「元祖」が博多っ子に欠かせぬ味であることだけは確認できたようだ。
2007年06月19日本紙掲載

2007年06月25日

<3>発祥の地 久留米で挑む脱豚骨

men03_01.jpg 豚骨ラーメン発祥の地といえば久留米。白く濁ったスープに中太のストレートめん、そして黒いのりのトッピングが主流である。そんな「豚骨帝国」に昨年五月、しょうゆ専門店「ラーメンGAKU」が登場した。

 「ラーメン作り? 独学なんです。オヤジと二人三脚で作り上げたんですよ」。若き店主、鹿毛学さん(26)のラーメンは丁寧な盛りつけの「美人めん」。端正に切りそろえられた白髪ネギに見ほれつつ、黄金色のスープをすする。骨太な豚骨に加え、かつお節やあじ節、ホタテなど魚介だしの味わいが軽やか。

 それもそのはず。スープは和食一筋四十年の料理人である父のアドバイスを受け、六年がかりで完成させた。スープの個性に合わせて細めの「卵縮れめん」を使用。直前にチャーシューをあぶり、揚げネギを添えるのは、より奥深い風味を演出するためだ。

men03_02.jpg その久留米市で八年前に開業した「麺菜酒家 かつらや」も、あえて豚骨ラーメンを置かない名店。

 塩、しょうゆ、みその三種類にこだわる。

 「そりゃ、周りから止められましたよ。豚骨を置かなきゃ久留米じゃやっていけないって」と振り返る店主の桂屋章治さん(39)。心配する友人にはこう力説した。「コンビニのカップめん売り場には、塩やしょうゆなどいろんなラーメンを売っているじゃないか。豚骨以外の需要がきっとあるはずだ」と。

 香り高く仕上げるために、パックに詰めた魚介だしを鶏がらスープに入れる。めんもしょうゆ、塩、みそそれぞれの味わいに合わせた三種類を使い分ける。

 豚骨帝国で「脱豚骨」に挑む二人の心意気は、滋味あふれるそのスープのように熱い。 (升谷知夫
・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

   ◇   ◇

 ▼らーめんGAKU 久留米市日吉町。「らーめん」(五百円)。電話=0942(35)7472。日曜定休。

 ▼麺菜酒家 かつらや 同市国分町。「醤油らーめん」(六百円)。電話=0942(51)8611。火曜定休。

2007年06月29日

元祖長浜屋 半月ぶり再開 炎天下、30人が列

nagahama.jpg
 戦後に屋台から始まった博多ラーメンの老舗で、創業以来初の休業がファンの間で波紋を呼んでいた「元祖長浜屋」(福岡市中央区)が29日朝、16日ぶりに営業を再開した。平日にもかかわらず、本店と近くの支店では開店前から約30人が列をつくった。

 午前9時に一番乗りしたのは、口コミで営業再開日時を聞き付けた福岡市城南区から駆けつけた若松恭一さん(21)ら大学生2人。「夜まで待てなかったので、2時間目の授業の前に来た」

 列に加わったタクシー運転手(64)=福岡県春日市=は、同店が屋台で営業していた37年前からほぼ毎日、1日2回食べに来ていたといい、「黙って閉めて腹が立って仕方ない。昨日ようやく店員を捕まえて怒鳴りつけた」と説明すると、店内に向かって「はよ開けんか」と叫んだ。

 午前10時、従業員が出てきて「休業」と書かれた紙をはがすと、客は一斉にカメラで撮影。続々と店内になだれ込んだ。

 同店は今月13日から突然休業。廃業するのではないかと、客の間で憶測を呼んだが、店側は「店主の体調不良」と説明していた。

2007年06月29日本紙掲載

2007年07月02日

<4>交流拠点 多彩さが筑豊の魅力

men04_01.jpg 県中心部に位置する筑豊地域。江戸時代は長崎街道の宿場町として、近代は石炭の産地として、さまざまな人や物資が行き交った交流拠点は、ラーメン文化も実に多彩。地元の店ではいろんなタイプの味が楽しめる。

 「竜園」(飯塚市)の一番人気は横浜市のご当地めん「サンマーメン」だ。太モヤシやキクラゲ、豚肉、イカなどの具をいため、かたくり粉のあんでとじて、しょうゆ味のラーメンに載せる。トロンと柔らかなあんとパリッと弾けるモヤシの食感のコントラストがなんとも楽しい。

 店主の佐々木治義さん(57)は同市生まれ。二十二歳から十六年間、兄と二人で中華料理店を営んだ。三十八歳のとき義父を亡くし、独りになった義母の面倒をみようと飯塚へ移った。

 九州といえば豚骨ラーメン。いろんな店を食べ歩いて作り方を研究。豚骨、しょうゆ、塩、みその四種類を出す店を開いた。「ところが、いざ店を開けると、豚骨よりしょうゆの方がよく出たんですよ。

 横浜で培った自分の味が飯塚の人々に認められた気がしてうれしかったですねぇ」

 JR飯塚駅前に出した店が大繁盛、九年前に現在の場所へ移転した。肉と野菜入りのこってりラーメン「肉ソバ」や、甘みそしょうゆ味のピリ辛めん「辣辣麺(ラーラーメン)」など、さまざまななめん料理を提供する。

men04_02.jpg 「ポンポン亭本店」(嘉麻市)は豚骨、和風、塩、しょうゆ、みそ、カレーと七種類ものラーメンを提供。店主の大脇良隆さん(58)が、二種類のみそを一時間練り合わせて作るみそラーメンはコクのあるうま味と、さっぱり後味が人気だ。

 人の行き交うところに多彩な食文化が根付く。バラエティー豊かな味に出会える筑豊ラーメン巡りはいかが。 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

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 ▼ラーメンと餃子の店 竜園 飯塚市若菜。火曜と第三月曜が定休。

 ▼ポンポン亭本店 嘉麻市岩崎。電話=0948(43)1579。月曜定休。

2007年07月09日

<5>地位向上 丁寧なうどん目指し

0709_01.jpg うどん-。それは、博多発祥のジャパニーズ・ファストフード。「唄(うた)う!手打ちうどん 稲穂」なるユニークな屋号の店を構える岡崎健一郎さん(34)は、うどんの地位向上を志している。

 「同じめんなのに、そばやラーメンに比べて、うどんってあまりにも軽く思われている気がするんです」

 古くから大陸文化の玄関口として栄えてきた福岡市。博多区の承天寺には「うどん発祥の地」の碑が残る。ゆで置きの柔らかいうどんを手早く温め直し、温かいかけ汁でささっと食べる。その手軽さが、博多うどん流の魅力ではある。が、岡崎さんは、丁寧なうどん作りにこだわる。

 学校卒業後、しばらく居酒屋で働いた。「手に職を持ちたい」と、26歳のとき一念発起。香川県内の讃岐うどん店で修行した。福岡へ戻って会社勤めで開店資金をためながら、独学でうどん作りを研究してきた。

0709_02.jpg めん作りはすべての工程が手作業だ。使う粉は北海道産。手作業で生地を練ることで水分を多めに保ち、生地のモチモチ感を出す。温度管理にも細心の注意を払う。「帯打ち」という手法でうどんを延ばし、やはり手作業で切りそろえる。
 
 だしも個性的である。一般的な昆布やかつお節だけでなく、中華料理の食材として知られる干し貝柱を使っている。
 
 「具うどんもいいですが、かけうどんを大切にしたいんです。うどん作りの良しあしがストレートに味に出るメニューですから」。そのめんは、唇をこするつやっぽい触感が特徴。にっちりとしたコシとヒキ。鼻へと抜ける小麦粉の風味がほんのり香る。
 
 博多うどんでも、讃岐うどんでもない独自のうどんを作りたい。さらなる味わいを目指して、岡崎さんの精進は続く。 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間500杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/) 

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▼唄う!手打ちうどん 稲穂 福岡市早良区野芥3丁目。電話=092(873)0086。定休は木曜と最終週の水曜。写真は「ひやかけうどん」(450円)

2007年07月16日

<6>豚骨主義 繊細な味にこだわり

0716_01.jpg 豚骨ラーメンは「常食性」が高いというか、いわゆる「ハマる」めん料理だと思う。ふと食べたくなると、いても立ってもいられなくなる。
 
 遠賀町の「南京ラーメン黒門」店主、川内久門さん(49)も見事にハマった1人。建築資材会社の営業マンだったころ、北九州市の老舗豚骨店「黒木」の味にほれ込んだ。 2年半、会社が休みの土曜日に早朝から店に通い、見よう見まねでスープの仕込みを学んだ。跡取りがいない黒木の味を「絶やしたくない」と、5年前に脱サラして黒門を開業した。
 
 メニューはラーメン、大ラーメン、おにぎりの三種。あくまで豚骨にこだわる主義だ。「豚骨って大味な印象もあるでしょう? 実は、サッパリとしたダシが出る繊細な食材。材料の質や炊くときのちょっとした火加減で日々味が違うんです」。作り手になって実感した奥深さである。
 
0716_02.jpg あるとき、師匠とラーメンを作り比べた。同じスープを使っても全く味が違う。なぜか? スープを丼に注ぐ際、釜のどの部分からどのくらいの量をすくうかで味が決まるからだ…。
 
 「豚骨のあまりの奥深さに、ある種の恐ろしささえ感じました」。今は亡き師匠の味を超えたいと、川内さんは今日もスープ釜に向かう。
 
 福岡でラーメンといえば、イコール「豚骨」といっても過言ではない。そんな豚骨派にとっての一大事が先月あった。
 
 博多豚骨の象徴的な存在「元祖長浜屋」(福岡市中央区)が突然休業。正月のほか24時間営業の店がなぜ? 自ら店を訪ね「独自取材」したファンたちによる休業理由の憶測がインターネット上を飛び交い、廃業説も浮上。ネットの掲示板では、店の存続を願う署名活動まで始まった。
 
 結局、無事に営業再開したものの、一連の騒動は尋常でなかった。それほど人々は豚骨ラーメンを愛してやまない。(升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間500杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/
 
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▼南京ラーメン黒門 遠賀町島門。写真は「ラーメン」(500円)。電話=093(293)1314。定休は月曜と第3日曜。

2007年08月20日

<7>辛味競演 夏こそタンタンメン

0820_01.jpg 暑くなると恋しくなるのが、冷たいものと辛いもの。辛いめんの代表格といえばタンタンメンだろう。福岡市中央区の天神周辺では、ここ数年専門店が相次いでオープンしている。

 中央区薬院に二年前にオープンした「博多担々麺(めん)まるみや」では、しょうゆ味にみそ味、豚骨味と三種類のタンタンメンが楽しめる。

 自慢の「博多担々麺」は豚骨味。普通のタンタンメンは鶏がらのスープを使うが、あえて豚骨のスープを使い、力強い味わいの個性的な味に仕上げた。具も一工夫。定番の肉みそに加え、いためたモヤシとニラも添えた創作タイプである。

 「博多といえば豚骨ラーメンでしょう? 博多らしい『ご当地タンタンメン』を目指してます」と鍋藤智仁さん(27)。

0820_02.jpg 六月オープンしたばかりの「福博軒」のタンタンメンは、なんと「汁なし」。丼の中にスープは入っていない。中太の縮れめんをゴマだれ、ラー油、具の肉みそをあえて食べる。実はこれが、正統派だとか。

 「もともと中国の四川省で食べられていたタンタンメンは『汁なし』だったそうです。さおで担いで行商しても汁気がないからこぼれない。『担げるめん』だから『担々麺』という名がついたと聞いています」と七種和孝さん(30)。

 「汁なし」でも深いうま味と辛み。中国産の花山椒(はなざんしょう)と黒ゴマ、白ゴマをいったオリジナルスパイスを添える。具に冷たいトマトを乗せた「汁なしトマト担々麺」が店のイチオシメニューだ。

 それぞれに個性を競うタンタンメンの数々。今年の夏は、刺激的な各店の味を食べ比べ、暑気払いしてみてはいかがだろう?

 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

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 ▼博多担々麺まるみや 福岡市中央区薬院二丁目。092(716)9388。定休日曜。
 ▼福博軒 福岡市中央区今泉二丁目。092(406)0173。年中無休。

2007年08月27日

<8>活況前夜 本格そば相次ぎ登場

0827_01.jpg 全国に知られる豚骨ラーメン、中世以来の歴史を誇る博多のうどんに比べ、いささか影が薄かったのが「そば」の存在。ところがここ数年、福岡市の都心周辺で相次いでそば専門店がオープン。活況前夜の雰囲気が漂っている。

 同市中央区長浜で三年前に開店した「生粉蕎麦(きこそば) 玄(げん)」は、値段が一番高い「海老(えび)天蕎麦」「天ざる」でも四百九十円。そば粉比率一〇〇%の手打ちそばが格安で楽しめるとあって、平日の昼時は行列ができる。

 暑いこの時期によく出る「冷やかけ」は、昨年から始めた夏限定のメニュー。かつおだしが利いた冷たいかけ汁と、コシのある冷たいそばの取り合わせが涼しげな一品だ。

 同店の永井正一さん(41)は「うちはリピーターのお客さんが多いので、飽きられないように新しいメニュー作りに努めてます」と話す。

0827_02.jpg 同市中央区渡辺通の「手打ちそば 両国」では三種類の手打ちそばが楽しめる。中でも名物は、「黒打太切」。五ミリ角はあろうかといううどんのように太いそばは、かみ応えも十分。店主の河野茂さん(59)は「そばの実のうまさをストレートに味わってほしくて考えたメニューです」と語る。

 河野さんはその道三十年のそば職人。勤め帰りにそば屋に立ち寄り、軽く酒を楽しみ、そばをすする-。そんな関東のそば食文化を福岡にも広めたいと願っている。

 九州のそばといえば、熊本県南小国町から阿蘇市につながる国道沿いの「そば街道」などが知られる。福岡市・天神周辺が、新たな「そばどころ」に加わる日も近いかもしれない。

 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

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 ▼生粉蕎麦 玄 福岡市中央区長浜一丁目。電話=092(714)0355。無休。
 ▼手打ちそば 両国 福岡市中央区渡辺通五丁目。電話=092(713)6821。定休月曜(祝日は問い合わせ)。

2007年09月05日

トンコツ参入人気ダントツ 秋葉原発「ラーメン缶」 博多土産帰省客に好評 天神で販売

 「オタク文化の聖地」東京・秋葉原から人気に火が付いた「ラーメン缶」に今月、新顔の「博多とんこつラーメン缶」が登場。先行販売している福岡市・天神の岩田屋で、お盆の帰省客らの博多土産として、人気を集めている。同市博多区の食品店「サンボア はかた寿賀(すが)や」と、岩田屋が開発。豚骨ラーメンの本場・博多から「屋台の味」を缶に詰めて発信している。 (経済部・前田淳)

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 「ラーメン缶」は缶の中にめんとスープ、具材が入っている食品。こんにゃくめんを使っているため、スープに漬かっていても伸びず、カップラーメンに比べ低カロリー。湯せんをするか中身を容器に移して温めて食べる。賞味期限が三年と長く、非常食としての活用も見込まれている。

 “元祖”は、四月に発売した東京の食品プロデュース会社「UMAI」。東京・秋葉原の家電店の自販機で販売されると、手軽さと目新しさが受けて大ヒット。全国に自販機の展開も進む。今月には「おでん缶」のヒットで知られる天狗(てんぐ)缶詰(名古屋市)も、三種類の新商品を投入。競争が激化している。

 「博多とんこつラーメン缶」は、岩田屋の金子昌志バイヤーと寿賀やの管博史社長が「地元の味は地元で作ろう」と開発に着手。めんは福岡県大牟田市のこんにゃく店石橋屋が、八種類の雑穀を混ぜたこんにゃくめんを作った。断面を星形にすることで、スープとよくからみ、よりラーメンに近い食感を実現した。

 さらに、先行商品にない独自性を出そうと、博多ラーメンに欠かせない「替え玉」缶も作った。薄まったスープの味を調える「かえし(たれ)」も付く。パッケージは、ビール風炭酸飲料「こどもびいる」のデザイナー八智代さんが手がけた。

 今月一日の発売以来、岩田屋では一日三百-四百個の売れ行き。お盆の帰省客が、土産としてまとめ買いしていくことも多い。「ラーメン缶戦争」の最激戦区、秋葉原の家電店でも一番人気になっているという。

 管社長は「生産が追いつかない人気だが、新商品も投入していきたい」とうれしい悲鳴を上げている。
 博多とんこつラーメン缶は二百九十グラム入りで一個三百六十七円。替え玉付きは一個五百七十七円。替え玉付きが二個入ったおかもちセットが千百五十五円(いずれも税込み)。

2007年08月16日本紙掲載

2007年10月15日

老舗が福岡に初の路面店

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 ●久留米 大砲ラーメン 天神今泉店(福岡市中央区今泉1丁目)

 とんこつラーメン発祥の地とされる福岡県久留米市の老舗が9月、福岡市に初めての路面店を出した。8月まで天神の複合商業施設イムズ内にあった店が移転してリニューアル。香月均社長は「福岡に根付くためにも、路面店を出したかった」と話す。

 とんこつ系だが「マイルドな味」が特徴。1953年の創業以来、スープに新しいスープを足し続けていく「呼び戻し」という作り方で、職人が伝統の味を守り続けている。

 メニューは、定番の「ラーメン」(580円)をはじめ、創業時の復刻版で、こってり系の「昔ラーメン」(630円)や、同店限定のあっさりした「醤油(しょうゆ)とんこつラーメン」(600円)などがある。34席。午前11時-午後10時半。同店=092(738)3277。

2007年10月18日

<9>鉄都の味 チャンポンも個性的

01.jpg 北九州市戸畑区の市場や食堂で古くから親しまれているチャンポンは、キャベツにモヤシにかまぼこにイカと、一見なんの変哲もない。が、具の下に隠れた「めん」が特徴的。チャンポンといえば太めんが相場だが、具の底から姿を現すめんはかなり細い。

 「普通のチャンポンめんはゆでるのですが、うちのめんは蒸すんです。作り方が全く違うんですよ」と語るのは、田中製麺(めん)所の三代目店主、田中龍さん(42)。一九四〇年ごろ、取引のあった中華料理店の中華まんの蒸籠(せいろ)蒸しをヒントに初代が考案したという製法を、今も忠実に守る。

 めんのコシを決めるグルテン。通常のめん作りには、グルテンが多く含まれる強力粉や中力粉が使われるが、この蒸しめんにはグルテンの少ない薄力粉を使う。練り上げた生めんを木製の蒸籠に並べ、蒸気で十分ほど蒸した後、風を当てて一気に乾燥させる。生地の練り具合と蒸し加減の兼ね合いでめんの味と食感が決まるという。

02.jpg 戸畑チャンポンの老舗の一軒、福龍で食べてみた。なるほど。太いゆでめんのチャンポンとは明らかに食感が違う。細い蒸しめんはシュルシュルと小気味よく口に収まり、さらに強いコシともちもち感を併せ持つ。戦後の高度成長期、工場で働く人たちがこの味を求め列をなしたという。

 四大工業地帯の一つとして栄えた北九州の「ご当地めん」は、戸畑の蒸しめんチャンポンだけにとどまらない。乾めんを使った焼きうどんや、角切りの大きな肉を具に乗せた「どぎどぎうどん」など、どれも強烈なインパクトを放つ。

 庶民派グルメのパラダイス、と呼ばせていただきたい。
 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

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 ▼田中製麺所 北九州市戸畑区牧山一丁目。写真(下)は「蒸し麺」(十食入り六百円)。電話=093(871)2187。
 ▼福龍 北九州市戸畑区中原西一丁目。写真(上)は「チャンポン」(六百三十円)。電話=093(871)7091。日曜定休。

2007年11月05日

<10完>関東の味 つけめん勢力じわり

1105_01.jpg 「つけめん」を出すラーメン店が、福岡でもここ数年増えている。

 つけめんは、関東風と広島風に大きく二分類できる。冷たいめんを、ピリ辛の冷たいつけ汁で食べるのが広島風なら、魚介風味の温かいつけ汁で食べるのが関東風だ。

 福岡では関東風が、じわり勢力を広げている。関東風の元祖は、3月に半世紀の歴史に幕を閉じた東京・池袋の「大勝軒」とされる。当初は店員のまかない料理だったとか。客に請われて出したら、評判が口コミで広がり、連日行列の繁盛店に。今や首都圏では一般的なメニューとなった。

 福岡の店も独自の創意工夫を凝らす。2年前、つけめんをメニューに加えた「まるげん」は、福岡でのブームの火付け役だ。「ラーメンより、つけめんの方がよく出る日も多々あります」と、店主の鈴木克学さん(38)。

 めんは、名古屋名物きしめんのように平たい特注だ。ほのかに甘酸っぱいつけ汁と、薄切りチャーシューをほお張る。にっちりとした平めんのこしと、魚介のうま味、豚肉の甘味が口中へ広がる。めんに添えられているスダチを絞れば、ナンとも軽やかな味わいに変身するのも面白い。

1105_02.jpg 「博多新風」の店主、高田直樹さん(35)も「創作性こそ魅力ですから、毎年新しいレシピで出してます」と、つけめんへのこだわりを語る。

 うどんのように太いめんは、干しエビの粉末を練り込んだ自家製。つけ汁はラーメンスープに、さらに大量の豚骨を加え煮出した濃厚味だ。角切りチャーシューもゴロゴロ入っていて、力強い味わいがハマリ系。

 また1つ新顔が加わった福岡の「めん文化」。ラーメン、うどん、そば、パスタ。さて明日は何にしようか。悩むなぁ。=おわり

 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間500杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/

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 ▼博多中華そばまるげん 福岡市中央区平尾2丁目。電話=092(522)8848。定休月曜。
 ▼博多新風 同市南区高宮1丁目。電話=092(524)2426。定休火曜。

2007年11月28日

旧町名の面影消える… 「因幡うどん」の本店28日閉店 福岡市・天神

 約30年前まで福岡市中央区天神1丁目に約60店舗が軒を連ねた旧「因幡町商店街」。その「因幡」を看板に掲げて半世紀以上営業していた「因幡うどん」本店(第2明星ビル地階)が28日、閉店する。現在はビルが立ち並ぶ中で、往時の面影を伝えていた。旧商店街の名が付近から消えることに、常連客から惜しむ声が出ている。

 旧因幡町は現在の天神1、2丁目の一部。福岡藩主黒田家の有力家臣団黒田二十四騎の1人、衣笠因幡の屋敷があったことにちなむ町名だが、1964年の町界町名整理で地名からは消滅した。

 旧商店街は、現在の天神ビブレやメディアモール天神ビル付近に戦後に誕生。因幡うどんは51年に旧商店街で創業し、今はJR博多駅などに計5店がある。

 最後の日も、通常通り午後7時まで営業予定。常連という同市南区の会社員波多江正一さん(58)は「商店街のころから知っている店がなくなるのは残念です」と話した。

 旧商店街ができた当時から営業を続ける「野方一茶園」(天神ビブレ地階)の野方政次郎社長(67)は「同じ因幡町で商売をしてきた者として、悲しい」と肩を落とす。

 閉店は、入居ビルの耐震強化の改修で屋上設備が店のある地階に移されることに伴うという。

 竹崎敏和社長(57)は「創業の地からは離れるが、屋号の因幡が持つ意味は変わらない。他の店舗で伝統の味を守り続けます」と力を込める。

20071128本紙掲載

2007年11月29日

とんこつ「勝算あり」 一蘭と一風堂 来年NY進出 博多ラーメンそのまま 「味は絶対妥協しない」

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 博多ラーメンの人気店、一蘭と一風堂が来年、ニューヨークに相次いで出店する。「店のブランド力を高めたい」「日本食のラーメンをこの手で広めたい」。そんな思いが世界の中枢都市への進出につながった。ニューヨーカーたちの舌におもねることなく、博多と同じ「とんこつ味」で真っ向勝負。両店とも「必ず受け入れてもらえる」と自信満々だ。 (ニューヨーク・田端良成)

 日本で二十二店を展開する一蘭の海外進出は今回が初。米国や中国、タイなどで暮らす日本人などから出店要請があり、現地調査を進めていた。
 出店が具体化したのは今春。吉冨学社長(42)が渡米した際、ニューヨーク市ブルックリン地区で物件を見つけ、開店を決めた。マンハッタン地区に比べ華やかさには欠けるが、吉冨社長は「ラーメン店の立地は陰に隠れているような場所で構いません」と、意に介さない。月に十日はニューヨークに滞在し、スタッフと店づくりに汗を流す。

 新店舗では、日本未発表の「博多極上とんこつラーメン」を出す予定。十数年前から開発を続けてきた秘蔵ラーメンの一つで、客の健康を第一に考えて一〇〇%無添加にこだわり、スープ、めんとも絶品に仕上げた。課題は食材の確保。「味は絶対妥協しない」(吉冨社長)と、現地での製造・調達と、日本からの輸送の両面で検討中だ。
 一蘭は現地で試食会を重ね、手応えは十分。まずは日本人駐在員らが主な客層になるが、米国人の味覚に対応した新商品も開発済みという。
 新店舗は来夏までに開店予定だが、吉冨社長は焦りも肩に余分な力も入っておらず、あくまで自然体。「ニューヨーク進出の目的は一蘭ブランドの向上ですが、お客さまに喜んでもらい、社員の自信、励みにもなる。慌てずにじっくりとやります。もちろん勝算はありますよ」
   ■   ■
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 一風堂ニューヨーク店は、来年一月の開店を目指して内装工事などが急ピッチで進んでいる。場所は、若者でにぎわうマンハッタン地区のイーストビレッジ。中国・上海で現地企業と合弁のラーメン店を展開したこともあるが、単独での海外出店は今回が初めてだ。
 スープづくりには欠かせない豚ガラ。「アメリカは豚ガラの入手がなかなか難しいけど、浄水から作らなければならなかった中国に比べれば、この国は天国」。一風堂を運営する力の源カンパニーの河原成美社長(54)はそう笑い飛ばす。
 「ニューヨークにはラーメン店が約四十あるけど十分戦える」「日本人の手で日本の国民食ラーメンを届けたい」。熱い思いはよどみない。客席は八十二。メニューにはおなじみの「赤丸」「白丸」などのほか、「替え玉」も加えるという。
 店の壁面には、河原社長と親交がある、全国のラーメン店主が提供する各店のラーメンどんぶりを陳列。「ニューヨーカーでいっぱいになるような店を目指す。最初から大ヒットさせたい」と河原社長は意欲満々だ。
 二店の出店について、北九州市から自治体国際化協会ニューヨーク事務所に派遣されている久保聖子さんは「福岡の企業家の方々にもいい刺激になると思う。ラーメンの味も楽しみ」。福岡市博多区出身でNECアメリカに勤務する山内耕輔さんも「本物のとんこつラーメンに期待したい。米国人にも歓迎されるでしょう」と話している。

20071124本紙掲載

2007年11月30日

レンジで調理 即席ラーメン用「丼」 チンしてズズ… 長崎・波佐見 山下陶器開発

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 波佐見焼の里・長崎県波佐見町の山下陶器(山下恒博社長)が、電子レンジを使って即席ラーメンを水から調理できる磁器「ラーメン一丼(いちどん)」を開発し、販売を始めた。レンジでごはんが炊ける陶器「炊きたて一膳(いちぜん)」「炊きたて一膳 大盛(おおもり)」に次ぐ同社オリジナル商品の第三弾。
 一丼は鍋を使わずに袋入りの即席ラーメン一食分を調理できる器。器に粉末や液体のスープを入れ、水やお湯を内側のラインまで注いだ後、めんを入れ、ふたをかぶせて電子レンジで加熱する。調理時間は水で七分、お湯で三分。火を使わず安全な上、鍋を洗う手間も省ける。しかも、電子レンジは水分が蒸発しないので調理に必要な水量は四百ミリリットルで、ガスレンジに比べて百ミリリットル少ない。電気料金も一円以下で光熱費削減にもつながるという。
 器は直径十八センチ、高さ十二センチ、重さ九百グラム。デザインはブドウや水玉など四種類あり、価格は二千八百円。
 山下社長は「炊飯用陶器がヒットして全国にこれほど一人暮らしが多いのかと驚いた。伝統ある波佐見焼の器で身も心も温まるラーメンを食べてほしい」と話している。
 問い合わせは山下陶器=0956(85)6570。
20071016本紙掲載

2007年12月11日

即席めん食べ子供4人死亡 中国・雲南省

 【北京5日傍示文昭】五日付の中国紙・新京報などによると、中国雲南省昭通市の小学生四人が三日、通学途中にインスタントラーメンを食べた直後に腹痛などを訴え、近くの病院に運ばれたが約一時間後に死亡した。市当局はラーメンに何らかの問題があった可能性が強いとみて調査している。

 同紙やウェブサイト「華商網」によると、死亡したのは九-十三歳の女子三人と十一歳の男子。四人は三日朝、小学校に通う途中、地元の店で買ったインスタントラーメン一個を四人で分けて食べた。約三十分後に腹痛や口から泡を出すなど激痛を訴えて苦しみだし、病院に運ばれたが、相次いで死亡した。市当局は毒物が混入していた疑いもあるとみている。

 現場は市中心部から約六十キロ離れた貧困地区。同市の食品衛生当局は、インスタントラーメンなどを販売している地元の二十八の小売店への緊急検査を実施し、原因が解明されるまで販売を禁止する措置を取った。
20071206本紙掲載

ちゃんぽんまつり盛況 早食い21人挑戦 雲仙市小浜町

 ちゃんぽんを町おこしに生かそうと雲仙市小浜町で十二月二日、「おばま産業祭ちゃんぽんまつり」が開かれた。ちゃんぽん早食い大会や一杯百円での販売があり、町内外から集まった大勢の人たちが「小浜ちゃんぽん」の味を楽しんだ。

 ちゃんぽんを提供する飲食店でつくる「小浜ちゃんぽん愛好会」が産業祭に合わせて初めて企画した。早食い大会に参加した二十一人はめんを高く持ち上げたり、丼の中でかき回したり、それぞれ早食いの“技”を駆使しながら挑戦。ちゃんぽん好きが高じて「ちゃんぽんマップ」を作った自称「ちゃんぽん番長」の雲仙市観光課職員林田真明さん(38)も学生服姿で出場し、会場を沸かせた。

 二分四十一秒のタイムで接戦を制し初代チャンピオンに輝いた同町の農業山下政寿さん(24)は「夢中で食べたので味はよく分からなかったが、小浜のちゃんぽんがもっと有名になってほしい」と大きな体を揺らして話した。

20071203本紙掲載

2007年12月25日

一風堂が“味改革”、値上げ ラーメン100円アップ

 ラーメン店を展開する力の源カンパニー(福岡市)は、全国に三十四店ある「一風堂」のラーメンを十三年ぶりにリニューアルし、それに伴い実質的に値上げすることが分かった。同店主力の「赤丸新味」と「白丸元味」を来年一月三日に一新し、それぞれ一杯あたり百円上がる。
 「赤丸新味」は「赤丸かさね味」と名前を変え、福岡県内の店舗では、一杯七百円が八百円、そのほかの地域では、一杯七百五十円が八百五十円になる。「白丸元味」も一杯あたり百円値上がりで、福岡県内は七百円。そのほかの地域は七百五十円になる。

 同社によると、リニューアルは、めんを細くしたり、スープの炊き方を変えたり、新たな具を加えたりした。「『赤丸かさね味』はこってり感の上に複雑なうま味、『白丸元味』はより滑らかな味を演出した」(同社)という。

 同社は、リニューアルを二年前から計画。一方で、十三年前に比べ、アルバイトの時給が約二百円上がったことや、豚肉や小麦など原材料が軒並み高騰しており、コストの増加分を吸収する狙いもあるという。
20071213本紙掲載

2008年01月24日

トン骨野郎 てつ屋 スープが自慢のラーメン

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 9年間、ラーメン店で修業した店主の井上徹也さん(35)が、昨年6月に開店させた。4種類のラーメンを中心に、居酒屋メニューも多彩にもそろえる。

 「『ラーメン』(550円)のスープは豚骨のみを使い、24時間以上かけて仕上げています」と井上さん。自慢のスープは、あっさりしたなかにもコクがある。ほかに、鶏レバーと砂ズリを炒(いた)めた「てつレバ」(600円)も人気メニューだ。

 カウンター席のほか、くつろげる小上がりも完備。午前4時まで営業しているので、ゆっくり過ごせる。

 福岡市博多区冷泉町8の21。電話092(282)7233。日曜定休。

20080121西スポ掲載

2008年02月05日

替え玉、大盛りを男性客に期間サービス ラーメンスタジアム

 福岡市博多区の大型複合商業施設「キャナルシティ博多」五階にある「ラーメンスタジアム」は、二月四日から八日までの五日間、男性客を対象にした「ラーメンスタジアム麺,s day」を開催する。

 同スタジアムに入る「一幸舎」など八つのラーメン店が期間中、男性客に限り、替え玉を無料にしたり、普通サイズの値段で大盛りラーメンを提供したりする。サービスは一人一回のみ。

 同スタジアムでは、二月十七日で一幸舎など四店が営業を終了。三月下旬から新たに「龍の家」(久留米)「拉麺劉」(熊本)「郷屋」(福岡)「気むずかし家」(長野)が入る予定。

 問い合わせは、キャナルシティ博多情報サービスセンター=092(282)2525。

20080125本紙掲載

2008年02月06日

日本対アジア イケ麺対決 見た目も中身も締まってます

 もうすぐバレンタインデー。「イケメン」のハートを狙って熱い闘いが始まるこの時期に、バナ天取材班が福岡市・天神で探し求めたのは「イケ麺(めん)」。日本とアジアの麺料理、どっちがイケてる? 三本勝負で比較しました。

 ●「見せる」料理 麺が飛んでく! 厨房はステージ
 まずは「ビジュアル系」対決。「見せる」麺料理とは?
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 「『麺が飛ぶ』料理はいかが?」と、福岡市中央区大名二丁目の「MARCO KITCHEN」のオーナー、林裕美さん(53)が紹介したのは、中国・西安などの名物料理「刀削麺(タオシャオメン)」。
 「シュッ、シュッ」。厨(ちゅう)房(ぼう)に目をやると、確かに麺が飛んでいる! コックの唐在飛(タンザイフィー)さん(30)が左手に抱えるのは長さ約三十センチの生地。右手に持ったへらのような手作りの道具で生地を削り、湯が煮えたぎる釜へ飛ばす。麺をゆで、海鮮スープと具をかけてできあがり。パフォーマンスとしても見応えがあり、特に子どもに人気という。
 対するは、「日本の麺」として独自の発展を遂げたラーメン。そのラーメンを作る様子を、階段状になった客席から見て楽しめるのが「麺劇場 玄瑛」(同区薬院二丁目)だ。
 「お客さんの表情を見たくてこういう店の造りにしたけど、やってみたら見られてると気付いた」と笑う店主の入江瑛起さん(35)。客席から身を乗り出す人もいて、まさに「キッチンステージ」状態。湯切りの作業一つにも気合が入る。もちろん、焼きアゴなどのだしをきかせたラーメンは舌でも楽しめます。

 ●ようじ立つ濃さ デザート麺か? 最後のシメは…
 続いては「濃い系」比較。
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 日本代表は、京都を本拠地とするラーメン店チェーン「天下一品(てんかいっぴん)」。博多駅前店(福岡市博多区博多駅前三丁目)の「ラーメン並・こってり」は濃厚なスープが特徴。何と、つまようじが立つ!
 濃厚スープの秘密はゼラチン質。鶏がらなどを長時間煮込んで作る。「ドロドロ」とも形容されるスープは、見た目の強烈さとは裏腹に臭みはないが、「福岡ではびっくりされることが多い」と吉野拓店長(47)。全国に約二百店を展開するチェーン店だが、九州では二店のみ。客の九割は、京都で学生時代を過ごした人など関西に縁のある人という。なお、鶏がらスープでのばした「あっさり」もある。
 アジア勢はベトナム生まれの米粉麺「フォー」を入れた「ピーナツバタースープ」。名前だけ聞くと、「濃い」というより甘そうだが…。
 このメニュー、アジアではなくアフリカ料理店「GURUPPACHI」(同市中央区薬院二丁目)が出している。料理長オセイ・ロビンソン・デリカさん(37)の祖国、ガーナのスープに、「麺好きの日本人向けにフォーを入れてみた」(妻の麻衣さん)という一品。無糖のピーナツバターやチキンなどを煮込んだスープはコクもしっかりあって、ほどよい辛さだ。
 最後はビシッと締めてくれる「イケ麺」を、ということで、お酒を飲んだ後の「しめ」にピッタリの麺料理が対決。
 アジアからは、韓国料理店「辛辛大名店」(同市中央区大名二丁目)の「ソルロンタン」。牛骨スープにそうめんとご飯が入る。「最後は麺もご飯も食べたい」という声に応える料理だ。「韓国の定番料理。辛いものが苦手な方に人気です」とスタッフの松本光博さん(26)。やさしい味は、同店名物の辛い料理を食べた後にもありがたい。
 一方、日本側は、同市中央区天神二丁目の居酒屋「ふとっぱら天神店」の「ラーソーメン」。博多ラーメンの細麺を軟らかめにゆでて冷水でしめ、ショウガを効かせたしょうゆだれにつけて食べる。つまり、そうめん感覚のラーメンだ。さっぱり味に「普通のラーメンより人気があります」(植原淳也店長)。一日百杯以上出ることもあるとか。
 下調べも含めて一週間、麺を食べ続け、おなかはまさに「ふとっぱら」。肝心の勝負は-。どれもおいしくて、わかりません、ごメンなさい…。 (中山幸、荻原昭男)

20080131本紙掲載

2008年02月12日

心もあったまるラーメン出前隊
「味千」40周年40カ所目訪問 熊本市の福祉施設

 熊本ラーメンの代表格、味千ラーメンの「出前隊」が九日、熊本市の福祉施設「慈愛園」を訪れ、同園で暮らす子供やお年寄りに出来たてのラーメンをふるまった。

 味千ラーメンをチェーン店展開する重光産業(熊本市、重光克昭社長)の創立四十周年に合わせたボランティア活動。昨年二月から熊本、長崎、大分各県の福祉施設への訪問を続け、この日で目標にしていた四十カ所目に到達した。

 重光社長ら「出前隊」スタッフ十三人がこんろなどの機材を同園に持ち込み、幼児からお年寄りまで約百人が集まった室内で豚骨ラーメンを調理。めんをゆがく湯気が部屋をぬくもらせ、中には「お代わり」と丼を差し出す食べ盛りの子供もいた。

20080210紙面掲載

2008年02月13日

ちゃんぽん道場経営も伝授 久留米市に開店
元ホテルシェフら営業しながら特訓

 飲食店開業を支援するユニークな飲食店「ちゃんぽんセンター」が1月19日、福岡県久留米市大石町にオープンする。店で働きながら飲食店経営のノウハウを学び、メニュー開発のアドバイスなどを受ける、いわば「ちゃんぽん道場」だ。経営者の飲食店コンサルタント会社社長、松尾英伸さん(42)は「久留米を活気づける起業家を育てたい」と意気込んでいる。

 同店は床面積約百平方メートルのうち三分の二が調理場という珍しい構造。店長の元ホテルシェフ古川賢さん(44)が客用のちゃんぽんを作り、「入門者」は手伝いをしながら、自らが新規開業する店のメニューを古川さんのアドバイスで開発したり、松尾さんから経営手法や接客時のマナー、クレーム処理法を学んだりする。

 メニュー開発にはフランス料理が専門の古川さんのほか、めん作り職人や和食専門の調理師なども講師として招く予定。

 「机上で理論を教えるのではなく、実際の現場で学んだ方がより身に付くはず」。飲食店出店を支援してきた松尾さんが、そんな思いから知人の古川さんに店長を頼み、開業を決めたという。

 当面はちゃんぽん店として軌道に乗せることに集中するが、今春にも入門者を受け入れる。入門期間は一-二カ月の予定で、入門料などは未定。松尾さんは「起業家の輪を広げ、地域活性化にも貢献したい」と話している。問い合わせは同店=0942(46)5570。

20080118紙面掲載

2008年02月29日

6カ国でチキンラーメン 日清食品 発売50年でご当地味

 日清食品は二十七日、世界初の即席めんとして知られるチキンラーメンの発売五十年を記念し、米国、中国など六カ国で各国オリジナルの味のチキンラーメンを三月から発売すると発表した。

 チキンラーメンは、同社創業者の故安藤百福氏が開発し、一九五八年に売り出して大ヒット。日清食品はオリジナルのチキンラーメンで、各国の消費者にアピールしたい考えだ。

 発売されるのは、米国、中国のほかにブラジル、ハンガリー、インドネシア、インド。それぞれの国で発売、日本での販売は予定されていない。

 米国版はめんにオニオンパウダーを練り込んだ。ブラジル版はチキンエキスの濃厚なスープが特徴。中国はゴマの風味が効いたスープの広東版と、めんに卵を練り込んだ香港版の二種類。

20080228朝刊掲載

2008年03月20日

「ラーチャン」新名物に 豚骨ラーメンとチャンポンが合体
創業55年の老舗が商品化 佐世保市のラーメン店

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 佐世保市下京町の老舗ラーメン店「大阪屋」が、福岡のラーメンと長崎のチャンポンの“いいとこ取り”をして合体させた「ラーチャン」を商品化した。どんぶりも地元の伝統工芸品「佐世保ごま」を模した波佐見焼の特注品を使うこだわりようで、佐世保バーガーに次ぐヒット商品になるか、期待されている。

 大阪屋は今年で創業五十五年。大阪出身の新郷謙次さん(86)が、朝鮮戦争の特需で活況を呈していた佐世保市に来て、ラーメンの屋台を引いたのが始まりという。二十年前、会社員から転職した三男悟さん(48)が引き継いだ。

 「老舗として、新たな佐世保名物を作り出したかった」と、悟さんは三年前から新名物の考案を始めた。従業員が食べていたまかない食の商品化を思い付き、豚骨スープを基に「企業秘密」という意外な食材も使って、ラーメンとチャンポンの風味を併せ持つ味噌(みそ)味と醤油(しょうゆ)味の二種類の特製スープを完成させた。

 麺(めん)は自家製のラーメン用縮れ麺を使う一方、具材は、ネギ、キャベツ、モヤシ、エビ、イカ、アサリ、豚肉などの地元産食材がチャンポンのように盛りだくさん。香りが引き立ち、彩りも鮮やかになるよう、真っ赤な糸切りトウガラシもまぶし、ラーメンでもチャンポンでもない新メニューが誕生した。

 どんぶりも「すぐ見て分かる佐世保名物」を念頭に「佐世保ごま」をイメージしたふた付きの器を波佐見町の正邦窯に特注した。試作を重ねた結果、赤や黄色、青、黒のストライプが同心円模様を描く器が完成。費用は普通のどんぶりの十倍以上もかかり「二十セットしかなく、割れたらどうしよう」(悟さん)という心配の種も生まれるほどの徹底ぶりだった。

 悟さんは「福岡と長崎のほぼ中間に位置する佐世保だからこその発想。佐世保バーガーに負けない名物にしていきたい」と意気込んでいる。一杯七百円。大阪屋=0956(22)6763。

20080303朝刊掲載

2008年04月16日

ラーメンTAIZO 丁寧な仕込みが決め手 福岡市博多区住吉

 独学で作り上げたラーメンが好評。「とんこつラーメン」のほか、自家製マー油をかけた「こってり黒ラーメン」(600円)などが人気だ。マー油はニンニクと数種類の野菜を焦がして作った香油。スープは豚の頭骨を約18時間煮込み、アクを丁寧に取り続けて昆布などをブレンド。臭みがなく、濃厚ながらマイルドな味わいだ。「仕込みに時間と手間をしっかりかけており、細めんも自家製です。

 お客さまに満足いただけるラーメンを提供したい」と店主の古賀泰三さん(43)。夜限定で「しょうゆラーメン」もある。

 福岡市博多区住吉4の28の1。電話092(474)8787。店休日不定。

20080416西日本スポーツ掲載

2008年04月23日

麺屋 岩田 ぶっかけうどんは絶品 福岡市博多区住吉


 弾力のある食感とツルッとしたのどごしの博多風さぬきうどんが評判。厳選した国産小麦粉のみを使う無添加の自家製麺(めん)で、お薦めは冷たい「ぶっかけうどん」。人気の「野菜天ぶっかけ」(550円)のほか数種類そろい、ボリュームも満点だ。「かけ汁は赤・白のワインと上質のみりんで甘味をつけ、熟成させて仕上げました。麺と絡み合う絶妙なおいしさをご賞味ください」と店主の岩田和男さん(60)。定食などもあり、夜はうどんだしをベースにした特製の「牛味噌もつ煮込みうどん鍋」も好評だ。

 福岡市博多区住吉3の14の6。電話092(263)4861。土曜定休。

20080423西日本スポーツ掲載

2008年05月23日

「原食堂」 心を込め熱々うどん

 かけうどんは一杯二百五十円。開店以来三十八年間変わらないのは味と価格、メニューだけではない。
 客が座れば、うまいうどんをさっと出す-。「原食堂」の原勇吉さん(77)の信条も、うどんと同じく熱々のままだ。
 原さんは元西鉄電車の運転士。十九歳で就職し北九州市で乗務していた。妻弘子さん(72)の古里である八女市に転居してからは、当時久留米-八女間を結んだ福島線に乗務。退職後の一九七一年に、妻の実家の果物店を継ぎ、食堂も併設した。
 そのころ土橋地区は最もにぎわっていた。周辺の林業は好景気にわき、「ミカン天国、ミカン御殿」と呼ばれるほど潤ったミカン農家らが毎週のように飲み歩き、最後は原さんの食堂に寄ってうどんをすすった。土橋で一箱ミカンを売れば、その代金で飲める時代だったという。
 夜は羽振りのいい客のおかげで、昼は食堂近くの待合所でバスを待つ会社員や学生らで店は繁盛した。食事をとる暇もないほど原さんは毎日、沸騰した大鍋の前で汗だくでめんをゆでた。一日に用意した約百食のめんが夜を待たず、売り切れることもあった。
 しかし昭和五十年代に入り客足が落ち始めた。林業やミカン栽培の好況は長く続かず、若者を中心に人口流出が続く。近くの繁華街も寂れ、自家用車の普及でバスの利用者もめっきり減った。
 十数年前までは、土橋で夏に「土橋夜市」があった。親子連れが浴衣姿でカラコロと、げた履きで店を訪れたのも懐かしい思い出だ。
 でも、原さんは寂しいとか不安だとは言わない。「ときどき同年代の常連客が『まだ店やってんの』とやって来たり、近所の方がおすそ分けがてら顔を見にくるんです」
 「街が寂れても人情は変わらず温かい。土橋を愛する人たちがいる限り大丈夫ですよ」
 そんな原さんが手渡す一杯のうどんは、客への感謝と土橋への愛着に満ちている。

20080516朝刊掲載

2008年06月02日

細めん、のどごしが魅力 うどん 杵むら

 昨年9月、警固にあった店を老朽化に伴い閉店し、4月28日に近くの薬院で再オープンした。築約70年の民家を利用していた前の店と同様、落ち着いて過ごせる店を意識。都会の騒がしさから離れられるよう、ビル2階に店を構えた。木を基調に装飾を抑えた店内に、テーブルとカウンターの15席ほどが並ぶ。

 おすすめは、前の店では冬季限定だった「ごま味噌(みそ)うどん」(800円)。年間を通して提供している。「カレー南蛮」(730円)も好評。いずれも、のどごしのよい細めんがだしや具とよく合っている。酒類と一品料理もあり、予約をすれば鴨鍋(2人前3600円から)も食べられる。

 営業は午前11時半-午後9時半。5月は無休で、6月から月曜定休。同店=092(714)2323。

(福岡市中央区薬院2‐14‐28)

20080524本紙掲載

2008年08月27日

「めんバーガー」店開き
行橋の新名物旧国道10号に販路拡大目指す

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 行橋市の新名物として一昨年誕生した「めんバーガー」の販路拡大と知名度アップを目指した、初の販売店が7月20日、同市大橋二丁目の旧国道10号沿いに開店した。

 福岡、北九州両市での車の移動販売やイベントの売り込みでは限界があり、「どこへ行けば買えるのか」との声も多く拠点を設けることにした。

 めんバーガーはハンバーガーのパンの部分をラーメンのめんでつくったもの。具が国産黒豚ばら肉のチャーシュー、ネギ、卵焼きのソース味と、鶏つくねに辛子めんたいこ、卵焼きのとんこつ塩味の二種類を販売している。直径八・五センチ、各三百円。

 考案した会社社長の定石光治さん(49)はNPO法人を立ち上げ京築の活性化に取り組んでおり、「博多の二大名物ラーメンとめんたいこを具に使い、全国に発信して行橋の町おこしに貢献できるようにしたい」と意欲を語った。

20080721本紙掲載

2008年09月09日

ラーメン用小麦においしそうな名前つけて
福岡県愛称募集

 福岡県は、国内で初めて開発したラーメン専用の小麦に親しんでもらおうと、県内外から愛称を募集する。麻生渡知事も「県特産のイチゴ『あまおう』のように、なじみやすく、おいしそうな名前を」と、新しい品種の普及に期待している。

 全国二位の小麦の生産量を誇り、有数のラーメン激戦地としても知られる同県だが、めんの材料に使われる小麦は大半が外国産だった。そこで、同県農業総合試験場(筑紫野市)が二〇〇四年度から開発に着手。約四年かけ、めんにしたときの色が明るく、こしが強い上に、ゆでてものびにくいというラーメンにぴったりの品種ができた。

 愛称採用者には、同県内の主なラーメン店で使える三万円相当の食事券などが贈られる。

 はがきに、愛称▽名付けた理由▽郵便番号▽住所▽氏名▽電話番号を明記して、〒812-8577 福岡市博多区東公園7ノ7 県庁内郵便局留置 「ラーメン用小麦普及促進戦略会議事務局」まで。ネットでも応募できる。締め切りは今月三十日(消印有効)。同事務局=092(643)3473。

20080904本紙掲載

2008年09月10日

「発祥の地」舞台 うどん戦争熱く
「讃岐」「稲庭」名店が進出

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 うどん発祥の地ともされる福岡市で、天神地区が全国の有名うどんが次々参入する“うどん激戦地”となっている。ここ数年で、全国的なブームを巻き起こした讃岐うどん(香川)や、上品なのど越しが人気の稲庭うどん(秋田)の名店が次々開店。地元勢も巻き込み、熱い戦いが繰り広げられている。

 二年前に開店した「福岡麺通団」(福岡市中央区渡辺通四丁目)。コシのある太めんに、濃厚なつゆをかけて食べる讃岐うどんが五百円前後で味わえるとあって、店内は学生やサラリーマンでいつも大にぎわいだ。

 のど越しのいい稲庭うどんが味わえるのは、博多大丸(同市中央区天神一丁目)の「七代佐藤養助福岡天神店」。売りは丁寧に作られた手作りの細めん。猛暑が続くこの時期、キノコや山菜、エビなど十五種類の具が盛りだくさんの冷やしうどん「ちらし」(千二百六十円)が人気という。

 両店に共通するのは、うどん発祥の地とされる福岡への熱い思い。七年前、秋田県外に初めて進出したという七代佐藤養助の北村豊子店長は「うどん屋としては、福岡に支店を開くのは特別な決意がある」。東京、名古屋に次いで出店した福岡麺通団も「福岡はうどんの始まりの地でラーメンもうまく、客の舌も肥えている。ここで成功すればどこでもやっていけると思った」と語る。

 迎え撃つ博多の名店「かろのうろん」(同市博多区上川端町)はかけうどん三百七十円と庶民の味方。三代目の瓜生呼希允(あきちか)さん(65)は「薄めのすめ(ダシ)とめんを一緒にすする博多うどんの伝統を頑固に守りたい」。

 名物うどんが天神でひしめく状況について、福岡県内外で百十五のうどん店を展開するウエスト企画室は「早く、安く、おいしいうどんは今の世の中の流れに合っている。各店で競いながらファンを増やしていきたい」と商魂たくましい。 (写真説明:「15種類ほどの具が入った冷たいうどんが人気です」と話す七代佐藤養助福岡天神店の北村豊子店長)

20080828本紙掲載

夏には“うどんサラダ” 久留米市朝妻町 「蔵屋」

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 久留米市大手町から二月に移転した「蔵屋」(久留米市朝妻町)。お品書きには通常メニューのほかに「ミートソースうどん」や「ナポリタンうどん」など、一風変わった名前が並んでいます。

 店主の倉重博幸さんは、手打ちうどんとそばの店を始めて約二十年。八女市上陽町のわき水を使い、毎日打ちたてのめんを用意しています。洋食の料理人としてスタートした経験を生かしたいと一念発起し、新たな場所で創作うどんを始めました。

 夏にぴったりな「うどんサラダ」(五百五十円)は、うどんにドレッシングが絡む、洋と和のコラボレーション。これが不思議と合うのです。

 営業は午前十一時から午後九時まで(同八時半オーダーストップ)。火曜定休。電話0942(43)1919。

 〈メニュー〉うどんに小ごはん、日替わりのおかず一品、小鉢、漬物が付く昼の「日替わりうどん定食」六百円(そば・六百三十円)。ミートソースうどん六百円、和風ちゃんぽん「うどんちゃん」六百円など。

20080801本紙掲載

2008年09月11日

連載「海峡の未来へ 新たな関門連携」より
市民 活性化担い動き出す―

 「いらっしゃい、おいしいですよ」。今月二日、門司港レトロ地区に女子高生の売り子の声が響いた。出店に並ぶ商品は「ふぐ麺(めん)ラーメン福岡とんこつ味」。下関のフグの骨粉入り乾めんと福岡の豚骨スープで作るラーメンだ。「下関と福岡の名物を一つにしました。関門の新名物にしたい」。考案した下関商業高商業研究部長の三村康子さん(18)が声を弾ませた。

 ■完売を目指す
 商品の企画や販売を実地に学ぶ研究部。「関門をテーマに商品ができないか」。顧問の清水純一教諭(33)が生徒に持ち掛けたのが、ラーメン誕生のきっかけだった。
 「関門は生徒たちにも身近なエリア。ラーメンで地域活性化のお手伝いができれば」と清水教諭。ラーメンの愛称は「関門スペシャルかけ橋ラーメン」。門司港では用意した五十個が完売した。
 九日にはJR下関駅前でラーメンを売る。地元特産のフグの骨粉入りを強調し、観光客にアピールする。門司港レトロの実績に劣らぬよう、五十個完売を目指す。
 魚の風味が漂うめんとこってりしたスープ。高校生たちはラーメンを「関門グルメのブランドに育てたい」と張り切っている。

 ■海峡ブランド
 関門海峡そのものを全国の「ブランド」にしようと、動きだしたグループもある。昨年発足した「関門地域ブランド化研究会」。メンバーは北九州、下関市のまちづくり団体や商業施設の関係者、行政マンら十六人だ。
 座長の秋武政道さん(47)は門司港で「バナナマン」に扮(ふん)して、レトロ地区の活性化に汗を流してきた。年間約二百十五万人の観光客が訪れるレトロ地区だが、二〇〇三年の二百五十五万人をピークにここ数年の集客は伸び悩んでいる。
 それを肌で感じる秋武さんは言う。「門司港レトロもやがては廃れる。だが、関門海峡は五十年、百年先もある。だから今のうちに、海峡をブランドにしておきたい」
 秋武さんはまず、関門海峡の特色や名物を全国の人に知ってもらおうと、ご当地検定「関門検定」を企画。まだ構想段階だが、両市やまちづくり団体に呼びかけ、準備を本格化させる。

 ■商店街同士も
 「ブランドもまちづくりも、これからは関門の時代」と話すのはブランド化研究会のメンバーで、関門地域で商店街活性化のアドバイザーをしている逆井(さかさい)健さん(42)だ。
 商店街同士でも関門の連携は「にぎわいづくりの鍵になる」と考える逆井さん。今年でともに創業半世紀を迎えた門司区の中央市場と下関市の長府商店街で「姉妹縁組」ができないかと話を進めている。商店主たちの交流から活性化のアイデアを生み出すのが狙いだ。
 民間での関門連携は着実に進んでいる。北九州、下関両市のホテルや飲食店など四十四施設は浴衣姿で訪れた客に、飲食代を割り引くキャンペーンを昨夏から実施。両市の青年会議所は特産品を互いのイベントに持ち寄り、PRしている。
 海峡を越えて連携を深める市民の活動が、関門に新たな魅力をつくり出そうとしている。

20080809本紙掲載

2008年10月01日

玉名ラーメン 食べ尽くせ
スタンプラリーで16店と2温泉巡れば「完全制覇」

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 玉名ラーメンを食べ尽くす「第三回玉名ラーメンと温泉めぐりスタンプラリー」が九月二十七日、玉名市内のラーメン十六店などで始まる。新たに各店で使用できる木製の「ラーメン手形」を三百枚限定で販売。独特の濃厚な豚骨スープとともに、“食欲の秋”を盛り上げる。十一月三十日まで。

 熊本ラーメンの元祖とされる“ご当地の味”をPRしようと、玉名ラーメン協議会や市でつくる実行委員会が主催。参加十六店すべてのラーメンを食べ、温泉施設二カ所を巡る「完全制覇」や、五店と温泉一施設のみの「お気軽参加」など三コースがあり、達成者には特製丼やラーメン券などの商品をプレゼントする。

 「ラーメン手形」はうちわ型のユニークなデザインで、ラリー参加店の名前を記した十六枚の“食券”付き。各店と玉名観光協会で八千円で販売され、全店を巡れば六百三十円分の割安となる仕組み。

 二十七日には、玉名市役所前でオープニングイベントを実施。公募した「玉名ラーメン音頭」を保育園児が踊り、一杯五十円の屋台ラーメン(限定三十杯)を売り出す。同実行委=0968(72)5313。(写真説明:新登場の「玉名ラーメン手形」。うちわに張られている円形の木片が〝食券〟になる)

20080927本紙掲載

2008年11月06日

具だくさんのラーメン 久留米市通東町 「麺屋 中る」

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 「麺屋中(めんやあた)る」(久留米市通東町)は豚骨やしょうゆのほか、魚介スープと豚背脂を合わせた“重ねスープ”の三種類の味のラーメンが楽しめます。店名はハートに矢を射た形に由来し、中心となって西鉄久留米駅周辺を盛り上げたいという熱い思いも含まれます。

 「今以上の味を」と毎日研究を重ね、三月にテレビ番組の視聴者投票で九州ラーメントップ五十の十九位に選ばれたこともあり、ファンを増やしています。

 あっさりだけどコクがある「醤油ラーメン」(六百三十円)は魚介スープと地元しょうゆ数種を使い、めんは平打ちめん。自家製チャーシュー、煮卵、揚げ浸しのナスビ、白髪ネギなど具だくさんです。

 営業は午前十一時半から午前零時まで。不定休。電話0942(37)9011。

 〈メニュー〉豚骨ラーメン五百三十円。ギョーザ四百円。替え玉百五十円。ギョーザや味飯、豚しゃぶ丼とのお得なセットも。自家製デザートはもっちり杏仁、プリン、アイスが各二百八十円。

20081031本紙掲載

若者に仕事を警官OB一肌 元田川署員の藤川さん
苅田町に28日開店 退職金使いラーメン店

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 今年3月に福岡県警を定年退職した藤川秀人さん(60)=北九州市小倉南区朽網東五丁目=が10月28日、同県苅田町神田(じんでん)町1丁目にラーメン店「一燈(いっとう)」を開店する。退職前の田川署員時代、仕事がないと悩む若者の相談を受けたのがきっかけで「雇用の場をつくろう」と一念発起。熱い思いに知人たちも協力した。藤川さんは「店を軌道に乗せて多くの若者を雇いたい」と夢を描いている。

 藤川さんは2006年4月から退職するまでの2年間、田川署総務課で若者の立ち直りを支援する相談係を担当した。「働きたいが場所がない」「生活保護を受けないで自立したい」。苦悩を語る若者に地元雇用の場は乏しく、藤川さんは「この子たちには、生活するために仕事が必要だ」と悶々(もんもん)としていた。

 藤川さんは、退職後の人生設計に飲食店経営を考えていた。そこで決断し、北九州市でラーメン店「東龍軒」を展開する知人の高尾東さん(39)、純子さん(40)夫妻に相談。スープの作り方などを一から教わった。豚骨を3日間煮込んで取るスープはラーメンの命。納得できるスープを作るまでに約一カ月かかった。

 当初は反対だった妻眞弓さん(57)も、親せきが経営する同市門司区の製めん所を紹介して支えてくれた。退職金の多くは店の改装費など開店資金に消えた。開店が近づき、かつて同署で相談を受けた若者たち四人をアルバイトに採用した。

 メニューは、とんこつラーメン(600円)やチャーシューめん(700円)など六種類。あっさりとしながらもこくのある味が特長だ。店内は約二十席。店名は「世の中の隅を照らす」という意味を込めて命名した。

 「これで胸のつっかえが少しは解消された」。開店準備の忙しさの中にも安どの表情を見せる藤川さん。「すべては協力してくれた知人のおかげ。感謝の気持ちを忘れずに経営したい」と話している。

20081017夕刊掲載

2010年01月18日

来来軒 純豚骨こだわり半世紀


 車がひっきりなしに行き交う神埼市神埼町の国道34号沿い。市役所や郵便局などが立ち並ぶ通りに赤いのれんを下げた民家風の「来来軒」はひっそりとたたずむ。

 創業は1961年。国道ができた直後で、周りは田んぼだった。「誰も車なんて持っとらん。1時間に1、2台しか通らんかった」。8人掛けのカウンター席しかない店内で貞島常男さん(73)はそう懐かしむ。

 貞島さんは福岡県田主丸町(現久留米市)生まれ。15歳で働き始め、馬の売買で北海道に渡ったりと各地を転々。25歳の時、結婚を機に妻宣子さん(67)の実家がある神埼町に移り住み、自宅横で来来軒を始めた。ラーメンは一杯50円のぜいたく品だったが、町内に二つあった映画館の帰りの客でにぎわった。2人でお金を出し合って一杯すする高校生もいた。

 本来、全くの素人だったが、当時少なかったラーメン店を食べ歩き、4年間の試行錯誤の末、今の味に近づいた。「ラーメンが好きだっただけ。一つのことに熱中する性格でね」と貞島さんは笑う。

 味わいは純豚骨で野菜は一切使わない。やさしい味ながら、豚骨の風味が鼻を抜ける。火加減に気を使い、1日かけてスープをたくことで雑味を抑えている。スープの独特の透明感は、しょうゆではなく、自家製塩だれを使うためだ。

 開業から半世紀。外食産業花盛りの今、付近にはチェーン店も進出してきた。商売は楽ではないが、親子2代で通い続けてくれる客もいる。

 「この味はずっと愛されると信じている」。貞島さんの言葉にはラーメンと同様、人生の深みがある。

    ◇   ◇

 博多、長浜、久留米に熊本…。今、B級グルメとしてご当地ラーメンが脚光を浴びている。風土や産物が凝縮したその一杯は、地域の食文化そのものとも言える。全国的には無名ながら、しみじみとした味わいでファン層を広げつつある佐賀ラーメン。佐賀市近郊の店を随時紹介する。

    ×      ×

 ●メモ
 ラーメン500円、いなりずし70円。不定休(年間10日程度)。営業時間は午前11時半―午前0時。電話番号=0952(52)4890。 
 佐賀県神埼市神埼町田道ケ里2276

=2010/01/18 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=

2010年01月25日

三九(さんきゅう) 「白濁豚骨のルーツ」

 「白濁豚骨ラーメンはこの店が発祥よ」

 今では、多くの店で食べられる白濁したスープの豚骨ラーメン。そのルーツが佐賀市中心部に店を構える老舗「三九」という。店主の四ケ所日出光さん(81)はこう続ける。「もともとは失敗作だった」

 三九は、戦後すぐに西鉄久留米駅(福岡県久留米市)前で開業した屋台が前身。当時の豚骨スープはちょっと煮る程度で透明感があった。ある日の仕込み中、初代店主の杉野勝見さん(82)=北九州市=は母親に火加減を任せて肉の仕入れに行った。帰宅すると、鍋はグツグツ、スープは白く濁っていた。試しに飲むと意外においしく、客に出すようになったという。

 当時、四ケ所さんは駅前で飲み屋をしていたが、立ち退きを迫られた。知人だった杉野さんが屋台を畳むのを知り、1950年に引き継いだ。売り物の白濁スープはあくを取ったりと改良を重ねた。徐々に人気も出て、一日500杯を売り上げるようになる。八女市と熊本県玉名市にも支店を出し、現在の熊本ラーメンのルーツにもなった。

 四ケ所さんは、結婚を機に支店を他人に譲る。屋台も畳み、56年に今の場所に店を移した。昼は官公庁職員、夜は酔客でにぎわった。

 ラーメン一筋60年の四ケ所さんから差し出された一杯をすする。あっさりした中にも豚骨の風味がしっかり。自家製の平べったいめんにはコシがあり、かんすい独特の臭みもない。

 久留米発祥ながら、半世紀以上にわたり佐賀の人に愛されてきた味。四ケ所さんは「これが佐賀ラーメンと言うならそうなのかも」と照れ笑いを浮かべた。 

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 ●メモ
 ラーメン550円、卵入りラーメン600円、ラーメン定食(ギョーザ5個、おにぎり付き)800円。営業時間は午前11時半―午後10時。年中無休。電話番号=0952(23)5840。
 佐賀県佐賀市中の小路4―24

=2010/01/25 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=

2010年02月01日

うどんの佐賀県 うどん店自慢のラーメン


 店の名前は「うどんの佐賀県」。しかし、普通のうどん店ではない。チャンポン、カツ丼、焼き肉、野菜いためにラーメン-。壁一面に張られているメニューはうどん以外の方が多い。店主の竹林イワコさん(74)は「一番多く出るのはラーメンですかね」と笑う。

 同店は1976年、竹林さんと夫の広海(ひろみ)さん(享年68)の夫婦で始めた。直前まで大阪府内のうどん店で働いていたイワコさんが作るかつおだしの関西風うどんが売りで、メニューはうどんだけだった。店名は「一度聞いたら忘れん名前を」と広海さんが名付けた。

 店は工業団地の近くに立地。オープン当初から工場で働く人でにぎわった。開業から数年たったころ、「毎日来るお客さんを飽きさせないように」とメニューを増やし始めた。ラーメンは、広海さんの弟でラーメン店「幸龍」=神埼市=を営む龍水(たつみ)さん(72)から習った。98年に広海さんが他界してからは次男の晃さん(49)と2人で店を切り盛りしている。

 スープに使うのは豚の頭の骨と背脂のみ。強く炊くと濁ってしまうため、濁らせないように火加減を調節しながら約8時間煮込む。とろみがかったスープの口当たりはやさしいが、後味として豚骨の風味をしっかりと感じられる。

 「工場の人はおなかすかせとる。大盛りにせろ」。広海さんが口を酸っぱくして言っていたという。
 1番人気のラーメンセットにはご飯とコロッケ。そのご飯は常に大盛りだ。広海さんの思いはしっかりと受け継がれている。

 「これだけのお金を頂いてるんで」と口をそろえる2人。町の食堂として長年親しまれてきた理由が分かった気がした。

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 ●メモ
 ラーメン430円、ラーメンセット(ご飯、コロッケ付き)575円、ラーメンAセット(ミニ焼き飯付き)735円。営業時間は午前11時半―午後8時。定休日は日曜。電話番号=0952(30)0246。
 佐賀県佐賀市高木瀬西5丁目14-4

=2010/02/01 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=

2010年02月15日

一休軒本店 「受け継がれる伝統の味」


 「ここのがいっちゃんうまかっちゅうのは、だいでん知っとる」
 佐嘉神社前にある一休軒本店。40年前から通い始め、今でも2日に1回は来るという小学校教諭の立石康さん(60)は丼を空にした。そしてこう続けた。

 「お父さんの味が立派に残っとる」

 同店は、現在の店主大串博さん(62)の父進さん(87)が約50年前に創業した。当時、近くで屋台をしていた進さんだったが、現在の店舗が空いたことを知って一念発起。当時はまだ珍しかったラーメン店を始めた。といっても屋台で出していたのはうどんとおでんのみ。ラーメンの作り方は、既に営業していた老舗「三九」(佐賀市中の小路)の元従業員から教わった。

 街中が人であふれ返っていた当時、一休軒も三九同様にすぐに人気が出た。4、5人の従業員を雇い入れ、午前2時まで営業。店に入れない客は路上の机でラーメンを食べたという。

 博さんは20歳での結婚を機に、店を手伝うようになった。ただ、父親からの直接の指導はない。めんの湯切りやスープづくりは、見よう見まねで習得した。

 羽釜(はがま)には長時間強火で炊き続けた乳白色の豚骨スープ。丼に注ぐとスープは泡立って、食欲をそそる。一見濃厚そうだが味わいは意外にあっさり。これぞ佐賀のラーメンだ。

 本店で修業して巣立ったラーメン店もある。1980年には、博さんのいとこ本村敏光さん(67)が佐賀市鍋島町に「一休軒鍋島店」を開業。その5年後には弟の高志さん(58)も同市若楠に「一休軒さがラーメン」を開業した。それぞれの店が個性をはぐくみつつ、一休軒の伝統はしっかりと残っている。

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 ●メモ
 ラーメン550円、卵入りラーメン600円、大盛りラーメン700円、おにぎり(2個)200円。定休日は月曜。営業時間は午前11時―午後9時。電話番号=0952(26)5226。
 佐賀県佐賀市松原3-2-2

=2010/02/15 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=

2010年02月22日

宝来軒 客との会話生きがいに


 薄く切られたチャーシューが4枚。のりとネギ、紅しょうがが添えられた丼を持ち上げてスープを一口すする。甘みがあるが、豚骨のみを15時間以上煮込んだという割には意外にあっさり。ラードをほとんど使わないためか油分も少ない。店主の原田満洲国さん(77)は「濃くならないように火加減に気を使っています」と話す。

 宝来軒の前身は神埼町内で一番古いラーメン店(1954年開業)。福岡県久留米市で修業したという先代が作るラーメンが人気だった。当時、原田さんは宝来軒横の自宅でアイスキャンデー店を営んでいたが、冬は商売が成り立たず悩んでいた。その時、先代が都合で長崎県へ引っ越すことを知り、思い切って頼んだ。「宝来軒を継がせてくれんね」。快く了解してもらえた。64年のことだった。

 妻の康子さん(72)と一緒に先代からラーメンづくりを教わった。めん上げはタオルを載せて練習。スープも言われた通りに作り、アイスキャンデーとラーメンの両方を出す店として出発した。「運が良いんです」と言う原田さん。先代の常連客もそのまま引き継いで繁盛した。数年後の店の改築を機に、アイスキャンデーは止めた。ただ、開業から46年間、毎日スープを継ぎ足しているという鍋の火が消えた日はない。

 平日の夕方、常連客がお酒を飲みつつ、ラーメンをすすっていた。その横には、カウンターに腰掛けて楽しそうに話をする原田さんの姿があった。77歳になった今でも午前2時まで店を開ける原田さん。「お客さんとの会話が生きがい。きつくなんかない」と笑みを見せながらこう続けた。
 「それもおいしいラーメンがあってこそです」

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 ●メモ
 ラーメン500円、チャーシューメン650円、おでん110円、焼き鳥100円。営業時間は午前11時―翌午前2時。不定休(年間5日程度)。電話番号=0952(52)2460。
 佐賀県神埼市神埼町神埼75

=2010/02/22 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=

2010年03月08日

大臣閣 直球勝負こってり豚骨


 茶褐色のスープには大量の泡が浮く。見るからに濃そうだ。一口すすると予想は的中した。武骨ながら直球勝負のこってり豚骨味。あっさり味が多い佐賀のラーメンとは一線を画しつつ、元だれは控えめで佐賀っぽさも残す。福岡県との県境に位置する場所柄を表すかのようなラーメンだ。

 角ばった中太めんはとろみがあるスープと良く絡む。一気に食べ干すと、丼の底に大量の骨髄が現れた。豚骨を強火で10時間以上ぼろぼろになるまで炊き続けた証しに、店主の梶田大蔵さん(45)は「自分はこってりしたのが好いとっけんですね、濃さで勝負したいんです」と言う。

 ラーメン店を始めたのは父義弘さん=享年(75)。ラーメン好きが高じて1962年に開業した。作り方は独学。当時からこってり豚骨が自慢で、土木作業員や木工所関係者でにぎわった。小さいころからラーメンを作る父親の姿を見ていた梶田さんも、高校卒業後に厨房(ちゅうぼう)に入った。

 程なくして仕込みを任されるようになったが、基本の“こってり”は引き継いだ。ただ、作り手が変われば味も変わる。「昔はもっと脂っぽかった。今は自分好みのこってりです」と梶田さんは胸を張る。現在は、母と妹の3人で店を切り盛り。福岡、長崎、大分など県外からの客も増えているという。

 ラーメン作りは重労働でもある。強火で炊くスープは、目を離すと焦げてしまう。スープが足りず、夜中に仕込むこともしばしばという。それでも、「一から十まで手は抜きません。雑に作ると味に反映されるから」と話す梶田さん。ラーメンに対する思いも武骨ながら真っすぐに感じた。
 
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 ●メモ
 ラーメン500円、ホルモン400円、豚焼き肉550円、ごはん(並)150円。営業時間は午前11時半―午後11時半。不定休(年間5日程度)。電話番号=0952(47)2121。
 佐賀県佐賀市諸富町諸富津138-9

=2010/03/08 西日本新聞佐賀版 「佐賀市近郊ラーメン紀行」掲載=