西日本新聞

2007年07月09日

<5>地位向上 丁寧なうどん目指し

0709_01.jpg うどん-。それは、博多発祥のジャパニーズ・ファストフード。「唄(うた)う!手打ちうどん 稲穂」なるユニークな屋号の店を構える岡崎健一郎さん(34)は、うどんの地位向上を志している。

 「同じめんなのに、そばやラーメンに比べて、うどんってあまりにも軽く思われている気がするんです」

 古くから大陸文化の玄関口として栄えてきた福岡市。博多区の承天寺には「うどん発祥の地」の碑が残る。ゆで置きの柔らかいうどんを手早く温め直し、温かいかけ汁でささっと食べる。その手軽さが、博多うどん流の魅力ではある。が、岡崎さんは、丁寧なうどん作りにこだわる。

 学校卒業後、しばらく居酒屋で働いた。「手に職を持ちたい」と、26歳のとき一念発起。香川県内の讃岐うどん店で修行した。福岡へ戻って会社勤めで開店資金をためながら、独学でうどん作りを研究してきた。

0709_02.jpg めん作りはすべての工程が手作業だ。使う粉は北海道産。手作業で生地を練ることで水分を多めに保ち、生地のモチモチ感を出す。温度管理にも細心の注意を払う。「帯打ち」という手法でうどんを延ばし、やはり手作業で切りそろえる。
 
 だしも個性的である。一般的な昆布やかつお節だけでなく、中華料理の食材として知られる干し貝柱を使っている。
 
 「具うどんもいいですが、かけうどんを大切にしたいんです。うどん作りの良しあしがストレートに味に出るメニューですから」。そのめんは、唇をこするつやっぽい触感が特徴。にっちりとしたコシとヒキ。鼻へと抜ける小麦粉の風味がほんのり香る。
 
 博多うどんでも、讃岐うどんでもない独自のうどんを作りたい。さらなる味わいを目指して、岡崎さんの精進は続く。 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間500杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/) 

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▼唄う!手打ちうどん 稲穂 福岡市早良区野芥3丁目。電話=092(873)0086。定休は木曜と最終週の水曜。写真は「ひやかけうどん」(450円)