<4>交流拠点 多彩さが筑豊の魅力
県中心部に位置する筑豊地域。江戸時代は長崎街道の宿場町として、近代は石炭の産地として、さまざまな人や物資が行き交った交流拠点は、ラーメン文化も実に多彩。地元の店ではいろんなタイプの味が楽しめる。
「竜園」(飯塚市)の一番人気は横浜市のご当地めん「サンマーメン」だ。太モヤシやキクラゲ、豚肉、イカなどの具をいため、かたくり粉のあんでとじて、しょうゆ味のラーメンに載せる。トロンと柔らかなあんとパリッと弾けるモヤシの食感のコントラストがなんとも楽しい。
店主の佐々木治義さん(57)は同市生まれ。二十二歳から十六年間、兄と二人で中華料理店を営んだ。三十八歳のとき義父を亡くし、独りになった義母の面倒をみようと飯塚へ移った。
九州といえば豚骨ラーメン。いろんな店を食べ歩いて作り方を研究。豚骨、しょうゆ、塩、みその四種類を出す店を開いた。「ところが、いざ店を開けると、豚骨よりしょうゆの方がよく出たんですよ。
横浜で培った自分の味が飯塚の人々に認められた気がしてうれしかったですねぇ」
JR飯塚駅前に出した店が大繁盛、九年前に現在の場所へ移転した。肉と野菜入りのこってりラーメン「肉ソバ」や、甘みそしょうゆ味のピリ辛めん「辣辣麺(ラーラーメン)」など、さまざまななめん料理を提供する。
「ポンポン亭本店」(嘉麻市)は豚骨、和風、塩、しょうゆ、みそ、カレーと七種類ものラーメンを提供。店主の大脇良隆さん(58)が、二種類のみそを一時間練り合わせて作るみそラーメンはコクのあるうま味と、さっぱり後味が人気だ。
人の行き交うところに多彩な食文化が根付く。バラエティー豊かな味に出会える筑豊ラーメン巡りはいかが。 (升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/)
◇ ◇
▼ラーメンと餃子の店 竜園 飯塚市若菜。火曜と第三月曜が定休。
▼ポンポン亭本店 嘉麻市岩崎。電話=0948(43)1579。月曜定休。



うどん-。それは、博多発祥のジャパニーズ・ファストフード。「唄(うた)う!手打ちうどん 稲穂」なるユニークな屋号の店を構える岡崎健一郎さん(34)は、うどんの地位向上を志している。
めん作りはすべての工程が手作業だ。使う粉は北海道産。手作業で生地を練ることで水分を多めに保ち、生地のモチモチ感を出す。温度管理にも細心の注意を払う。「帯打ち」という手法でうどんを延ばし、やはり手作業で切りそろえる。
豚骨ラーメンは「常食性」が高いというか、いわゆる「ハマる」めん料理だと思う。ふと食べたくなると、いても立ってもいられなくなる。
あるとき、師匠とラーメンを作り比べた。同じスープを使っても全く味が違う。なぜか? スープを丼に注ぐ際、釜のどの部分からどのくらいの量をすくうかで味が決まるからだ…。