<2>豊前裏打会 讃岐超す食感を追求
するすると口に収まり、もっちりと粘るコシ、ぷるんっと解けるヒキ。独特の食感がナンとも極楽な細めんの色白創作うどんと、扇子のように盛られた大ぶりのゴボウ天。北九州の「ご当地めん」となりつつある豊前裏打会(ぶぜんうらうちかい)のトレードマークである。
「あの当時のお客さんは災難だったでしょうねぇ。だって、毎日味の違ううどんを出していたんですから」
豊前裏打会の中心は「津田屋官兵衛」の店主、横山和弘さん(59)。二十四年前、義兄の誘いに乗って脱サラし、うどん屋を始めた。週末ごとに讃岐(香川県)へ出掛け、うどんを食べ歩き、店主の話を聞き、仕事ぶりを見学。七年後、すべて独学で学んだうどん作りが一段落し、店に客がつき始めたとき、知人に紹介された大分市の創作うどん屋で衝撃を受けた。
「うまい…。なんだ?まるでもちのようなこの食感は」。未体験の食感を超える個性あふれるめんを作りたい。新たな挑戦が始まった。
まずは、うどんの原料である小麦粉の研究。うま味成分であるでんぷんとコシを決めるグルテンの質と比率が味の要。さらに、生地を練る塩水の濃度や、できた生地の熟成温度と時間。さまざまな粉をブレンドし、試作に明け暮れること一年。ようやく大分市の店を超えるうどんが完成した。
それから十年、個性的なうどんは着々とファンを増やした。津田屋官兵衛で修業、独立した九店舗と「豊前裏打会」を結成。豊前・北九州発のうどん食文化作りを目指す。
「裏」には「表」の本流である讃岐うどんに対抗する気持ちを込めた。国内産小麦を使った色黒のうどんや、中華めんのような食感を意識した極細うどんなど、さらなる個性派うどんの開発にも余念がない。横山さんのめん作りに「完了」の二文字はないようだ。
(升谷知夫・株式会社バフ映像プロデューサー 年間五百杯のめんを食べ、その感想をブログで公開中。アドレス=http://heno.biz/blog/)
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▼津田屋官兵衛 北九州市小倉南区津田新町。写真は「ごぼうおろしぶっかけ」(六百七十円)。電話=093(475)7543。定休は日曜と第一月曜。



