―公開中の映画「BECK」で、主人公のコユキを演じています。コユキの第一印象は?
佐藤 出演が決まって原作の漫画を読みました。自分が演じる姿を想像しながら読んだんですが、すぐにイメージがわいたというか、自分の中にすんなり入ってきたんです。だから変な心配もなく、すっと撮影に入っていけました。
―自分の中にあった「コユキ的」なものが、好演につながったのでは。
佐藤 どうなんでしょう。人ってひとことで表せないじゃないですか。漫画のキャラクターを演じるとき、コユキが努力家で自分も努力家だから性格が合って演技が合うってことはないし。もっとぼんやりした、その人間のイメージや雰囲気があって、それを自分のものすることが大事だと思います。
―コユキはバンド「BECK」のボーカル兼ギタリスト。ギターの経験は?
佐藤 これが初めて。最初はどうやっていいのか、何一つ分かりませんでした。ただ弾くだけなら練習で何とかなるんでしょうが、撮影では実際にステージでライブ演奏します。そんな立ち姿が思い浮かびませんでした。
―練習は?
佐藤 時間がなかなか取れなかったんですが、毎日欠かさずギターに触れることが大切だって教えられて。やってるときは時間を忘れてやってました。家を出るときギターを抱えて現場に向かうんですけど、持ち歩いているうちにギターが自分のものになったような気がします。
―映画ではライブシーンが重要なポイントとなっています。
佐藤 最初は自分のことで精いっぱいで、周りが見えませんでした。でも落ち着いてくると、みんなすごくうまくなっていくのが分かって、桐谷(健太)さんのラップもすごかったし。最後の野外ライブは気持ち良かったですね。リアルなバンドだからできた映画だと思います。ライブシーンを撮ると、みんなとの距離が一気に縮まって、つながって。バンド独特の人間関係が築けたようです。
―完成した映画を見て今、感じることは?
佐藤 やっぱコユキだわ、って。原作を読んでいるうちに、無意識に作り出したコユキのイメージを自然と演じられていました。僕の中のコユキがちゃんとスクリーンの中にいました。
―もしバンドを作るなら、担当はギター?
佐藤 そうですね。今から別の楽器を始めるのは大変そうだし。うまくなったら、本物の夏フェスにマジで出られるんじゃないかなって、一瞬思います。映画でももう一度バンドものをやってみたい。今度はもっとボーカルで、もっとロックっぽいものを。「BECK」に出演した経験を、次に生かしたいです。
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佐藤健(さとう・たける)さんは1989年生まれ、さいたま市出身。主な出演作はNHK大河ドラマ「龍馬伝」、映画「ROOKIES-卒業-」。映画「BECK」は仲間とバンドを組んだ若者たちがさまざまな試練に立ち向かい、奮闘する姿を描く。共演は水嶋ヒロさん、向井理さん、忽那汐里さんほか。
=2010/09/05付 西日本新聞朝刊=