―スタジオジブリの最新映画「借りぐらしのアリエッティ」で、主人公アリエッティと心を通わす12歳の翔の声を担当しています。
神木 ジブリさんで声優を務めるのは3作目です。ちょうど声変わりの時期にジブリ作品に出合うみたいです。8歳のとき「千と千尋の神隠し」、11歳のときが「ハウルの動く城」、そして今回は17歳。3作品とも、まったく声が違ってて成長段階が分かります。
―翔は体が弱く、転地療養してくる役。どんなことを心掛けましたか?
神木 翔はフラットな男の子で、表情が変わらない。病気で希望も持てずにいる。結構難しい役でした。米林(宏昌)監督からは、アリエッティとの出会いで変化する翔を表現してほしいと言われ、一つ一つのせりふを丁寧に言うことでそれに応えようとしました。
―その結果、翔のキャラクターと神木さんの声がピタッとはまったようです。
神木 ありがとうございます。でも本当は自分の声に自信をもってないんですよ。聞くのも恥ずかしいし。自分の声で大丈夫かな、って不安はいつもあります。役者として演じる以上に、声の仕事は難しいですし。
―具体的には?
神木 当たり前ですが、アニメのキャラクターは僕自身ではないので、そのキャラクターのレベルに合わせなくちゃいけません。どうやってキャラクターの中に入り込んで、命を吹き込めるか。これは役者としての目標でもあるんですが、僕がキャラクターを演じるんじゃなくて、僕がキャラクターにしか見えなくなるように演じたい。声優としても、それを目指しています。
―声をいい状態に保つ秘けつを教えてください。
神木 極力大声を出さない。のどあめをなめる、ぐらいでしょうか。だけど学校で盛り上がるとき、いつも大声でしゃべってるんですよ。体育のとき一番大きい声を出してるのは僕かも。バレーで得点したとき、「ヨッシャー」って叫んだり。のど、かれますね。
―アリエッティの声は、女優の志田未来さん。声優は初挑戦だったとか。
神木 以前共演したので、お互いいい環境でお仕事ができました。「大丈夫かな」って心配してたから、「あなたなら大丈夫ですよ」って言ってあげたんですけど、一緒に合わせるとびっくりするぐらいうまい。一日でアリエッティをつかんでいました。
―次にジブリ作品で声優を務めるなら、どんな役を希望しますか?
神木 うーん、悪役かな。20歳を過ぎて、積み上げてきた経験を反映させるのも面白いのでは。これまでずっと「いい子」の役ばかりでしたからね。そろそろ悪役、やってみたいですね。
神木隆之介(かみき・りゅうのすけ)さんは1993年生まれ、埼玉県出身。2歳でCM、5歳でテレビドラマデビュー。映画「妖怪大戦争」(2005年)、「遠くの空に消えた」(07年)など出演作多数。「借りぐらしのアリエッティ」は、古い屋敷の床下で暮らす小人のアリエッティと少年・翔の出会いと別れを描く。
=2010/08/08付 西日本新聞朝刊=