―13日封切りの主演映画「花のあと」は、藤沢周平さんの同名小説が原作の時代劇。
北川 時代劇への出演自体が初めて。ずっと出てみたかったんですが、藤沢先生の作品と知ってプレッシャーを感じました。藤沢作品の主人公は大半が男性。女性が主人公のものは少ないと聞いたので…。でも、そんな作品に選んでいただいたことを光栄に思い、挑戦しようと決めました。
―北川さん演じる主人公の以登(いと)は剣術にたけた女性という設定。殺陣(たて)の練習に時間を割いたとか。
北川 撮影に入る前の半年間、みっちり指導を受けました。初めて手にした竹刀は重くて、長くて。普通に構えるだけで腕が震え、ちゃんと握れるまで1カ月かかりました。けがも多くて、何とか相手と張り合えるスピードが身に着いたのはクランクイン直前でした。
―刀を手に、相手の俳優さんと対峙(たいじ)するのも今回が初めて。
北川 敵役の市川亀治郎さんとの対決は、とにかく緊張しました。撮影のとき初めて合わせたんですが、迫力が違いました。以登が負けそうだなと思わせないよう、必死でした。宮尾俊太郎さんとの試合は、恋心が芽生える重要なシーン。殺陣以上に、以登の思いを表す演技に心を配りました。
―一方で、ふすまの開け閉めやお茶のたて方など日常生活の所作を正しく美しく演じています。
北川 所作も半年間、けいこしました。例えば器を手にするとき、右手で持ってそっと左手を添えるんですが、最初は「なぜ、そんなまどろっこしいことをするの」と思っていたんです。でも一つ一つの動作に敬意や感謝などの気持ちが込められていることを知り、それを演技に生かすことを心掛けました。
―島田髷(まげ)姿のおしとやかな以登と、髪を下ろして竹刀を手にした以登とどちらが自分らしい?
北川 はかま姿で刀を持った以登です。絶対敵を討ってやると勇ましい気分になれました。
―撮影に入って一番つらかったことは?
北川 「スタジオでは以登でいろ」と言われたこと。食べ物をほお張っていると、「以登はそんな食べ方しない」って終始監視されて。毎日怒られっぱなしでしたが、私も作り手の一員だと初心に戻れてうれしかったです。最近ちやほやされることが多かったので…。
―念願の時代劇出演を果たし、次は何に挑戦しますか。
北川 今回、一生懸命練習すればできないことはないなって自信が持てました。だから次は馬に乗れって言われても、海上保安庁の船に乗ってって言われても、挑戦すればできるような気がします。でも殺陣を生かせる役に、もう一度チャレンジしてみたいですね。
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北川景子(きたがわ・けいこ)さんは1986年生まれ、神戸市出身。主な出演作は映画「間宮兄弟」、ドラマ「ブザー・ビート」など。映画「花のあと」は初恋の相手を自刃に追い込んだ藩の重臣に復しゅうを果たす武家の一人娘の物語。出演は甲本雅裕さん、国村隼さんほか。
=2010/03/07付 西日本新聞朝刊=