―出演された行定勲監督の新作「パレード」は、吉田修一さんの小説が原作です。
藤原 作品によって違いますが、今回はあえて台本だけで、原作は読んでないんです。4人(香里奈さん、貫地谷しほりさん、林遣都さん、小出恵介さん)が本当にナチュラルな表現をされるので、自分も力を抜き、いかに楽に入るかというテーマでやっていた部分もあるから。相手あっての自分で、相手の呼吸が大事なんだと再確認しました。それぞれの個性が出てよかったですね。貫地谷さんなんか、役作りなのか本人なのか分からないくらい、お地蔵様のように座ってましたし(笑)。
―原作自体は8年前に刊行されたものですが、今に近い雰囲気も感じられますね。
藤原 時代が求めていたのかも分からない。知らないうちに心の中に入って、結果、傷つけてしまったり、一方で深い話もなく表面的な付き合いばかりというのもある。行定監督は「恐怖映画」とも言ってますけども、そういうことかなと思いますね。
―今回共演された方たちは、いわゆる同世代。藤原さんの「同世代観」は?
藤原 同世代の俳優は力を持っている人が多く、芝居を見ると、自分になくて彼らが持っているものも考えさせてくれます。今回共演したメンバーもそうで、小出君なんか映画や演劇に対してすごく熱いものを持っていましたね。先日もたまたま東京で小栗旬君や生田斗真君と話してて、自分の世界観をしっかり持って、自分の口でそれを語れて、語るだけでなく、実際にそういうことをやっている強さがある。とても刺激的。
―藤原さんは15歳でデビュー。初めはなかなかそのような同世代はいなかった?
藤原 僕は特殊だったと思います。デビューが寺山修司さんの世界で継母に恋し、そして唐十郎さんが書いた、女の手首を切って血を浴びるというようなことばかりやっていたので、そりゃ同世代と話が合わないときも(笑)。なので今回は、自分もこういう作品をやれたといううれしさもあった。華やかなヒットを狙うでもなく、地に足の着いた、作品として残るような映画。自分としては、これからも触れ続けたい作風です。
―今年も海外で舞台公演があります。海外での仕事に思うことは。
藤原 10代のころはありましたけど、今は…変わらないかな、日本でやるのと。ただ映画は独り歩きしてくれますけど、演劇は国境を越えて自分の体を持っていき、そこで表現する。それを向こうの人に見てもらえるのは貴重な経験なんじゃないかな。
―行く先々で、楽しみな食事などはある?
藤原 ない、ですね。大阪行っても福岡行っても。どこでも生きていける。でもタイでは、ちょっと生きていけなかった。タイ料理、すごく好きで1日目2日目はおいしくて、でも3日目「あれ? 嫌いだなタイ料理…」って、全部同じ味に思えてきちゃって。
藤原竜也(ふじわら・たつや)さんは1982年、埼玉県生まれ。蜷川幸雄演出の舞台「身毒丸」(97年)でデビュー、映画やドラマでも活躍する。公開中の映画「パレード」は、ルームシェアをする男女5人の淡々とした生活を描きながら、そこに潜むひずみを浮かび上がらせる。
=2010/02/21付 西日本新聞朝刊=