─20日に公開される映画「人間失格」。原作は太宰治の代表作ですが、初めて読んだのはいつですか。
生田 中学生の時、感想文を書くために読みました。感想文にどう書いたかは全然覚えてないんですが、言葉の巧みさに引き込まれた記憶があります。
─酒におぼれ、数々の女性に翻弄(ほんろう)される中で孤独感を深めていく主人公・大庭葉蔵。どう分析して演じていますか。
生田 一般的にはダメな男という印象かもしれないですけど、僕は素直すぎたからこそ、巻き込まれていったと思う。小説では葉蔵に対して否定的な目線があると思うんですが、映画は肯定的。取り巻く女性たちや世間の方がねじ曲がっているのではないか、という気がしています。
─太宰が自身を投影したと言われますが。
生田 役が決まって、太宰に関する書籍集めて勉強してたんですが、監督に「真っさらな状態で現場に来てくれ」と言われてやめたんです。脚本だけを読み込んだ。葉蔵は、さまざまな読み方ができる。共通認識や(映画で)描きたい葉蔵を脚本が提示している、という意味だったと思います。
─自分自身と葉蔵が重なる部分は?
生田 さっきまで友だちと騒いでたのに、1人で家に帰ると寂しくなるような感覚。その孤独感って皆感じたことあるでしょう。そこから離れられないのが葉蔵。“宇宙人”ではなくて、見た人が「ああ、分かるな」と思えるようにしたかった。
─荒戸源次郎監督との仕事はどうでしたか。
生田 初めて会った時、金髪にサングラスですごい怖いなって思った(笑)。2、3発くらい殴られるだろうって覚悟してたけど、(撮影があった)京都では穏やかな表情をしていて。「人間失格」を映画化できる喜びを感じているようでした。
─三田佳子さんや寺島しのぶさんなど、豪華女優陣と共演。葉蔵の周りには、さまざまな女性が集まります。引かれそうなのは?
生田 総合的に見て、一番幸せになれると思うのは坂井真紀ちゃん演じた礼子。家庭的で優しい。でも石原さとみちゃん演じた良子も純粋で無垢(むく)で、男性からするとこれ以上すてきな女性はいない。でもそれ以上の地獄を見せられてしまう(笑)。
─映画は今回が初出演、初主演ですね。
生田 あの大きなスクリーンにいつか自分も、と思っていました。今回は丸2カ月間、1日1、2シーンというぜいたくな時間を使った撮影。集中できました。スタッフには古くから映画にかかわっている人がたくさんいて、職人というか、“映画人”の中に入れるという喜びがありました。
─今年は「人間失格」を皮切りに、3本の出演映画が公開予定です。
生田 三つともジャンルの違う作品で「生田斗真、何者なんだ!」と感じてもらえると思います。
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生田斗真(いくた・とうま)さんは1984年、北海道生まれ。96年にNHK「天才てれびくん」に出演。テレビドラマ「花ざかりの君たちへ」(2007年)で注目を浴びた。今年は主演映画「シーサイドモーテル」「ハナミズキ」が公開予定。
=2010/02/14付 西日本新聞朝刊=