西日本新聞

過酷な残業シーンは「素」でした 女優 マイコさん(24)

2010年11月22日 20:09
―公開中の映画「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」は今年3本目の出演作。撮影現場に、だいぶ慣れたのでは?

マイコ 現場現場で雰囲気が違い、まだまだ慣れることはありません。今回は漫画喫茶みたいな現場で、休憩のときはみんなで「機動戦士ガンダム」を読んでいました。まったりとした空気で過ごしやすかったですね。

―映画は「ブラック会社」と呼ばれる、激務が当然のIT会社が舞台。紅一点の派遣社員、中西さんの役です。

マイコ 中西さんは恋愛一筋、一直線の人。ガッツがあってうらやましいですね。私とは全然キャラクターが違い、あんな風にはなれませんからね。映画では、細部にまでこだわったオフィスのセットが準備され、OL・中西さんになりきれました。

―主人公のマ男(小池徹平さん)はじめ、プログラマーたちは、ありえない量の仕事を不眠不休でこなしてゆきます。

マイコ そんな会社が実在することは、話で聞いていました。過酷な残業をするデスマ(デスマーチ=死の行進の略)のシーンは、連日撮影が夜まで続いたこともあり、疲れ切って素で演じていました。もともと私はアパレル会社で働いてました。立ち仕事だったので大変さはよく分かっているつもりでしたが、パソコン仕事は目にくるし、肩も疲れる。どんな仕事も大変だなって―。

―不況の今、内定取り消しや派遣切りなど若者が働く環境は厳しくなってます。

マイコ アパレルで一緒だった人たちはほぼ全員、別の会社に移っています。そのための就職活動も大変だったと聞きました。私も女優とはいえ、会社員のときのような保障は何もないし。向上心を持って、成長していかなければ…。

―マイコさんにとって「働く」とは?

マイコ 夢を実現すること、ですね。目標を持って進む人はすてきだし、私もそうなりたい。だけど映画みたいな会社で毎日泊まって働いている人には、「少し立ち止まってね」と声を掛けたくなります。

―今回の役は、いわばコメディエンヌ。今後の女優人生にプラスになったのでは。

マイコ コメディーは難しいですね。テンションを持ってゆくのが大変だし、恥じらいを取り払う作業も必要だし。だけど現場はみんな笑顔で、楽しい。今回の体験を生かして、新しい役に挑戦したいですね、アクションとか、繊細な表現を求められる役とか、やってみたいです。

―「限界」まで女優の仕事を追求しますか?

マイコ いつも壁に当たってます(笑)。まずは余裕を持てるようになりたいです。「限界」を考えず、ポジティブに頑張ります。

 マイコ(まいこ)さんは1985年生まれ、東京都出身。2006年に資生堂の企業CMでデビュー、映画「山のあなた 徳市の恋」(08年)のヒロイン役に抜てきされる。映画「ブラック会社-」はネットの書き込みから生まれた物語で、品川祐さん、田辺誠一さんらと共演している。


=2009/11/22付 西日本新聞朝刊=

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