―5枚目のアルバムは、映画音楽を集めた洋楽カバー作第2弾。もともと映画が好き?
手嶌 両親の影響もあり、小さいころから特にミュージカル映画が大好きで、意味も分からず英語の曲を歌っていた。それが高じて音楽を始めました。
―チャプリンやフレッド・アステアなど、古い映画からの曲が多いですね。
手嶌 今の映画も見るんですが、やはり好きなのは白黒映画が多い。女優さん俳優さんの力や、映画音楽と映像がマッチして、見ていてとても幸せな気分になれる。私は1本の映画を繰り返し見るのが好きで、もう見尽くすぐらい見るんです。
―全11曲中、オードリー・ヘプバーンの映画から4曲入っていますね。
手嶌 初めて「ローマの休日」を見たときから一目ぼれして。笑顔がかわいくてキュンとします。今回は「麗しのサブリナ」や「マイ・フェア・レディ」などからも入れていますが、あまり知られていない「緑の館」の曲も「ぜひ」とわがままを言いました。
―約50曲録音し、それから絞り込んだとか。
手嶌 歌いたい曲は本当にたくさん。前のカバー作は夜、お酒を飲みながら聴いてほしいと思って、今回は特に同年代の若い女の子に「こんなにすてきな映画、曲がありますよ」と知ってほしかったので、明るく、ロマンチックな曲を集めました。
―歌を際立たせるシンプルなアレンジです。
手嶌 映画でも音楽でも、触れた後の余韻はうっとりできる幸せな時間なので、それは大切にしたいと思っています。
―息遣いを感じる手嶌さんの歌声には、独特の味わいがあります。もともとそんな声?
手嶌 ちっちゃいころから今まで、家でよく鼻歌を歌うのですが、家族には「相変わらず音痴だね」って言われるんですよ。だから変わってないんだと思います。
―理想の声は、練習でつかむものですか。
手嶌 一応、1日5時間歌うと決めていて。はたから聴くと分からないかもしれませんが、一曲一曲丁寧に練習すると「ここで響かせるとすごく気持ちいいな」とか「今はよく歌えてるな」とか、自分で実感できる。それはすごく楽しいことです。
―それを発揮するのがライブですね。
手嶌 写真などから、すごく暗い人、ふわっとした女の子、というイメージを持たれるところがあって。でも実際はかっちりした服で身長も高くて、天神なんかで気付かれた方に「えっ」ってびっくりされる。ライブでは楽しくてテンションも上がってるので、もっと皆さんにお会いして、実際のそういう姿も見てほしい。お客さんも温かく見守ってくださるので、(CDより)ライブの方がすてきな声で歌えている気がします。
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手嶌葵(てしま・あおい)さんは1987年生まれ、福岡県在住。2006年、スタジオジブリの映画「ゲド戦記」でヒロイン・テルー役でデビューし、挿入歌「テルーの唄」もヒットした。これまでに日本語アルバム3枚、洋楽カバー集1枚。今月、5枚目の「La Vie En Rose―I Love Cinemas―」を発売。12月15日には福岡市博多区中洲のGate’s7で地元初の有料ワンマンライブを開く。
=2009/10/25付 西日本新聞朝刊=