―公開中の映画「重力ピエロ」は人気作家伊坂幸太郎さんの同名小説が原作。伊坂ワールドを違和感なく映像化した世界に引き込まれました。完成作品を見た感想は?
岡田 いつも自分中心に見ちゃうんですが、今回はそれがほとんどなく、ストーリーに引き込まれて終わった後にいい映画だなって客観的に思うことができました。
―岡田さんは加瀬亮さん(泉水役)の弟「春」役を演じました。共演の感想は?
岡田 素晴らしい役者さんなのでいつか共演したいと思っていて、撮影中はずっと慕ってました。僕はお兄ちゃんがいないんですが、兄弟っていいなと思いました。
―加瀬さんから演技で教わったことは?
岡田 スクリーンの大きさを考えた方がいいと言われたこと。小さな動きでもちゃんと分かるんだと教わりました。
―「春」は深い悩みを抱えたキャラクター。演技が難しかったのでは?
岡田 本当にわけがわかんなくて、(春の振る舞いが)この話のキーポイントになってくるのでつらかったですね。撮影に入って2カ月で5キロもやせたんです。
―伊坂さんは兄弟2人の演技を「僕が描きたかった低温のロックンロールになっていた」と、形容していましたね。
岡田 意識はしなかったんですが、撮影後に伊坂さんがそうおっしゃってるのを聞いて本当にぴったりの言葉だと思いました。「早く言ってくれよ」って(笑)。
―映画では、悩みを抱える「春」を支える家族のきずなが大きなテーマとして描かれます。岡田さんの俳優活動も家族の支えが大切?
岡田 もちろん。でも、疲れて帰ると「だらしなくなった」って言われて、反対されるときもあります。今朝もお母さんに怒られて飛行機に乗ってきました。「仕事辞めなさい」って言うので、「考えときます」って言って家を出て来ました(笑)。
―遺伝が物語の大きなキーワード。ご両親から受け継いだところは?
岡田 髪の毛がくせっけなところですかね。身長は180センチちょっとですけど、僕だけ伸びちゃった感じですね。
―デビューのきっかけは?
岡田 中学2年生のときにスカウトされました。でも部活のバスケを辞めさせられると思ってすぐに事務所に入りませんでした。高校2年生から俳優を始めました。
―今、大学2年生。学校に行く時間は?
岡田 全然行けてません。キャンパスライフを楽しみたいですが、登校したらしたで1時間半の講義は長いって思うんです。
―バスケは今もやってる?
岡田 やってません。今は体を動かしたくなくて。できれば1日中、このいすに座り続けたい。そしたらお母さんにまた、「だらしない」って怒られるんですけど。
( 文・南條進、写真・吉留常人)
岡田将生(おかだ・まさき)さんは1989年8月15日生まれ、東京都出身。2007年に山下敦弘監督の「天然コケッコー」で注目を浴び、テレビドラマ「太陽と海の教室」(08年)などで人気を得た。今年は「ホノカアボーイ」、「ハルフウェイ」、「僕の初恋をキミに捧ぐ」など出演映画の公開が続く。映画「重力ピエロ」(森淳一監督)は加瀬さんのほか、小日向文世さん、鈴木京香さんらが出演。
=2009/05/24付 西日本新聞朝刊=