―江口さんが天下の大泥棒石川五右衛門として大活躍する映画「GOEMON」は、CGを駆使した奇想天外な時代劇。日本ではないような情景など、いろいろな世界が混在した映像が印象的でした。
江口 安土桃山時代をモチーフにしてるんだけど、中世ヨーロッパや近未来のような世界が混ざり合っていて、本当によくできていると思いますね。
―全編を体育館を改造した専用スタジオで撮影したとか。CG用に、セットがないグリーンバック前での演技もあったとか?
江口 やったことがない体制だったけど、役のことしか考えてないし大変じゃなかった。スタジオの閉鎖空間で撮ってると、芝居のトーンが上がってプラスになりました。
―五右衛門役ではないですが江口さんは昨年、劇団☆新感線の舞台「五右衛門ロック」にも出演。相次いで作品化される五右衛門が現代に問い掛けるものは何ですか?
江口 (劇団☆新感線を主宰する)いのうえひでのりさんが使った「ロック」って表現はわかるよね。破天荒だし体制や社会、格差に対して怒りもある。この時代は誰もが強くなくちゃ生きていけなかった。責任も伴うんだけど、五右衛門はそこで自由に生きることを貫いた男。今は大声でいろんなことを言いづらい世の中だと思うけど、おれも何かできるんじゃないかって背中を押してくれる存在なんだと思います。
―映画「GOEMON」の面白さとは?
江口 信念を曲げない登場人物の生き方かな。五右衛門は愛する人のために秀吉にぶつかっていく。秀吉は天下をとるため貧しさからのし上がっていく。誰が主役でもおかしくない作品で、CGをよく言われるけど、物語が本当に良くできてるんですよ。
―アクションも見どころ。体は鍛えました?
江口 6カ月間鍛えて肉体も随分変わりました。(映画で)五右衛門は超人的な身体能力。そこで(観客に)ひかれるとダメだし、外面的にも役作りをしました。
―40代になって役者として感じることは?
江口 役を掘り下げるために作品のテーマを学ぶんだけど、そこがおもしろくなってきましたね。タイ駐在の新聞記者を演じた昨年公開の映画「闇の子供たち」は記者から服装、物言い、生活など全部取材したり。そうやってしか、映画はできないんですけどね。
―趣味で活力になっていることは?
江口 料理かな。イタメシが得意です。本でも出そうかな。もちろんアウトドアも好きだけど、撮影に入ると時間もないしね。
―奥さま(歌手でタレントの森高千里さん)は熊本出身。九州の印象は?
江口 博多だったら屋台は威勢がいいので気持ちいい。彼女(森高さん)の熊本だったら水がいいよね。あと、彼女もそうだけど明るいし、タフだよね。
(文・南條進、写真・大矢海寿帆)
江口洋介(えぐち・ようすけ)さんは1968年1月1日生まれ、東京都出身。1990年代に「東京ラブストーリー」「ひとつ屋根の下」などのテレビドラマで人気を獲得。「スワロウテイル」(96年)、「竜馬の妻とその夫と愛人」(2002年)「となり町戦争」(06年)、「闇の子供たち」(08年)など映画にも多数出演。05年からは舞台でも活躍する。
▽映画「GOEMON」公式サイト
http://www.goemonmovie.com/
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「GOEMON」監督 紀里谷和明氏にインタビュー >>
=2009/05/10付 西日本新聞朝刊=