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―映画「築地魚河岸三代目」は東京・築地市場を舞台にした人情ドラマです。活気あふれる市場のシーンはロケですか。
伊原 ロケもありましたが、ぼくの場合はスタジオでの撮影が多かったです。築地の10軒ほどの店をそのまま切り取ったようなリアルなセットで、使い込んだ床まで再現してあって、台車を引きずるとガタガタ言うほど。
―映画は、エリートサラリーマンの赤木旬太郎(大沢たかお)が、築地の仲卸「魚辰」の娘で恋人の明日香(田中麗奈)のために脱サラして築地に飛び込み、市場の人々にもまれながら成長していく人情ドラマです。伊原さんの役どころは?
伊原 魚河岸を代表する仲買人・英二の役です。楽をしたと、ちょっと思っています。
―楽をした?
伊原 おいしい役です。無口だから、せりふをあまり覚えなくていい(笑)。
―大阪育ちの伊原さん、チャキチャキの江戸っ子の役づくりは大変だったのでは?
伊原 意外に関西人と江戸っ子は近い。きつい言葉を使ってしまうところとか。築地のロケでは空気を感じようと、現場に入るとすぐ衣装に着替えて、市場の中を一人でうろうろしました。うまく溶け込んだようで、割と気づかれなかった(笑)。
―映画「築地魚河岸三代目」は、劇場公開前に早くもシリーズ化が決まりました。製作・配給の松竹は、「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」に続く看板シリーズに育てたいと言っています。
伊原 作品を見た方々の反応はいいですね。作品として認められているんだと感じます。
―伊原さんは北九州市出身ですね。
伊原 4歳まで住んでいました。小学校の6年間は毎年夏休み、ばあちゃんがいた(北九州市の)八幡に行って、いとこたちと魚を釣ったり、川伝いに帆柱山目指してさかのぼったり、到津遊園の近くまで行ったり。両親とも九州出身だから、家の中では九州弁が飛び交っていました。ぼくの中にも「九州の血」のようなものが確実に流れていますね。
―「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビューを果たしました。今後の海外展開は?
伊原 英語で芝居をする練習を続けています。1カ月休みをつくって米国のロサンゼルスで生活することもありますし。オーディションもいろいろ受けています。
―俳優としての伊原さんには職人かたぎを感じます。
伊原 ぼくが好きなロバート・デ・ニーロは徹底的に役づくりをする。歯さえ抜いた。ぼくも必要があるなら歯を抜くこともいとわない。40歳を過ぎるとなかなか大変ですけど、死にものぐるいで仕事に向き合っていこうと思っています。
―ところで、伊原さんはお好み焼き店チェーンの経営者でもあります。店は関東ばかりですが、九州出店の予定は?
伊原 会社には月に2、3回しか顔を出さないし、スタッフに任せているので…。スタッフが出店したいと言えば、九州もありえます。おいしいですよ、うちのお好み焼き。
(文・野中彰久、写真・吉留常人)
伊原剛志(いはら・つよし)さんは1963年生まれ。96年のNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」で人気を集め、ドラマ「新選組!」、映画「半落ち」「ヒートアイランド」など出演作多数。ハリウッド映画「硫黄島からの手紙」にも出演した。映画「築地魚河岸三代目」の原作は、作・鍋島雅治さん(長崎県佐世保市出身)、絵・はしもとみつおさんの同名まんが。
■映画「築地魚河岸三代目」公式ホームページ
http://www.uogashi3.jp/movie/
=2008/06/08付 西日本新聞朝刊=