3次元の空間に時間を加えた広がりを4次元とするならば、「レイヤードローイング」のシリーズは4次元を可視化した作品と言えるのではないだろうか。卵の黄身がつぶれて広がっていく様子をデジカメで連写し、時間の経過とともにプリントアウトして重ねた。縦の連なりは時間による卵の変化を表現しているが、同時に立体作品のような具体的な形を示している。
北九州市出身。東京造形大などで彫刻を学んだ。「塑像をしていくうちに物質を扱う感覚が離れていきました」。空間と時間が多重に交差する作品は鑑賞者を揺さぶる。2ミリほどの間隔で縦の線を幾層にも引いた「ストライプドローイング」のシリーズは、画面がチラチラと輝き、見るたびに変化する森のように不思議な感覚を与える。「見る人の視線の置き場所を変えていきたいんです」
昨年福岡市美術館であった「コレクション/コネクション」展では会場入り口に巨大な映像作品を発表するなど、多彩な表現で注目を集めている。20日まで、福岡市博多区博多駅前の「ヤマネアートラボ」で新作を含めた個展を開催中。
=2010/03/07付 西日本新聞朝刊=