部屋のベランダやソファ、学生たち、町の魚屋さん。絵に登場するモチーフは、誰もが目にするものが多い。だが、何かがおかしい。えたいの知れないものが画面を漂っていたり、不気味なオーラが立ち込めていたり。“白昼夢的”とも称される独特の世界観は「日常で見たものや小さいころの空想が、頭に入ってきて画像を思いつく」のだという。
芸大に入学するも「学費に見合うものは得られない。自分でやった方がいい」と数カ月で中退。その後1年間で描きためた絵をファイルにまとめ、東京のギャラリーで売り込みに回った行動派だ。現代美術で定評のある「山本現代」(東京)で2度のグループ展を開き、4月1日からは熊本市現代美術館で九州初の個展「デジャヴュな日常」を開く(5月30日まで)。「絵に意味や説明はない。見たそのままで、どう思われても自由」。アートだけでなく、ファッションなど他分野とのコラボレーションも望んでいる。
=2010/02/28付 西日本新聞朝刊=