少年犯罪の現場を訪ねて撮影した「teenage icon」シリーズなどで、社会的な視点から被写体に迫る。報道写真のような核心ではなく、周辺を切り取り事件の側面を浮き彫りにする。「環境や社会が異なれば、私も同じような犯罪を起こす可能性があったのでは」。日常的な風景にも見える作品は、誰もが絶対的な安全圏にいるわけではないことを気付かせる。
九州産業大学で写真を学んだ。写真の楽しさは「被写体とのかかわりと見せ方の奥深さ」だという。撮影前に被写体との対話や取材地の調査を重ねる。人物を写すなら、ポーズや演出を加えずに真正面から。「そのほうが難しい。でも、考え方や人柄、人生を感じさせる写真になります」
生まれてから幼少期まで過ごした北九州市八幡東区を撮影した写真展「八幡」を、18日まで「アジア フォトグラファーズ ギャラリー」(福岡市中央区大名)で開催している。「路面電車もなくなり(当時より)町の衰退と迷いを感じました」。黒の発色にこだわってプリントした写真は、町の光と影をにじませている。
=2010/02/14付 西日本新聞朝刊=