アクリル絵の具の硬さ調節などに使われる透明のメディウムという画材を塗り重ねて、絵の具が盛り上がり、躍動するような抽象画を描いている。過去の展覧会では、制作中のメモと作品を合わせて展示したこともあるほど、プロセスにこだわっている。「一筆一筆に気持ちを込めて描いています」
九州産業大学で絵画を学んだ。盛り上がった独特のマチエール(画肌)は、メディウムを塗り重ねるうちにますます立体的になり、近年は画面から独立したインスタレーションと呼べるような作品も手掛けている。それでも「あくまで絵の具を塗り重ねているので、立体的な作品も絵画です」と話す。
最近は「具体的なものを描きたい」という欲求も芽生え、メディウムを固めた球体を並べて具象画に近い画面を作っている。27日―11月8日に福岡市中央区浄水通のギャラリーレコルテで開催する個展には、究極の具象とも言える写真の上に「1つ1つが抽象画」という1―3センチほどの球体を点描のように張り付けた新作約10点を発表する。抽象と具象を文字通り1つの画面に融合させた新機軸だ。
=2009/10/18付 西日本新聞朝刊=