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公開規模は小さかったが驚くほどの秀作だったアニメ「時をかける少女」。この作品と同じ優秀なスタッフが再結集した本作は、名付けて“大家族アクション映画”だ。高校生の少年の淡い恋心から始まった夏の日々は、ある事件がきっかけで、バーチャルとリアルの両方の世界を揺るがす事態に。主人公の少年と、飼い犬まで入れて約30名の大家族が一致団結し、世界の危機に立ち向かう。
天才的な数学力を持つが気弱な高校生・健二は、憧れの先輩ナツキと共に長野の田舎を訪れる。だが、健二が、差出人不明のメールに書かれた数学の難問を解いてしまったことから、現実世界の人間と、仮想世界のアバターが入り乱れる大混乱が起こってしまう。発端はナツキの親戚の一人だったことから、栄ばあちゃんの「身内がしでかしたまちがいは、一家でカタをつけるよ!」との号令が飛ぶ。個性豊かなご親戚の面々が、それぞれの持ち場で大活躍する様が痛快で楽しいが、何といっても戦国武将の熱き血を色濃く受け継ぐ90歳のおばあちゃんのりりしい姿が見ものだ。
インターネットのコミュニケーションツールのひとつであるアバターを巧みに使った展開が見事だが、ネットの中の仮想都市オズで起こる戦いの迫力のビジュアルにも目を見張る。だが何よりも、昔ながらの家族の絆、引いてはマンパワーが世界の危機に立ち向かうための最強の武器になる展開が素晴らしい。同時代性を強く打ち出しながら人と人との繋がりの可能性を謳う、快作アニメーションだ。
(映画ライター・渡まち子)
監督:細田守
声の出演:神木隆之介、桜庭ななみ、富士純子
配給:ワーナー・ブラザース映画
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13などで8月1日公開
▽公式サイト
http://s-wars.jp/