Vol.239「アフター・ウェディング」
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映画はある種のサスペンス仕立てで進んでいく。何気ない物語から驚きの展開へと進むのがビア監督の作風の特徴だ。主人公ヤコブはデンマークに帰国すると実業家の娘の結婚式に強引に誘われる。行ってみると、実業家の妻はかつての恋人、その上、娘は実はヤコブの子だというから、ほとんどメロドラマのようだ。だが、この物語にはそんな甘さを吹き飛ばす仕掛けがある。本作では家族をキーワードにさまざまな絆と幸せの意味を問いかけているのだ。後半の迫力ある人間ドラマは、同じ北欧のベルイマン作品のような深みがあって、映画から目を離すことができなくなるだろう。何しろ脚本の力が素晴らしい。
ビア監督は、ラース・フォン・トリアーが提唱し、限られた予算、自然光などのルールの中で映画を作る運動「ドグマ95」で鍛えられた人だ。そのストイックな演出法は、ドグマ95から離れても、決して大げさなCGや小手先のテクニックに頼らない。この人の映画の魅力は、ドラマそのものの力強さに尽きる。ハリウッド進出もはたしたスサンネ・ビア監督。映画ファンなら、この名前は覚えておこう。
(映画ライター・渡まち子)
2006年 デンマーク映画
監督:スサンネ・ビア
出演:マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン
配給:シネカノン
シネ・リーブル博多駅で11月24日公開
▽公式サイト
http://after-wedding.com/ 2007年11月09日10時35分
[PROFILE]
渡まち子(わたりまちこ)
映画ライター。西日本新聞の紙面で映画コラム「シネマの鍵貸します」を連載中。実は大の欧州サッカー好きでもある。
著者へのメールはこちらまで
著者が運営する映画情報サイト 「映画通信シネマッシモ」はこちらから
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