2010年08月21日掲載 [鹿児島 / 哺乳類]
鹿児島本土のマングース 生息は地域限定 イタチが“防波堤”か 捕獲100匹 他地区では未確認
鹿児島市喜入地区で昨年6月22日に本土で初めて生息が確認された特定外来生物マングースの捕獲数が、20日でちょうど100匹に達した。
鹿児島県によると、捕獲場所は同地区内のみで、数は減少傾向にある。ただ隣接の南九州市でも目撃情報があり、専門家は「実態解明にはもっと広範囲な調査が必要」と指摘。侵入経路も含めて謎が多く、県が目指す根絶への道筋は見えていない。
捕獲数の内訳は雄42匹、雌58匹。わなは目撃情報を基に県が昨夏に3個設置したのを皮切りに、今では喜入地区に230個を置く。捕獲場所は同市喜入中名町を中心とした南北15キロ、東西5キロの平野部に限られ、隣接の指宿、南九州両市に近い場所では皆無という。
月別の捕獲数も昨年8月の1匹、今年1月のゼロを除いて3月までは8―16匹だったが、4月以降は2―5匹とめっきり減った。
県の依頼で調査している鹿児島国際大学の舩越公威教授(哺乳(ほにゅう)類学)は、捕獲数減少を“根絶”の兆しとする見方とともに、警戒心を強めたマングースがわなにかかりにくくなった可能性も挙げる。「全体像の解明には、わなの設置範囲を広げた長期調査をしてデータを蓄積する必要がある。生息の範囲や数の推定はまだ難しい」
捕獲場所が広がっていない点は「両市との境にある山間部で、餌が競合するイタチやテンなどが“防波堤”の役割を果たしているのかもしれない」と理由を推測する。
県によると、喜入地区で1979年以降に製作されたマングースのはく製が3体見つかっており、約30年前には既に居ついたらしいことは分かってきた。アジア各港とタンカーで結ぶ同地区の石油備蓄基地は69年に操業開始。マングースは、同じころ指宿市にあった毒蛇ハブとの決闘ショーを見せる観光施設から逃げたとの情報もあった。しかし、住民・関係者617人からの聞き取り調査でも確たる証拠は得られなかったという。
捕獲個体の解剖で、昆虫を主食とし、年1回2―4匹を産んでいるといった生態も徐々に判明している。舩越教授は「もっと住民からの情報がほしい」と話している。
=2010/08/21付 西日本新聞朝刊=


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