西日本新聞

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2010年08月17日掲載 鹿児島 / 哺乳類

コアラ謎の死 赤ちゃん10年で22匹中13匹 鹿児島・平川動物公園 近親交配が原因? 豪の専門家招き対策

 九州で唯一、コアラがいる鹿児島市平川町の平川動物公園で、コアラの赤ちゃんが近年、相次いで謎の死を遂げている。2000年以降生まれた22匹のうち、大人に育ったのは9匹だけ。現在の飼育数は7匹で、ピーク時の3分の1を切り、25年保ってきた「飼育数日本一」の座も揺らいでいる。原因としては近親交配が考えられているが、有効な対策はない。危機感を強めた同園は10月に原産地オーストラリアから専門家を招き、初の「コアラ会議」を開き、協力を求める方針だ。

 
 同園がコアラの飼育を始めたのは1984年。オーストラリア・クイーンズランド州から親善を目的に雄2匹が贈られ、他州から寄贈された多摩動物公園(東京)、東山動植物園(名古屋市)と並び、日本初のコアラとして話題を呼んだ。
 
 翌年には同州から雌4匹も仲間入り。繁殖も順調に進み、96、97年のピーク時には27匹に。
 
 ところが2000年代に入り、育たないうちに死ぬ赤ちゃんが急増。有袋類のコアラは生後6カ月まで、母親の腹部にある袋の中で生活するが、目立ったけがや病気もないのに、袋の中で死んでしまうケースが相次いでいる。
 
 86年度以降、飼育数日本一だったが、今年1月に8匹に減り、その座をいったん東山動植物園に譲った。同園も7月に7匹になっている。
 
 原因について、平川動物公園の石堂昭憲園長は近親交配を指摘する。クイーンズランド州など3州から初代のコアラが来て以来、日本の動物園には新たな個体はほとんど入っていない。3州ごとに種類が異なるため、交配も同じ州のコアラ同士でしてきたという。
 
 コアラの寿命は10年前後。同園で現在飼育中のコアラは、初代から5―7代目に当たる。近親交配を避け、他園のコアラと交配させるなどしてはいるが、3―4代さかのぼると、祖先が同じになることも珍しくない。
 
 赤ちゃんの死によるコアラの数の減少は、国内の動物園で共通。9園で46匹(2月末時点)が飼育されているが、ピーク時(97年)の96匹の半数にも満たない。
 
 10月のコアラ会議は、クイーンズランド州のコアラなど野生動物の専門家も出席予定。石堂園長は「近親交配の解消は新しい血を入れるのが一番の方策。専門的な助言に加え、新たな個体の提供もお願いしたい」と話している。
 
=2010/08/17付 西日本新聞朝刊=