2010年01月18日掲載 [福岡 / 哺乳類]
迷惑イノシシ…でも人気 芝生荒らす“くしゃみ君” 福岡市の公園
福岡市東区香椎にある市民の憩いの場「三日月山霊園公園」の芝生広場が、1匹のイノシシに荒らされている。大好物のミミズを狙って掘り返し、広場の3分の1(約3千平方メートル)の芝生がはがされた状態だ。しかし、このイノシシ、クシュンと鼻を鳴らすことから、地元では「くしゃみ君」と呼ばれ、ちょっとした人気者になっているとか。今月上旬まで鳥獣駆除があったが、難を逃れたとみられる。市は利用者に刺激しないように呼び掛けるとともに、掘り返しが落ち着くまで“黙認”する考えという。
■好物ミミズ狙い3千平方メートル掘る
公園管理事務所や目撃者によると、くしゃみ君は体長約1メートル、体重70キロ前後。昨年9月ごろから姿を見せ始め、午前中か夕方に、頻繁に確認されている。
昨年11月ごろには、遠足に来ていた幼稚園児の前に現れ、福岡東署のパトカー5台を出動させる“騒動”を起こしたが、食事を終えると悠々と山に戻っていった。
人懐っこくて、性格はおとなしいようだ。東区下原の自営業、内田定夫さん(57)は「飼い犬がほえても、黙々と芝生をひっくり返してミミズを食べている。最近は犬も慣れ、なついてしまいました」と苦笑いする。
一方、くしゃみ君をめぐっては、地元で「悲話」もささやかれている。2年前から親子イノシシ4匹がこの公園に出没。うち3匹が駆除され、小さかった1匹が成長したのが、くしゃみ君というのだ。うり坊のうち1匹がクシュンと鼻を鳴らしていたのが根拠らしい。
◇ ◇
地元猟友会によると、三日月山近くの山林は鳥獣保護区に指定されている。同会は市の依頼で許可を受け、昨年の11月から今月8日まで年1回の駆除を実施。イノシシ26匹を仕留めた。その後、くしゃみ君の姿は未確認だが、芝生が掘り返された場所が広がっており、公園管理事務所は難を逃れたとみている。
福岡市動物園の中野淑雄さん(63)は「近くの山に餌が少なく、公園で簡単に好物が食べられることを覚えたのではないか」と推測。イノシシはもともと臆病(おくびょう)な動物で、出合い頭に人と遭遇しただけで暴れ出すこともあることから、注意が必要という。
荒らされた芝生広場の補修費は、現状でも400万-500万円に上る見込みだが、市は出没が続く間は補修を見送る意向。市公園管理課は、広場に「イノシシ出没注意」の看板を設置し、「むやみに刺激しないで」と呼び掛けている。
【写真】芝生をはぎ取られ土がむき出しになった三日月山霊園公園の広場=9日午後、福岡市東区香椎
=2010/01/18付 西日本新聞夕刊=


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