2010年01月18日掲載 [佐賀 / 哺乳類]
看板犬ユキと看板猫ミー “親子愛” 客の心 和ませ 武雄・古民家レストラン
厳しい寒さが続く中、“親子愛”で客の心を温める2匹のペットが武雄市東川登町の古民家レストラン「こずみ」にいる。犬の「ユキ」と猫の「ミー」。種は違うのに2匹は互いを親子と思い込んでいる様子で、眠る場所も食事も一緒。相性が悪いとされる犬と猫がなぜ“親子”になったのか。そこには愛の力としか言えない不思議な出来事があった。
■お乳与え、眠る場所も食事も一緒 寄り添う姿きずな固く
2匹の出合いは2008年3月にさかのぼる。野良猫として店に遊びに来ていたミーの母親が4匹の子どもを産んだ。間もなく一家は姿を消したが、1匹だけ置き去りにされた赤ちゃんがいた。それがミーだった。
そのとき生後半月。おなかをすかせ、客が来るたび「ミャンミャン」と鳴いた。同店の池田直さん(57)が見よう見まねで哺乳(ほにゅう)瓶でミルクを飲ませていたが、本物のお乳に勝るものはない。ミーは店で池田さんが飼っていたユキに擦り寄りお乳を求めるようになった。
でもユキは出産したことがなく、お乳は出ない‐。誰もがそう思っていた2カ月後のある日、ユキがおっぱいを与え始めたのだから驚いた。トイレの後にはおしりをなめてふいてあげ、夜は一緒に眠った。「ミーを育てたいという母親の本能が身体に変化を与えたのではないでしょうか」と池田さんはみる。
以来、ミーにお乳を与え続けている。ミーは昨年4月に母猫になったが、子どもが乳離れした後もユキのお乳を飲み続けている。ユキも嫌がるそぶりを見せない。
2匹は今や店の看板犬と看板猫。客の多くが目を丸くして驚きながら、ほほ笑ましい光景に笑顔を見せる。15日にはユキが4歳の誕生日を迎えた。年を重ねても2匹は仲むつまじく、親子のきずなを手放そうとしない。池田さんは言う。「ミーとユキを見ていると人間が失いつつある親子愛の本質が見える気がします」
=2010/01/18付 西日本新聞朝刊=


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